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2017年5月 3日 (水)

ガリレオ衛星

Img_0389a この4,5日、薩摩地方は移動性高気圧に覆われて、穏やかな日和なのですが、大気の状態があまりよくなく、昼も夜もソフトフィルターをかけたような感じの空でした。日が暮れると、南東の空高くに木星が輝いていたので、まあ、木星ならすぐ近くの惑星だから何とか眺められるのでは、と観察することにしました。

 8インチのシュミカセでの観望です。いつものように4個のガリレオ衛星が、木星の周りを動いていました。ガリレオが4個の衛星を発見したのは、今から400年以上前の1610年です。自分で製作した望遠鏡での観測でしたから、これまた、すごいことなんでしょう。この発見によって、ガリレオは地動説を確信したと言われています。比べるのも変ですが、1610年頃の日の本の国と言えば、江戸時代に入って、少しは平和な世の中になった頃です。ちょうど、宮本武蔵が二天一流に目覚めて修行していた頃でしょう。ヨーロッパの科学と技術の偉大さがよくわかります。

 画像の上方が天の北極方向です。左からエウロパ、イオ、ガニメデ、カリストの順です。太陽系最大の衛星ガニメデは、さすが明るく輝いています。木星に最も近いイオは、どんどん木星に近づいていて、やがて向こう側に隠れてしまいます。イオは、42時間で木星の周りを一周しますので、計算すると周回速度は時速63000キロ程です。超超高速ですね。エウロパやガニメデも周回軌道半径が小さいので、眺めているうちに、位置が少しずつ変わっていきます。

 ガリレオも最初に観測したときには、非常に驚き、驚嘆したのでは、と想像できます。現在そんなことが分かっていても、小さな衛星がどんどん位置を変えて、移動していくのを眺めていると、巨大な宇宙の物理法則と生きている時空の不思議さに驚かされます。と同時に、それを小さな地球から眺めている自分も生きている、という臨場感を非常に強く感じます。何故だか分かりませんが、これまた、とてもとても不思議です。 

 データ/ビクセンGP2・8インチシュミカセ・キャノンKissX7i・ISO3200・0.1秒・2017年4月30日20時50分頃

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