わし座
薩摩半島では、夏の太平洋高気圧が張り出しているとき、水蒸気が多く、空の状態はあまり良くないのですが、8月の後半からは例外です。夜に雲が流れていても、その雲の隙間のはるか上空は、とても透明度が良くて、星がきれいに見えました。今年は天候異変で、いたるところ異常続きですが、何が異常で、何が正常なのか、よくわかりません。
この〈わし座〉を撮影した日も、蒸し暑くて、不快指数は最悪でした。風呂上りに外に出た途端に、汗がダラダラ流れてきました。多分、気温30度以上だったのでしょう。それでも、星空はとてもきれいで、暗い星までよく見えました。わし座のアルタイルとすぐ近くにある2つの星、3等星と4等星だと思いますが、この2つの星がくっきりと見えたときは、透明度がとても良いということにしています。
わし座の星座線も、雑誌や本によって線の描き方が全く違うのですが、この写真の星座線は、英語版のPocket Sky Atlasと同じに描いています。この星座線の方が、わしが天の川銀河の中心に向かって飛んでいるように見えるのでは、と思いますので……。α星アルタイルは、こと座のベガほど明るくありませんが、さそり座のアンタレスよりも明るいんですね。今、知りました。アルタイルは、太陽から17光年ほどの距離なので、宇宙の広さから考えると、ほんの近所というか、庭先で輝いているという感じかも、です。
わし座のすぐ北に小さな星座ですが、や座があります。〈や〉というのは、矢のことで、暗い3,4等星の5個の星の集まりです。このや座も、トレミーの48星座の1つです。確かに矢のように並んでいます。というより、よくもまあ、こんなところに見つけたものですね。感心します。肉眼でも、2つ3つは見えると思います。
星空を眺めていると、新しいことをいろいろ発見できます。双眼鏡で眺めると、新しい星の集団を発見したりします。流れ星や火球は、毎回見ているような気もします。人工天体が、1等星のような明るさで夜空をよぎることもたびたびです。おまけに地上では、野生動物がガサガサと歩き回って、猫とは違ういがみ合う鳴き声もします。また時には、アメリカ軍の訓練機でしょうか、海岸線にそって超低空飛行をしますので、その轟音は恐怖ものです。九州の西海岸は、北朝鮮の海岸によく似ていると、新聞で読みました。まあ、いたるところ、賑やかで、忙しない薩摩半島の夏の終わりの夜です。
データ/ビクセンGP2ガイドパック・キャノンKissX7i・シグマ10~20ミリ・ソフトフィルター・ISO1600・F6.3・50秒・トリミング・2017年8月23日21時頃
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