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2017年10月の4件の記事

2017年10月26日 (木)

ペガススの大四辺形

Photo ペガススの大四辺形は、秋の大四辺形とも呼ばれていますが、ペガススの方がロマンがあっていいのでは、と思います。ペガススというのは、ラテン語なんでしょうか?ペガサスというときもありますが、こちらが英語読みかも、です。

 それはそれとして、ペガススというのはギリシャ神話に出てくる空飛ぶ馬ですが、胴体から前足と頭だけがある馬なんですね。生まれた時からそうだったようです。まあ、この方が神話的です。日本では、天馬と呼んでいたそうです。ちょうど10月末の今頃、夜10時ごろには、天高く昇り、頭の方は子午線を越えかけています。肉眼で眺めるのには、とてもつらい姿勢になります。

 南を向いて眺めると、ちょうどさかさまの姿に見えます。確かに、胴体らしき四辺形が見え、頭らしき星の並びと二本の前足の星の並びも見えます。ただ、2等級以下の暗い星ばかりなので、星座早見盤を参考にして、低倍率の双眼鏡で星のつながりをたどった方がいいのかも知れません。都会では、2等星の星自体が見えないと思います。薩摩半島の片田舎の暗い夜空でも、20分ほど暗さに目を慣れさせないと、はっきり見えてきません。

 胴体のおしりのところに輝いている星は、結構明るい2等星ですが、これはペガスス座の星ではなく、隣のアンドロメダ座のα星アルフェラッツです。また、馬の頭の鼻先に、前回UPした球状星団M15があります。

 古代の人は、ギリシャ神話の物語を、夜空の星々を星座にして語らせたのですね。だから、星座が今も生き生きとしていて、観ている人に語りかけてくる印象です。これは、とてもスゴイことです。

データ/ビクセンGP2ガイドパック・キャノンKissX7i・シグマ10~20ミリF4・ISO1600・15ミリF6.3・50秒・ソフトフィルター・2017年10月10日22時頃

 

 

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2017年10月20日 (金)

ペガスス座のM15

M15blog 10月の後半に入っても、薩摩半島は、まだ夏が続いているような天気です。近くの森では、いまだにセミが鳴いています。曇り空でも、トンボやクロアゲハがのんびり飛び交っています。今この時刻でも、隣の空き地の雑草の中では、鈴虫やコオロギが鳴いていて、長い夏になりそうな気もします。

 この写真は、10月9日に撮影したものです。この時期になると、ペガスス座が、天頂付近にのぼります。秋の大四辺形と呼ばれる4つの星が、ペガススの胴体です。そのペガススの頭部の先にあるのが、この球状星団M15です。双眼鏡を使っても、ぼんやりした星に見えるだけで、迫力はありません。

 望遠鏡を使って撮影すると、こんな感じになります。口径の小さい望遠鏡なので、これ以上星を分離できません。それでも、中心付近は、光が飽和状態なので、密度が異常に高いということがわかります。星の数が何十万個か何百万個か、わかりませんが、これだけ密集しているので、中心部にはブラックホールがあるのでは、と言われています。

 球状星団を眺めたり、撮影したりするのは、とても気持ちがいいんですね。それは、ひとつひとつの星が太陽で、そのひとつの太陽の惑星に住んでいるとしたら、どんな風景で、どんな夜空だろうか、と想像してしまうからです。いつまでも、好奇心を異常に刺激し続けてくれます。

 また、もう少し大きな口径で眺めてみます。課題が増え続けているのが、少しだけ気になります。という訳で、我が家はビールの時間です……22時30分ですから。

データ/ビクセンSX2・ES102ED・笠井0.8倍レデュサー・キャノンKissX7i・ISO1600・60秒・トリミング・2017年10月9日22時頃

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2017年10月12日 (木)

天頂付近の星の流れ

New1ablog 星の軌跡を曲線として記録する方法に、比較明合成という方法があります。これは、とても簡単で、赤道儀も不要です。三脚とカメラと合成処理ソフトがあれば、すぐにできます。おまけに、タイマーリモートコントローラーがあれば、インターバル撮影ができます。そうすると、セットすれば、後は、椅子にもたれて、のんびりとカフェラテでも飲みながら星空を眺めていればいいので、とても楽です。最近では、コンパクトデジカメにも、合成処理までしてくれる機種もあります。

 この画像は、広角レンズでF5.6で60秒露出を65回繰り返したものです。田舎の暗い空なので、80秒でも100秒でも可能だと思います。薩摩半島の田舎では、星がとても明るく写ります。空と周囲がとても明るい都会では、多分3,4秒ほどを繰り返すことになるのでしょうか?

 中央部分が、天頂付近です。北極星も写っていますが、広角レンズ特有のゆがみがあり、楕円曲線風になっています。まあ、これも面白いのかな、と思います。上の方向が東です。明るい星が多いので、何となく賑やかです。これは、天の川の星々です。流れ星も、ひとつ流れています。

 手前の風景を、海や河、田園風景や樹林風景にしてみれば、いい雰囲気の写真になるのかも知れません。また挑戦してみます。

データ/キャノンKissx7i・シグマ10~20・12ミリ・F5.6・ISO1600・60秒・65コマ・比較明合成・2017年5月22日20時頃?

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2017年10月 5日 (木)

笠沙の海

Photo 去年も今年も、笠沙の海に沈む天の川を眺めることはできませんでした。今年は、特に湿度が高く、雲の多い夏でした。来年には、この場所で海に落ちる星々を眺めたいと思っています。 

 笠沙の海について……薩摩半島の最南西端に、南さつま市はあります。さらにその最南西端が笠沙町です。もともと、この地域は、ずーっと川辺(かわなべ)郡と呼ばれていました。明治の初期には、川辺郡という地域は、南の三島村の3島、十島村の10島まで含んでいたようです。

 この笠沙町ですが、東シナ海に突き出ていて、とても自然豊かな地域です。海の透明度がよく、熱帯魚が泳いでいるのを何度か見ました。おまけに、航路がないので、昼も夜も、大きな船を見ることはほとんどありません。小さな漁船が3隻でも見えたら、それはとても珍しいことです。そういう訳で、都会から客人が訪ねてきたら、必ずこの遥かな海を見せることにしています。東シナ海に沈む夕日や天の川は、とても迫力があります。

 写真は、2年ほど前に撮影した、笠沙の海に沈む天の川です。撮影場所は、市立の笠沙美術館です。別名、黒瀬展望ミュージアムです。この美術館の展望デッキが一番見晴らしがいいので、時々星を見るイベントもあります。すぐ目の前に見えるのが、沖秋目島です。この島を真横から見ると、海から姿を現した恐竜に似ているので、きょうりゅう島と、呼ばれることもあります。

 2年前の秋に、この美術館で、星の写真展を開催しました。16回目の写真展でした。星の写真展は初めてのことで、とても重い記憶です。展示スペースから、東シナ海が見えるのがいいんですね。ホットコーヒーを飲みながら、最高にホットする時間です。

データ/キャノンKissX7i・シグマ10~20・ISO1600・F5.6・20秒・2015年9月初旬


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