ふたご座のM35
二月の下旬の夜8時ごろになると、オリオン座やおうし座などは、子午線を越えて、西側に移動していきます。ふたご座も夜9時頃には、天頂付近に昇ってきます。双眼鏡で真上の空を眺めるのも一苦労です。夏なら、庭に敷物を敷いて、寝転がりながら眺めることもできますが、冬のこの時期にはできません。望遠鏡のファインダーで探すのも大変です。アクロバットのような、軟体動物のような、異常な姿勢をしなければなりません。これが、とてもつらいところです。
ふたご座の二人が地球の方を見ているとして、右側のカストルの左足の足先に、散開星団M35はあります。天頂付近を眺めると、ぼんやりとした小さな雲のような光が確認できます。双眼鏡なら、よりはっきりといくつかの星を見ることができます。もちろん田舎の澄み切った暗い夜空でしか見えませんが……。
左の画像が、M35です。M35のすぐ南にもう一つの散開星団NGC2158があります。これは肉眼では見えませんが、画像にすると、小さく密集した星々が確認できます。球状星団のように見えますが、密集度が非常に低く、星の個数がとても少ないのでしょう。共に天の川銀河の中にある隣同志ですが、M35までの距離が2800光年で、NGC2158までの距離が16000光年ですから、結構離れた宇宙空間にあります。それでも、地球から見ると、近所なのでしょうか。
大きな星団や星雲を眺めるときには、双眼鏡がとても役に立ちます。望遠鏡は、低倍率で眺めようとしても、その方向に向けるのが大変です。倍率は低いですが、双眼鏡はとても簡単で、すぐに眺められます。6倍から8倍程度の明るい双眼鏡がいちばんです。
データ/ビクセンSX2・ビクセンED80sf・専用レデューサー・キャノンKissX7i・ISO1600・90秒・トリミング・8コマ合成・2017年2月21日20時50分頃
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