アルキメデスクレーター
月面写真は、上弦の頃がいちばん撮影しやすく、クレーターの凸凹もはっきりわかり、迫力があります。この写真は、9月の中旬に撮影したものです。アルキメデスクレーターを中心に撮影しようと思ったのですが、拡大率が不足して、少し広い領域が映っています。
このアルキメデスクレーターは、近くにあるプラトークレーターと同じように、クレーター内がとても平坦で、デコボコが非常に少ないクレーターとして有名です。クレーターの内側では、野球かサッカーができそうな、とてもいい感じです。でも、直径は83kmもあることを考えると、異常に広すぎて球技には向かないようですね。
本当は、そんなに平たんではなく、結構な岩場や段差があるのでしょう。年代的にとても古いクレーターのようで、溶岩が流れ出して均一になったといわれています。その後も、偶然に衝突物がなかったようで、きれいなクレーターとして残ったようです。雨の海という領域も、結構平坦な地形です。三十数億年前に、大量の溶岩の流出でできたといわれていて、この領域全体が、そのような地形のようです。
ところで、雨の海の南側には、とても険しいアペニン山脈があります。長さ600キロ、高さ5000メートルという巨大な岩の山脈です。このあたりから南に行くにしたがって、複雑で込み入った地形になります。月の歴史もいろいろ複雑な事情があったんでしょうねえ。
上弦の頃の月面は、とても良い眺めです。朝日が差し始めて、クレータに長い長い陰ができて、その陰がゆっくりゆっくり短くなっていく様子は、とても見ごたえがあります。少し倍率を上げると、臨場感いっぱいで、宇宙を味わえる瞬間です。
まあ楽しい時間だったのですが、ピント合わせの時に、不思議な物体がモニター画面を横切ったんですね。それも、ふたつです。丸っこい感じで少し光っていたような印象で、非常にゆっくり北西に向かって横切っていきました。大きさは、アルキメデスクレーターの半分ぐらいでしょうか。ある程度ピンがきていたので、とても遠方だったと思います。こんなこともあるんですね。一体あれは何だったんでしょうか???
データ/ビクセンSX2・8インチシュミットカセグレン・30ミリアイピースで拡大・EOSM5・ISO800・60分の1秒・2018年9月18日20時13分頃
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