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2018年6月の5件の記事

2018年6月28日 (木)

おとめ座のソンブレロ銀河

M104blog  もう何年も前から、ずーっと気になっていた銀河のひとつです。今まで写真でしか見なかった銀河ですが、不思議な形をしているなあ、という印象でした。ソンブレロというのは、メキシコ人が使うソンブレロハットのことだそうです。それを上下にくっつけた形のようです。そう言えば、アメリカの西部劇に出てくるメキシコ人のあの帽子か、なんて、ふと思い出します。

 写真は、屈折の102ED鏡で撮影していますが、とてもとても小さいな、という感じです。8等級の明るさなので、小さな双眼鏡では、恒星にしかみえないと思います。おとめ座のスピカの西側すぐ隣ですが、星をたどって探すのはとても大変でした。240年ほど昔に、よく確認できたものだ、なんて感心しています。

 このソンブレロ銀河は、M104という、メシエ天体のひとつになっています。形からして、渦巻銀河や楕円銀河でもないという感じです。中央部分の暗黒帯も、とてもくっきりしています。その暗黒帯から遠い部分は、星の密度が極端に小さくなっています。円盤型のような感じですが、詳しいところは、よく分かりません。UFOが宇宙空間を飛んでいるという感じが、ぴったりです。この銀河を、大口径の望遠鏡で眺めると、すごい迫力なんでしょうねえ……。またひとつ課題が増えました……。

 ところで、薩摩半島もまだ梅雨明けしていないので、毎日の蒸し暑さは、異常です。今日は満月なのですが、雲の波に揺られ、見えたり見えなかったりして大変みたいですね。という訳で、外に出て、満月を眺めてきます。

データ/ビクセンGP2・102ED・笠井0.8倍レデューサー・EOSKissX8i・ISO1600・85秒・2018年5月14日21時25分

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2018年6月21日 (木)

ケンタウルス座ω(オメガ)星団

Cblog  ケンタウルス座のω(オメガ)星団を今年も撮影しました。昨年は口径102ミリの屈折でしたが、今年はセレストロンの8インチのシュミットカセグレンです。1000万個ほどの星が集まった、さすがに巨大な球状星団の姿でした。肉眼でも見えるんですが、こうして映像化すると、迫力満点の全景です。

 満月ほどの大きさに見えますが、球状星団の周辺部の光が充分蓄積されていないので、本当は満月よりもはるかに巨大なのでは、と思います。地平線近くで、今年も水蒸気が多かったので、空の状態はもうひとつだったのでは、という感じです。

 昨年は、裏庭の少しだけ高い場所からの撮影でしたが、今年は、我が家の玄関先からの観望でした。いろいろ調べた結果、玄関先からも見えるし、自室の窓からも見えることがわかりました。さすが、薩摩半島の田舎です。赤緯-47度28分の光が見えるんですね。我が家の緯度がおよそ北緯31度25分なので、赤緯-58度35分までの星は見えることになります。ということは、枕崎天文台とほとんど同じなので、南十字星座のいちばん北にあるγ(ガンマー)星が見えることになります。もう少し見晴らしのいい場所で、確かめてみます。また課題がひとつ増えました。

 薩摩半島は、この4,5日星空が見えません。本当なら上弦を過ぎた月と金星が西空に傾きかけているはずですが、雲が厚くて全く見えません。月と金星が西空に輝いている姿を想像しながら、月と金星に、YEBISUビエールで乾杯します。

データ/ビクセンSX2・8インチシュミカセ・専用レデューサー・EOSM5・ISO1600・60秒・20コマ合成・2018年6月1日20時45分

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2018年6月17日 (日)

てんびん座と木星

Blog_18  昨夜は、台風6号が奄美諸島近くを東に移動している頃でした。どう考えても、曇り空の予想でした。ところが、どういう訳か、夕方からきれいな空になりました。風もなく、気持ちのいい夕空でした。

 薩摩地方は、天気の変化が速いし、予報も難しいのでは、と思います。きれいに晴れた青空でも1時間後にはどんより曇ってしまって、霧雨が降る、なんていうこともたびたびです。雨が降っている最中に、夕日が射していることもよくあることです。だから、天気予報を聴くよりも、外に出て、雲の様子や風向き、水蒸気の濃度などを自分で観察した方がいいのかも、です。

 という訳で、昨夜の星見はてんびん座と木星でした。さすが木星です。日没後すぐに双眼鏡で確認できました。-2等級ほどの明るさなんでしょうか。とても明るく輝いていました。木星のすぐ近くに見えるのが、てんびん座のα星(3等星)です。木星が明るすぎて、肉眼でやっと確認できるかな、という感じです。てんびん座は、春の星座と思ていましたが、夏の星座だったんですね。

 てんびん座の天秤は、正義の程度や善悪の度合いを量るものらしいですね。女神アストライアさんが、この天秤を使っていたということらしいですが、人間の心の中を信用できなくなり、天に帰ったということらしいです。詳しくは、ギリシャ神話時代のギリシャ人に話を聴かないとわかりません……、です。

 ところで、夜9時を過ぎると、さそり座がてんびん座の隣に昇り、ベガも北東の空で輝いています。夏空が近いんですね。西空には、とても明るい金星が沈みかけています。やがて土星や火星が昇ってくるんですね。今年は、賑やかな夏の夜空になります。

データ/ケンコースカイメモS・EOSKissX7i・シグマ30ミリ1.4・ISO1600・F4・20秒・ソフトフィルター・2018年6月16日21時頃

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2018年6月 7日 (木)

月面の夜明け

New5blog  3月、4月に撮影した写真が、整理が追いつかず、HDに保存したままです。コマ数は少ないのですが、次から次に溜まってしまうんですね。今は梅雨時なので、空いた時間は、画像処理や写真の整理に最適なので、それをやろうと思っています。

 この写真は、上弦が近い月面です。上部(東側)は、もう夜が明けてしまっていて、地球でいえば、今頃の朝の6時から8時頃なんでしょうか。下部(西側)は、まだ夜が充分に明けきらない時間帯なんでしょうか。

 時間に余裕があるときは、上弦の頃の月面をアイピースを使って覗きます。月面には、非常に多くのクレーターがあります。中央付近には、プトレマイオスから南に連なるクレーターの帯があります。とても素敵な眺めです。また、上弦過ぎの月面には、コペルニクスというとても優雅なクレーターもあります。

 この写真のアリストテレスとエウドクソスというクレーターも、迫力があります。この日は、月齢5.6でした。この付近を、少しだけ倍率を上げて眺めるとスゴイ迫力です。眺めるときは、双眼装置を使って両目で覗きますので、臨場感は最高です。クレーターを囲む外輪山(?)の影が、非常にゆっくり動いていくのがわかります。太陽が昇ってくるので、クレーター内部に延びる影が少しずつ短くなっていきます。月の一日は地球の一日の約30倍ですから、月面上で夜が明ける速さは、地球の30分の1なので……。のんびり4,5時間眺めていると、その様子が少しだけわかります。

 これから夏に向かって、スターパーティーもいいのですが、ムーンパーティーもいいかもです。そうなると、やっぱり冷たいビールですね……。

データ/ビクセンGP2・8インチシュミカセ・EOSM5・25ミリアイピース・ISO1600・20分の1・15コマ合成・2018年3月23日21時50分

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2018年6月 2日 (土)

かみのけ座のNGC4565銀河

Ngc4565blog  今夜は曇り空なので、いつものことですが、未処理の画像を現像したり、加工したり、雑用処理する予定です。曇り空と言っても、南東の空には木星が輝いています。薄雲なら、まだまだ明るい木星は見えるんですね。適当に涼しい風が、開けっ放しの窓から入ってきます。まだ夜のはじめなので、こういう時は、Mt.RAINIERのノンシュガーコーヒーを飲んでいます。子供が飲めるコーヒーなんですね、これは。

 ところで、NGC4565という銀河は、とても珍しい銀河です。かみのけ座の散開星団メロッテ111の近くにある、渦巻銀河です。なぜ珍しいかというと……我々の天の川銀河を真横から眺めてみると、こんな感じかな、という意味で珍しいんです。確かに中心部が大きく盛り上がっていて、暗黒帯も確認できます。

 渦巻銀河を真横から眺める形になっている銀河は、エッジオン銀河と呼ばれています。それに対して、渦巻きの軸方向から眺められる銀河をフェイスオン銀河と言います。そう考えると、この銀河はほとんど真横から眺められるので、結構珍しいのでしょう。地球からの距離はと言えば、4000万光年から5000万光年ほどだそうで、距離感が全く分かりません。でも明るさが10等級なので、8インチの小さな望遠鏡でも撮影できます。

 こんな銀河を眺めるたびに、宇宙はどうなっているんだろうか……なんて、考えても追いつかないのに、考えてしまいます。不思議な世界ですね……。

データ/ビクセンSX2・8インチシュミカセ・専用レデューサー・EOSKissX8i・ISO1600・80秒・数コマ合成・2018年5月11日21時50分

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