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2018年12月の5件の記事

2018年12月28日 (金)

M45すばる

Blog_2  薩摩半島にも、寒波がやってきました。と言っても、弱い寒波ですが、少々寒いので、この冬初めて自室に暖房を入れました。遠赤外っていうヒーターなんでしょうか、ほわっと暖かくなるんですね。まあ、手足が少しだけ温まればいいので、これで十分です。

 写真は、おうし座のスバルです。「すばる」の方が、日本的でいいのかも知れません。毎年撮影しているのですが、撮るたびに色合いや透明度が違うんですね。大気の状態によって、結構違うのかも、です。この日は、水蒸気やチリがとても多く、透明度が不足していたような感じです。ブルーが弱いのは、多分そのせいでしょう。

 清少納言の『枕草子』に、星はすばる、ひこぼし、ゆふづつ、……と書かれていますが、すばるというのは、漢字の昴らしいです。これは中国から伝わった呼び名だそうです。ひこぼしというのは、おりひめとひこぼしのひこぼしでしょうか。それなら、わし座のアルタイルなんでしょう。ゆふづつというのは、夕方西空に輝く金星、すなわち宵の明星らしいです。清少納言の時代は、街灯もなければ、車のライトもないし、家々の窓明かりも全くないわけで、想像もできないほど、夜は暗黒だったのでしょう。平安時代のことだから、星々がとてもよく見えたのでしょうか。視力の良い人で、6,7個見えると言われていますが、僕は、2,3個しか見えません。記録はありませんが、昔の人はもっと数多く見えたことでしょう。実際には、6等星が見えた人は、15個ほど見えたに違いありません。

 この「すばる」というのは、プレアデス星団という名前の散開星団です。地球から440光年ほどの距離なので、とても近く、すぐ近所という感じです。満月の3倍ほどの大きさなので、結構目立ちます。年末から正月にかけて、夜の9時頃に天頂付近に昇ります。

 という訳で、スバルに〈香るエール〉の赤で乾杯します、です。ブルーではなく、赤もあったんですね。知りませんでした……。

データ/ビクセンGP2・ビクセン70SS・笠井レデューサーフラットナー・EOSKissX8i・ISO1600・120秒・2018年11月29日21時40分頃

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2018年12月22日 (土)

ペルセウス座

Blog_3  今週の木曜日まで、神戸の方に出かけていました。泊りは、明石のホテルでした。上弦過ぎの月が輝いている夜に、明石公園近くを散歩。南西の空に、明るい光。間違いなく火星なんでしょう。東の空には、カペラとアルデバランが昇っているはずなんですが、全く確認できませんでした。1等星といっても、月の明るさで見えないのかも知れません。それにしても、車のライトと街の明かりのすごさは、予想以上です。お城の外堀の樹木で夜を過ごしている、サギとカワウは熟睡しているのだろうか、そんなことを考えてしまいました。

 今日22日の夜7時ごろ、ほとんど満月に近い月が東の空高く昇っています。我が家の裏庭に出てみると、自分の影が、月明かりの中で、足元から伸びていました。月夜の明るさは、とてもすごいんですが、それでも2等星の北極星が見えるんですね。街明かりのない薩摩半島の田舎の、夜の暗さを実感できます。都会と田舎の夜の暗さの、とてつもない違いを感じています。

 ところで、写真は、秋の星座の終わりを告げるペルセウス座です。21時頃に、天頂付近に昇ります。化けクジラと戦い、アンドロメダ姫とエチオピアの国を救った英雄です。このペルセウス座の形は、とても分かりにくいんですね。星座線を引いても、ほとんど人間の姿が現れません。おまけに、明るい星が少ないので、肉眼で確認するのも一苦労です。ペルセウスの名前は、星座の名前というよりも、ペルセウス座流星群のペルセウスでとても有名なんですね。毎年8月10日から15日頃がピークの流星群です。8月10日頃といっても、夜中過ぎの時間帯なので、流星の観察も、また大変です。

 写真の右下方向に、三角座という星座があります。三角という単純な名前ですが、この星座もトレミーの48星座のひとつです。ギリシャ語のΔ(デルタ)と似ているので、デルタ座と呼ばれていたり、ナイル川の中州を意味していたこともあるようです。またシチリア島に形が似ているので、その名前が付けられた時もあったようです。この三角座には、有名な渦巻銀河M33があります。この銀河は、M31アンドロメダ銀河に次いで、天の川銀河に近く、とても美しい銀河として有名です。

 次回から、冬の星々を眺めていきます。今年は暖冬のようで、天気が気になります。今日も、薩摩では、車にエアコンが必要でした。多分外は25度近くだったのでは……。まだまだ秋の感じなので、ビールが美味しいんですね。

データ/ビクセンGP2ガイドパック・シグマ30ミリ・EOSM3・ISO1600・F6.3・60秒・2018年11月6日21時50分

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2018年12月16日 (日)

ウィルタネン彗星

Blog_4  昨夜(12月15日)の19時頃から22時頃まで、ウィルタネン彗星の観察・撮影をしました。昨日は晴天で、一日中青空でした。それでも、夕方から薄雲が出てくるという予想をしていました。予想通り、南から薄雲がゆっくり北上してきたので、雲の隙間を選んで、何とか撮影。

 南西の空に上弦の月が輝いていて、結構明るかったのですが、それでも、肉眼で彗星を何とか確認できました。双眼鏡なら小さな雲のカタマリに見え、およその場所が確認できます。3.5等級の明るさなら、田舎の暗い夜空で、見えるんですね。

 この彗星は、1948年にアメリカの天文家カール・ウィルタネンが発見したそうです。その後、この彗星は短周期の彗星であるということが分かったようです。周期が5.4年。とても短い短周期彗星です。木星の軌道付近から地球の軌道付近までを、周回しているようです。今回は、地球の近くを周回して帰っていくようです。最接近の距離が1100万キロと、とても近いので、肉眼でも見えるんですね。

 写真は、15日の22時頃撮影した6コマを合成したものです。左隅の星の集団が、スバルです。右の明るい光が、ウィルタネン彗星です。彗星の尾が南東方向に少しは伸びているのですが、月明かりのため、はっきり確認できませんでした。1コマが4,50秒なのですが、その短い時間の間にも、彗星は動いてしまいます。この写真では、左方向が天の北極方向です。ウィルタネン彗星は、この後、スバルの東を移動して、ぎょしゃ座のカペラをかすめて、北の方向に移動していきます。どんどん遠ざかり、暗くなって、やがて見えなくなるのでしょう。

 星々の海を移動する天体を眺めていると、宇宙の営みをリアルに体験できます。はるかに遠い距離なんですが、彗星の核の直径は、たったの1200メートルほどだそうですね。この宇宙の不思議さを、いつも感じています。

データ/ビクセンGP2・キャノン100ミリマクロ・EOSKissX8i・ISO1600・50秒6コマ合成・2018年12月15日22時頃

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2018年12月13日 (木)

M31の中心部

M31blog

 アンドロメダ銀河を、UPで初めて撮影しました。中心部の明るさは、異常です。周辺部を適度に浮かび上がらせようとすると、中心部は完全に白トビしてしまいます。周辺部を少し犠牲にして、中心部の明度を抑えて処理しています。アマチュアには、まだまだ難しい撮影対象です。

 それにしても、この大きさは驚異です。この画像の対角線サイズの中に、満月が2.5個入るという感じです。いかに大きいかが、よく分かります。M31を構成する恒星の数は、1兆個ほどだといわれています。この銀河の中がどうなっているのか、想像もできません。

 ところで、明るさが3.5等級というのは、この中心部の明るさなのでしょう。肉眼でも見える理由が、理解できます。見かけの大きさは、約190分(約3度)×62分(約1度)です。満月の直径が30分なので、アンドロメダ銀河の見かけの大きさは満月を6個並べた大きさになります。写真の左隅にある大きな光は恒星ではなく、これもM32というメシエ番号のついた楕円銀河です。

 この写真は、8インチのシュミットカセグレン鏡で撮影しました。専用レデユーサーを使い、APSサイズのCCDなので、焦点距離は2000ミリぐらいでしょうか。初めてオートガイド撮影をしました。どUPの撮影なので、やむを得ずオートガイドのお世話になりました。それにしても、結構面倒な作業でしたね。

 このところ、曇り空が続いていて、三日月や上弦の月を、一度も眺めることができません。明日以降も雲が多くて、多分星空は難しそうです。まあ、仕方ないですが……。

 ところで、来週は、神戸に行く予定です。神戸は第三の故郷なので、十年一昔経てば、懐かしい場所になります。ということで、コーヒータイムにします。

データ/ビクセンSX2・8インチシュミカセ・専用レデューサー・EOSKissX8i・ISO3200・100秒・12コマ合成・2018年11月5日22時頃

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2018年12月 5日 (水)

アンドロメダ星雲

Mblog  天文に興味がない人にも、アンドロメダという名前は知られているようで、メシエ番号31の渦巻銀河です。アンドロメダギャラクシーといえば、ちょっとカッコイイ感じもします。このM31は、ちょうど12月がいちばんの見頃です。12月上旬の21時前に子午線を超えて西側に移動します。月のない澄み切った夜空なら、肉眼でもはっきり見えるので、天文ファンなら、注目度ナンバーワンなのです。

 このM31は天の川銀河の兄貴分で、直径も2倍ほどあります。恒星の数は、1兆個ほどあるのではないか、と言われていますが、人間の想像力をはるかに超えていて、ついていけません。写真は、西側の空にあるM31です。右方向が天の北極方向です。こうすると、銀河の渦巻皿を斜め上から見る感じになるので、遠近感がよく分かります。M31の右側少し離れたところにある雲のような光も銀河で、M110という楕円銀河です。もうひとつ、M31の中心部からわずかに外れたところにも、小さな光の雲があります。これが、楕円銀河M32です。この二つの銀河は、アンドロメダ銀河の伴銀河といって、M31の重力の影響を強く受けています。

 ところで、肉眼で見えるというのは、このM31がとても近いところにあるからです。近いといっても、230万光年も離れています。光速でも、230万年かかる距離ですよね。この宇宙の始まりが、138億年前だとすると、いちばん遠いところは、理論的に138億光年離れているということです。宇宙の大きさを、仮に地球表面だとすると(宇宙の時空を球の表面に例えるのは適当ではないのですが……)、JR大阪駅から一番遠い場所は、大西洋のアルゼンチン近くの海なのでしょうか。こんな風に例えると、アンドロメダ銀河M31は、どこにあるのかというと、地球がJR大阪駅にあるとすると、M31は、JR新大阪駅舎そのものといった感じでしょうか。こう考えると、やっぱり、M31はとても近いんですね。肉眼で見えても、おかしくはないという感じです。

 いろいろ想像したり、仮説を立てたりして、星々の海を眺めるのも、また楽しからずや……、です。という訳で、今日は、僕の誕生日なので、ビンビールで乾杯します。THE 軽井沢ビール(浅間名水)って書かれているけれど、美味しいんでしょうかねえ。

データ/ビクセンGP2・ボーグ55FL・専用レデユーサー・キャノン60D(改造)・ISO1600・55秒・15コマ合成・トリミング・2018年11月29日22時過ぎ

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