« 2017年3月 | トップページ | 2017年5月 »

2017年4月の5件の記事

2017年4月29日 (土)

りょうけん座の球状星団 M3

M3blog 日が暮れて1時間ほど経つと、東の空に春の星々が昇ってきます。今は、木星が明るく輝いていますが、本来なら、とても寂しい星空なんですね。春の1等星と言えば、天頂近くに昇ったしし座のレグルス、おとめ座のスピカ、そしてうしかい座のアルクトゥールスの3個しかありません。おまけに、レグルスとスピカはそれほど明るくありません。それに比べて、西空に沈みかけている冬の星座や星々の明るいこと、眺めてみると、とてもよくわかります。

 うしかい座のα星アルクトゥールスは、全天で4番目に明るい恒星です。眺めているだけで、個人的な想いですが、何となく頼りになるような印象です。だから、春の観察・撮影にはこの星でピント確認をしています。

 画像は、アルクトゥールスの少し東北の領域にあるM3という球状星団です。球状星団にしては、大きい方で、双眼鏡でも確認できます。明るさは、6等級弱ですが、空が澄んでいれば、視力のいい人ならば肉眼でも見えるそうです。久し振りにニュートン反射鏡を使って観測しました。昼間のうちに光軸を修正したはずなのですが、少しだけ調整不良のようでした。撮影には、あまり影響はしていませんが、また、光軸修正をします。

 M3は、視直径が100光年、恒星の個数が50万個ほどだそうです。地球からの距離が34000光年程ですから、天の川銀河のはるかな上方の、星の少ない領域にあるのでしょうか。球状星団には、とても魅力を感じます。そんなところにある惑星に生まれたとしたら、日常は一体どんなふうになっているのか、夜は眠れるのだろうか、なんてしょうもないことを考えたりします。想像力を刺激するのですね。

データ/ビクセンSX2・笠井15㎝ニュートン反射・ビクセンのコマコレクター3使用・キャノンM5・ISO1600・60秒・15コマ合成・トリミング・2017年・4月28日20時40分

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年4月24日 (月)

おとめ座銀河団

Photo ここ薩摩半島では、明るい日差しがあるのに、雨がざーっざーっと降ることがたびたびあります。狐の嫁入りではないのでしょうが、一年中起こります。それも、とても頻繁にです。今日も、夕方そんな天気でした。何年か前に、望遠鏡で星を観察している時に、突然雨が降り出したこともありました。あわてて機材を家の中に運び込みました。それ以後、双眼鏡を首にかけて、夜空の雲の移動には気を使っています。

 左の画像は、おとめ座銀河団の中心付近です。口径102ミリでは、完全に力不足です。これは、ハッブル宇宙望遠鏡の観測対象ですが、初めて観察し、撮影しました。8個の銀河が写っていますが、この周辺には、小さな望遠鏡で確認できる銀河が、2,30個ほどあります。でも、実際は2500個以上の銀河があります。銀河団の集合が、超銀河団をつくっているようです。したがって、超銀河団に含まれる銀河の数は、億単位なのでしょう。こういう宇宙の姿は、人間の想像を、はるかに超えてしまいます。

 毎夜のことですが、我が家の裏庭は、一面暗闇です。でも、小さなテーブルの横で椅子に腰かけて、星明かりの下、のんびりコーヒーを飲みながら、想いを巡らせるのは、とても優雅な時間かも知れません。

データ/ビクセンSX2・ES102ED・キャノンKissX7i・笠井.0.8倍レデューサー・ISO1600・80秒・11コマ合成・2017年4月22日21時50分頃

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年4月19日 (水)

月面 静かの海

Photo 4月に入っても、薩摩半島では、春の穏やかな晴天はあまりありません。春の嵐があっという間に通り過ぎて、1日晴れたと思えば、また次の日は雨だったりします。晴れていても、薄雲がかかっている夜空の方が多いんですね。少し薄い雲がかかっていても、月だけは眺められます。

 余裕があるときは、のんびり月面観察をしています。上弦の前後の月面は、クレーターがくっきりしていて、とても迫力があります。8インチのシュミカセで、椅子とコーヒーがあれば、ゆっくり観察できます。双眼装置というのがあって、これまた不思議ですが、双眼鏡ではないのに、月面が立体的に見えるんですね。同じ景観を両目で見ているのですが、両目で観るということで、錯覚を起こしているのでしょう。100倍程度にして観察すると、少し遠いですが、月の周回軌道上の宇宙船に乗っている気分です。おまけに月の動く速度は恒星と違うので、月が星々の間を少しづつ移動していく様子から、遊覧飛行しているような感じです。

 ところで、写真は、月齢7.0の月面です。晴れの海と静かの海付近です。静かの海には、1969年アポロ11号が着陸した場所があります。黒っぽい地域が海と呼ばれる、少しは平坦な場所のようですが、地球上の平原とは全く違ったところのようです。岩場が延々と続く厳しい環境の世界でしょう。

 アポロ計画は、1972年12月のアポロ17号が最後になりました。でも次のアポロ18号は月面着陸が決まっていて、準備完了だったようですが、突然中止になりました。なぜそうなったのか、公式発表がなかったので、いろいろなうわさがありました。ドキュメントっぽい映画もつくられました。アポロ17号の時に、月面上に謎の生物が生息していて、乗組員がけがをしたという内容の映画でしたが、結構迫力ある映画でした。まあ、それはそれとして、まだまだ謎の多い月です。未知の部分がいっぱいあった方が、庶民は夢を持ち続けられるので、楽しいのでは……と思っています。

データ/ビクセンGP2・セレストロン8インチシュミカセ・キャノンKissX7i・ISO1600・1250分の1・2017年4月4日21時20分頃

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年4月15日 (土)

M81とM82

Photo おおぐま座のM81とM82を撮り直しました。なかなかうまくいかず、四苦八苦しています。前回よりは、ほんの少しだけですが、大きな口径のレンズです。

 この画像では、上方がおよその北極星方向です。おおぐま座は、北極星の上方に昇っていますので、実際は逆立ちしていますが。

 我が家の裏庭から北東方向を眺めると、ほんのり明るいんですね。それは、加世田という小さな街の灯りがあるからです。おまけに、同じ方向に、遠いですが、鹿児島の市街地の街明かりが空を明るくしている感じです。夜中になると、田舎の暗さになりますが……。

 そんな訳で、出来る限り、天頂付近から西側と南側の空を眺めています。このところ空を眺めながら感じる印象は、大気の状態があまり良くないのでは、ということです。都会は、30年程前からでしょうが、薩摩半島の片田舎でも、大気がとても汚れてきたような感じです。冬は、大陸からPM2.5と黄砂が頻繁にやってくるようです。また、夏は南からやってくる水蒸気の多さが目立ちます。星空が、どんどん霞んでいくようで、少しだけ心配をしています。

 ところで、おおぐま座のM81は渦巻銀河です。M82は不規則銀河に類別されています。M82不規則銀河は、爆発的に形を変えているようです。それは、過去にM81がM82に衝突して、M82に大きなダメージを与えたと言われています。そんな時代に、この銀河に生存した生命体は大変だったのでしょうねえ……、なんて、つい思ってしまいます。

データ/ビクセンSX2・ES102ED・0.8倍レデュサー・キャノンKissx7i・ISO1600・120秒・10コマ合成・2017年4月14日

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年4月 5日 (水)

春の大曲線

Blog 鹿児島では、今日4月5日に、桜の開花宣言が出ました。平年よりも、2週間近く遅い、観測史上最遅だったそうです。3月の気温が低かったのも理由のようです。公園を散歩しても、桜の賑やかさは、ほとんどありません。これから、満開になるのでしょうが、今日もどんよりの曇り空でしたし、予報では、明日から、5、6日は雨、曇り、雨、曇り、雨なんていう天気だそうです。でも、外気温だけは、夜になっても20度を超えています。

 もうすっかり春、というのは、夜空を眺めて見ればすぐに分かります。夜の10時頃になると、春の大曲線が空高く昇ります。

 春の星空は、少しだけ寂しいんですね。1等級以上の星は、3個しかありません。西の空で沈みかけている冬の星座に比べると、賑やかさが全然違います。ただ、今年は、東の空に明るい木星が輝いていることです。現在の木星は、おとめ座のスピカの近くをのんびり移動しています。

 写真は、春の大曲線と言われている、3個の星を分かりやすく結んだものです。広角レンズのため、周辺部は、結構歪んでいます。画角は90度っていうところでしょうか。薩摩半島は、雲ができやすいところなので、雲の動きを観察しながら、短い晴れ間を狙って、撮影したものです。星を観察するのも、結構体力が必要だということにやっと気付きました。

データ/ケンコースカイメモS・キャノンKissx7i・シグマ10~20F4・F5.6・60秒・ソフトフィルター・数コマ合成・2017年4月2日21時頃

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2017年3月 | トップページ | 2017年5月 »