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2017年6月の5件の記事

2017年6月30日 (金)

ヘルクレス座のM13

M13_blog 梅雨時なので、10日間ほどまともな星空を見ることができませんでした。今年の梅雨は、おとなしい雨のような気がします。去年のような激しい雷雨という感じはなく、静かに降り続ける雨のようです。それでも、6月から7月に変わるこの時期の蒸し暑さは、薩摩半島特有のものかも知れません。瀬戸内海周辺や関西では、決して経験できない強烈なすごさです。

という訳で、ヘルクレス座の球状星団M13の画像は、昨年の秋に撮影したものです。球状星団M13は、1714年にイギリスの天文学者エドモンド・ハレーが発見したものです。ハレーは、有名なハレー彗星を予言し、軌道計算をした人です。彼の記録では、月のない夜には肉眼で見えた、そうです。夜空がとても暗かったし、視力も良かったのでしょう。この球状星団は、北天最大で、最も美しいと言われています。50万個以上の恒星が密集している領域です。人間には、その内部の状況が想像できません。

 ヘルクレス座は、7月中旬の21時頃には、天頂近くに昇り、とても観察しやすくなります。勇者ヘラクレスの腰のあたりに、M13はあります。密集度が高いので、口径の大きな望遠鏡が必要かも知れません。口径80ミリでは、星の分離が少し不足しているようです。6,7倍の双眼鏡で眺めると、恒星とは違い、ぼんやりした雲のように見えます。薩摩半島の夜空はとても暗いのですが、肉眼では確認できませんでした。この夏に、8インチのシュミカセで覗いてみたいと思います。少しだけ期待して、待っていてください。

データ/ビクセンSX2・ED80sf・専用レデューサー・キャノンKissX7i・ISO1600・60秒・2016年10月3日21時頃

 

 

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2017年6月19日 (月)

ヘルクレス座

Blog 夏の代表的な星座のひとつ、ヘルクレス座です。ギリシャ神話に登場する大神ゼウスの息子で勇者ヘラクレスの姿です。勇者はヘラクレスと呼ばれていますが、星座名はヘルクレス座になっています。ちょうど梅雨時期の20時頃に、東の空に昇ってきます。この画像は、昨年の秋に撮影したものです。

 水蒸気の多いこの時期に昇ってくるので、眺めるのも撮影するのも大変です。さらに、我が家のある薩摩半島の西側は、鹿児島市とその周辺の街明かりや8キロ離れている加世田の街明かりがあって、夜10時頃までは、東の空は薄明の空になっています。そのため、今年はまだヘルクレス座の姿を肉眼で十分確認していません。

 この星座図は、上方が天の北極方向です。という訳で、ヘラクレスの姿は、ちょうど逆立ちした格好です。おまけに、星座をつくる星が、すべて3等級以下の暗い星ばかりで、肉眼で星座の形を観察するには、少し無理があるようです。

 α星ラス・アルゲティは変光星で、2.8等級から4等級まで周期的に明るさを変えていて、赤色超巨星に分類されています。現在、星として存在しているのかどうかは分かりません。このα星が頭のてっぺんです。ラス・アルゲティというのは、ひざまずく者の頭という意味のアラビア語だそうです。確かに三角形の頭が、地にへばりついている感じもします。ユーモアがあって名付けたのか、それとも非常に厳格に命名したのかは不明です。しかし、暗い星々を結んで、うまく人の姿にしたものですね。感心しています。

 このヘルクレス座には、球状星団M13があります。天の北半球で、最も巨大に見える球状星団です。晴れた日の夜遅くに観察してみます。

データ/ビクセンGP2ガイドパック・キャノンKissX7i・シグマ10~20ミリF4・ISO1600・f4・50秒・7コマ合成・2016年9月30日20時頃

 

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2017年6月10日 (土)

天(あめ)の海に

Blog 月齢14.3の月が、やや低い南の空に昇っていました。満月ではないのですが、大気の透明度が良いのか、くっきりと輝いていて、我が家の裏庭の明るいこと。芝生の上に、自分の影が45度の角度で伸びていました。コーヒーを飲みながら、月見の散歩です。写真の中央上空に輝いているのが、二等星ポラリスです。

 タイトルを「天(あめ)の海に」としたのは、その日の夕方に、清田愛未の同名の星の歌を聴いたからでした。作詞は、柿本人麻呂です。万葉集巻七に収められている和歌でした。こんな和歌があったということも、初めて知りました。

 〈 天(あめ)の海に 雲の波立ち 月の舟 星の林に 漕ぎ隠る見ゆ 〉

 この詞に、三味線とピアノで旋律をつくって現代的な曲にしていました。万葉集と言えば、基本的に叙情詩的なものだと思っていました。月を詠った和歌も多いようですが、それなりに心象風景でしょう。でも、この歌は、とても現代的です。三日月か四日月かは分かりませんが、それを小舟に例えて、波立つような雲の流れを見え隠れしながら進んでいく。まあ、そんな風景を見ている、という感じなのでしょう。2分半程の小曲ですが、気にいって何回も聴いています。

データ/キャノンG3X・24ミリ・ISO1600・F5・4秒・2017年6月9日21時30分

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2017年6月 5日 (月)

ケンタウルス座のオメガ星団

0603ablog オメガ(ω)星団の輝きには、とても驚きました。球状星団がこんなに巨大だとは知りませんでした。肉眼でも見えるし、満月よりもはるかに大きな光です。

 前日に、南中時刻や高度を少しだけ確認しました。我が家の観測地点から、南の方向には、高さ150メートル程の山があり、はたして見えるのかどうか、疑問でした。見えたとしても海が近いので、水蒸気の多さが邪魔をして、霞んで見えないような気もしました。前日の20時頃双眼鏡で覗いてみました。かすかにぼんやりとした雲のような光を確認。

 という訳で、次の日の20時前から、山の稜線に望遠鏡を向けて、待つこと40分。まだまだ低空周辺には、夕暮れの明るさが残っていましたが、巨大な球状星団が稜線から月の出のように、ゆっくりと空に昇ってきました。その瞬間は、感動モノでした。高度は、計算通り11度程なんでしょうか。ケンタウルス座の半分以上が見えるということも再確認しました。望遠鏡の口径が小さいので、星の分離が非常に不十分です。次の機会があれば、もう少し大きな口径で、観望したいと思います。

 この写真の撮影場所は、我が家の裏庭の後ろの、2メートル程高くなっている場所からです。そこからは、電線や電柱に邪魔されずに、南の山々の稜線を見ることができます。

データ/ビクセンGP2・ES102ED・笠井0.8倍レデュサー・キャノンKissX7i・ISO1600・40秒・1コマ・2017年・5月29日20時40分頃

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2017年6月 1日 (木)

ジョンソン彗星

Blog 4月から、時々彗星の軌道付近を双眼鏡で眺めているのですが、それらしき光は確認できませんでした。予想されている明るさよりも、ずーっと暗いようです。多分6等級マイナスなのでしょう。

 この画像は、昨夜の21時過ぎに撮影したものです。上方が天の北極方向です。現在、ジョンソン彗星は、うしかい座のε(イプシロン)星のすぐ東隣を南下中です。来週には、α星アルクトゥールスに最接近するようです。それにしても、彗星のダストの尾は、ほとんど目立たず、暗い状態のままです。彗星の写真は、何枚も合成することはできません。刻々と夜空を動いているので、この画像は、1枚加工です。

 ここ薩摩半島では、梅雨入り前ということもあって、水蒸気がとても多く、大気の状態があまりよくないのでしょう。晴れたり、曇ったり、通り雨がザーッとやってきたり、忙しい天気の毎日です。それにしても、このところ雨が少ないんですね。この地方では、3月、4月に田植えを済ませるのですが、今の時期雨水が必要なんですね。からからの天気が続くと、薩摩のおいしいお米に影響するので、少々心配しています。

 観察・撮影を終えて、部屋からのんびり外を眺めていると、庭先をアナグマが2匹、兄弟か親子かは分かりませんが、住みかに帰っていくところでした。

データ/ビクセンSX2・ES102ED・笠井0.8倍レデュサー・キャノンKissX7i・ISO1600・90秒・2017年5月31日21時20分頃

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