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2017年8月の5件の記事

2017年8月26日 (土)

わし座

Blog 薩摩半島では、夏の太平洋高気圧が張り出しているとき、水蒸気が多く、空の状態はあまり良くないのですが、8月の後半からは例外です。夜に雲が流れていても、その雲の隙間のはるか上空は、とても透明度が良くて、星がきれいに見えました。今年は天候異変で、いたるところ異常続きですが、何が異常で、何が正常なのか、よくわかりません。

 この〈わし座〉を撮影した日も、蒸し暑くて、不快指数は最悪でした。風呂上りに外に出た途端に、汗がダラダラ流れてきました。多分、気温30度以上だったのでしょう。それでも、星空はとてもきれいで、暗い星までよく見えました。わし座のアルタイルとすぐ近くにある2つの星、3等星と4等星だと思いますが、この2つの星がくっきりと見えたときは、透明度がとても良いということにしています。

 わし座の星座線も、雑誌や本によって線の描き方が全く違うのですが、この写真の星座線は、英語版のPocket Sky Atlasと同じに描いています。この星座線の方が、わしが天の川銀河の中心に向かって飛んでいるように見えるのでは、と思いますので……。α星アルタイルは、こと座のベガほど明るくありませんが、さそり座のアンタレスよりも明るいんですね。今、知りました。アルタイルは、太陽から17光年ほどの距離なので、宇宙の広さから考えると、ほんの近所というか、庭先で輝いているという感じかも、です。

 わし座のすぐ北に小さな星座ですが、や座があります。〈や〉というのは、矢のことで、暗い3,4等星の5個の星の集まりです。このや座も、トレミーの48星座の1つです。確かに矢のように並んでいます。というより、よくもまあ、こんなところに見つけたものですね。感心します。肉眼でも、2つ3つは見えると思います。

 星空を眺めていると、新しいことをいろいろ発見できます。双眼鏡で眺めると、新しい星の集団を発見したりします。流れ星や火球は、毎回見ているような気もします。人工天体が、1等星のような明るさで夜空をよぎることもたびたびです。おまけに地上では、野生動物がガサガサと歩き回って、猫とは違ういがみ合う鳴き声もします。また時には、アメリカ軍の訓練機でしょうか、海岸線にそって超低空飛行をしますので、その轟音は恐怖ものです。九州の西海岸は、北朝鮮の海岸によく似ていると、新聞で読みました。まあ、いたるところ、賑やかで、忙しない薩摩半島の夏の終わりの夜です。

データ/ビクセンGP2ガイドパック・キャノンKissX7i・シグマ10~20ミリ・ソフトフィルター・ISO1600・F6.3・50秒・トリミング・2017年8月23日21時頃

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2017年8月24日 (木)

いて座のM8

M8blog 散光星雲M8を撮影したのは、1週間ほど前でした。撮影中に、またヌエが鳴き始めたのです。夏の間に5,6回は鳴くのですが、今年は少し多めのようです。裏庭のすぐ奥の林の上でした。「ヌエの鳴く夜は恐ろしい」と言われていますが、そのとおり、その場から離れて、しばらく様子見です。実態は分かっているのですが、やはり恐ろしい鳴き声ですね。あちこちの木々の高い枝を渡り飛び、昔から老婆が死に際に叫ぶ最期の声に例えられていますが、確かに、そのような感じです。大人でも、怖くなりますので……。

 まあそれはそれとして、この散光星雲M8は、冬のオリオン星雲と比べられる有名な星雲です。毎年、眺めては撮影しています。大きさも、満月の2,3倍ほどで、肉眼でもはっきり確認できます。明るい天の川の中でも、ひときわ輝いていますので、双眼鏡でもすぐに探せると思います。広範囲に広がる星間ガスを後ろのとても明るいたくさんの恒星が輝かせています。新しい星が、次々と誕生している空間です。それでも、この辺りは太陽系からとても近い領域です。後ろのはるか彼方の銀河の星々は、遠すぎて全く確認できません。宇宙の広さ・巨大さを、推測できる領域です。

 天の川も、夜12時を過ぎると、西側に傾いてしまいます。夏の終わりが近いのですね。

データ/ビクセンSX2・ES102ED・笠井0.8倍レデューサー・キャノン60D(改造)・ISO1600・50秒・トリミング・2017年8月16日21時頃 

 

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2017年8月20日 (日)

はくちょう座γ星周辺

Blog 蒸し暑い夏の夜は、冷房のない自室の温度計は、33度ほどです。おまけに湿度が80%以上なので、自分でもよく耐えているなあ、と感心しています。だから、時々外に出て、風に体をさらしています。

 だから、夜に飲むビールのうまいこと、うまいこと。今夜は、サントリーの香るエールを飲み始めたところです。

 ところで、画像の中央部の明るい星が、はくちょう座の胸のあたりにあるγ(ガンマー)星サドルです。このサドルから左右に大きな羽を広げています。左方向が天の北極方向なので、1等星デネブは画像の左側にあります。このγ星サドルは2等星です。はくちょう座で2番目に明るいのにγ星になっています。ちなみにβ星は3等星のアルビレオです。このサドルの周辺には、散光星雲や散開星団、それに暗黒星雲などが、あちこちに散らばっていて、とても華やかな領域です。赤い星間ガスは、肉眼では見えません。望遠鏡で眺めると、何となく雲のようなうすぼんやりしたものが見えるだけです。

 肉眼では、明るい恒星しか見えませんが、詳しく観察すると、様々なものがあちこちに散らばっていて、夜空は、とても賑やかな空間だということがよくわかります。

 天の川が、はくちょう座から北方向に延びて、秋の星座のカシオペア座を縦断しています。カシオペア座とペガススが昇ってくると、秋が近いということですね。もう少し涼しくなってほしいな、と思っているので、秋が待ち遠しいですね。

データ/ビクセンSX2・ED70SS・笠井等倍レデューサー・キャノン60D改造・ISO1600・90 秒・10コマ合成・2017年8月19日20時40分頃

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2017年8月13日 (日)

へびつかい座とへび座

Photo_4 8月11日・12日は、旅行会社のグループツアーで、甑島(こしきじま)に行ってきました。薩摩半島沖の東シナ海に浮かぶ3島からなる小さな島々です。そのうちに車で旅をするための下見のつもりでした。この甑島は、30数年ぶりの2度目の旅行でした。薩摩川内から、27キロほどしか離れていませんが、フェリーなので、とても遠い印象でした。いたるところ水中から岩盤が隆起したような風景でした。2年後には、3つの島が橋で結ばれるので、出かけるなら、その時がいいのかも、という思いです。海鮮料理と星空を求めて、また出かけてみます。

 12日の夕方に帰ってきて、夜空が澄み切っていたので、のんびり星見を楽しみました。思いついたらすぐに行動しないと、空の状態はすぐに変化してしまうんですね。まあ、そんな訳で、裏庭で、星観察です。天の川が結構明るく見えました。珍しいことです。

 さそり座の北隣にある、へびつかい座とへび座です。本当は、へびつかい座はその昔、ひとつの星座だったようです。それがいつの間にか、へびつかい座とへび座に分かれてしまいました。画像では、色を変えて星座線を書きました。へび座は分断されて、東西に別れてしまいました。特別な星座です。へびつかい座のα星ラスアルハゲは2等星ですが、他の星は3,4等級の暗い星ばかりなので、少し探しにくいような感じもします。

 この周辺には、球状星団がたくさんあって、とても賑やかな領域です。天の川が輝いて、夏の大三角が目立って、さそり座やいて座の星々がきらめいています。おまけに、へびつかい座の足元近くに、明るい土星が輝いています。今年は、特別に賑やかな夏の夜空になっています。もう一か月ほどは、この夜空の輝きを体験できます。

データ/ケンコースカイメモS・キャノンKissX7i・シグマ10~20・ISO1600・F6.3・75秒・ソフトフィルター使用・2017年8月12日20時50分

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2017年8月 5日 (土)

天の川

Blog 8月に入って、天の川が天を横切る星空になりました。とはいっても、雲が多くて、透明感のある夜空はなかなか見ることができません。今夜は、台風5号の影響で、雨風が強くて、星空どころではありません。

 写真は、7月に撮影した、天の川の中心部方向の画像です。天の川銀河の星の密集度は異常で、状況を想像することはできません。確認できる小さな星は、太陽系に非常に近い恒星です。中央の左端にいて座の南斗六星が確認できます。この領域には、球状星団や散開星団、散光星雲などが非常に多く、双眼鏡で眺めると、星見の楽しさが何倍にもなります。宇宙の巨大さと星の多さに、いつも驚かされています。

 来週の8月7日は、立秋です。暦の上では、もう秋です。確かに、もう秋の星座が上ってきていますので……。東の空にはペガスス、北東の空にはアンドロメダ座とカシオペアのWが見えています。しょうもないこと(非常に重要なことかも)ですが、星を眺めていると、どうして時間が流れていくのだろうか、なんて、考えてしまいます。

データ/ビクセンGP2ガイドパック・シグマ35ミリ・キャノン60D改造・ISO1600・F5.6・80秒・2017年7月23日22時頃

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