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2019年4月の4件の記事

2019年4月26日 (金)

おおぐま座のM81とM82

M81blog  4月から5月にかけて、おおぐま座はちょうど北極星の上(南)に位置します。双眼鏡で眺めるのに適度な角度になり、いい感じです。そのおおぐま座の背中近くに、このM81とM82の銀河があります。写真では、下の渦巻銀河が7等級のM81で、上の棒上の銀河が8.6等級のM82です。この周辺は、春の天の川から離れているので、夜空の暗さは格別で、写真写りもいいのでは、と思います。

 このM81という渦巻銀河は、見かけの大きさが満月ほどで、とても迫力があります。2本の腕も結構はっきりと確認できます。ISO3200で、50秒ほどの露出ですが、何とか形になります。夜空の状態にもよりますが、この薩摩半島の暗黒のような星空のおかげでしょうか……。これだけ明るければ、ガイド撮影をする必要もなさそうです。一方、M82の銀河ですが、こちらは不規則銀河と呼ばれています。形としては渦巻銀河ですが、M81と接近しすぎたのか、中心部が大爆発を起こしているようです。これはスターバーストという現象で、巨大な銀河でも形が大きく崩れていくんですね。近くで眺めると、それはそれは、想像を絶する恐ろしい光景なんでしょうが……。

 まあそれはそれとして、このところ雲が多くて、星空がなかなか見えません。水蒸気が異常に多くて、おまけにPM2.5の濃度が高いのか、ずーっとすっきりしない天気です。明日から10連休だというのに、天気はイマイチなんですね。五月晴れも、あまり期待できないかも、です。今夜は、自室の窓を開けっぱなしにしているのですが、外気温が低いためなんでしょうが、虫一匹さえいません。こんな夜には、虫も外出しないのかも、ですね。

データ/ビクセンSX2・ES102ED・笠井0.8倍レデューサー・EOSKissX8i・ISO3200・50秒・20コマ合成・2019年4月7日21時頃

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2019年4月19日 (金)

おおぐま座のミザール

Bblog  東の空というか、少し南寄りの方向ですが、大きな、輝くような満月が昇ってきました。平成最後の満月らしいですが、それはどうでもいいことなんですが、今夜はとても明るい月夜です。薩摩半島では、このところ夏日が続いていて、毎日車のエアコンを入れています。おまけに、森では、春ゼミが賑やかに鳴いていて、初夏真っ盛りという感じです。蒸し暑い夏が近いんですね。

 ところで、写真は、おおぐま座の2等星ミザールです。ミザールというのは、北斗七星の柄の先から2番目の星です。写真のサイズは、満月がちょうどおさまる大きさです。ミザールの周辺を拡大して撮影しました。8インチ2000ミリのシュミカセでの画像です。肉眼でこの付近を見ると、多分2等星のミザールしか見えないのでは、と思います。口径の小さな望遠鏡では、ミザール本体のミザールAと左隣の2等級のアルコルが分離して見えるようです。古代ローマ帝国時代、アラビア時代には、アルコルが離れて見える、というのを、戦士の視力検査に使っていたそうです。その時代の人は、口径5センチほどの小さな望遠鏡に匹敵する視力を持っていたんですね。とても、驚きです。ミザール本体とアルコルの距離は4光年ほどですが、お互いに影響しあっているかどうかは、まだ未観測のようです。

 ところが、17世紀になって、2等級のミザールのすぐそばに、もう一つ星があることを観測しました。ミザール本体のすぐそば、非常に近い距離なので、連星だということが観測されたようです。それ以来、2等級の本体がミザールA、4等級の星がミザールBと呼ばれてきたようです。連星というのは、お互いの周りを公転している、まあ、二つの太陽があって、お互いの周りをまわっている、ということです。AとBの距離は、太陽と冥王星の距離の7倍ほどだそうですが、恒星がこんな近いのは、想像できません。我が地球から考えると、太陽が二つあって、それもとてつもない大きさらしいので、お互いに影響しあうということは、とても大変なことだろうと思います。その星にたくさんの惑星があれば、それぞれがとても複雑な動きをするでしょう。場合によっては、ある惑星では夜がないかも知れません。

 さらに、このミザールAとミザールBは、またそれぞれすぐ近くに恒星を従えているそうです。太陽が4個もあれば、まあ今の地球なら、人間みんな不眠症になっていることでしょう。恐ろしい世界なんですね。太陽系のすぐ近所ですが、そんな世界でも、やはり生命体が生まれてくるんでしょうねえ。

 まあ、そんな訳で、満月を眺めながら、アサヒのドライブラックで乾杯します、です。

データ/ビクセンGP2・セレストロン8インチシュミカセ・専用レデューサー・EOSM3・ISO3200・1秒・数コマ合成・2019年4月12日20時20分頃

 

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2019年4月13日 (土)

きりん座

Photo_7  星座の名前には、ギリシャ神話に由来する人物や動物が多いんですが、単純な動物名の星座もたくさんあります。そのひとつに、きりん座があります。そのきりん座を撮影してみました。撮影といっても、肉眼で見える明るい星がひとつもないので、広角レンズで大ざっぱに北の空を撮影しただけです。北斗七星とポラリスとぎょしゃ座の狭間の寂しい領域に、暗い星がたくさんありました。北斗七星はほとんどが2等星で、ポラリスも2等星で、ぎょしゃ座のカペラはとても明るい1等星です。その間にある、暗い星々がきりん座です。

 撮影は何とかうまくいったようですが、後が大変でした。暗い星々を星座線で結ぶとき、写真を拡大しながら、星図とにらめっこして、星と星を照合しながらの作業です。何とかきりんらしくなるように……。これだけで、1時間近くかかりました。こんなこともあるんですね。星々が暗すぎるんですね。きりん座の一番明るいα星でも、4.3等級の明るさですから、無理もありません。まあ、星座線は決まりがないので適当に引けば言い訳で、適当な部分もあるでしょうねえ。少しは、横向きのきりんの姿になっているのでは、と思います。

 このきりん座は、トレミーの48星座にはもちろん入っていません。この星座は、17世紀にドイツの天文学者ヘベリウスによって作られたようです。キリンはアフリカ大陸の中南部に生息するので、古代ギリシャ・エジプト時代には見ることもなかったのでしょう。大航海時代の後の時代に、ヨーロッパの人々はきりんを初めて見たはずです。

 きりん座は冬の星座ですが、もっと高緯度の地方では、一年中見ることができそうです。まあ、そういう訳で、コーヒーブレイクです。

データ/ケンコースカイメモS・トキナー11~20F2.8・EOSKissX8i・ISO1600・F4・20秒・ソフトフィルター使用・2019年3月26日20時頃

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2019年4月 5日 (金)

かに座の散開星団M67

M67  ココログの大リニューアル後、今もエラーが出たり、文章の改行などに不安があったりしています。去年の12月までのUP記事は、何とかHTMLタグをいじって修正しましたが、それ以前のUP記事の写真は拡大されないままです。いつまで続くのか分かりませんが、何とかして欲しいものです。

 それはそれとして、画像は、かに座の散開星団M67です。写真中央近くの、星がわずかに密集したところです。満月ほどの大きさですが、6等級なので肉眼では見えないようです。この写真は、前々回UPのかに座のプレセペ星団を撮影した夜の画像です。同じかに座なので、探すのも割と簡単でした。プレセペ星団から南へ8度ほど、東へ2度ほど移動すればいい訳です。デジカメの液状画面を眺めながら、星々をたどって探すのは、結構楽しいやり方では、と思います。ただ、慣れないとうまくいかないんですね。

 散開星団M67は、4、50個ほどの星が確認できるかな、と思うのですが、実際は何百個という星の集団のようです。さらに、もっともっと近くに行けば、さらに多くの星が見えるのでしょうけれど……。写真で見ると、ちょっと可愛い感じなんですが、目の当たりに眺めると、想像を絶するすごい宇宙風景が広がっているんでしょうねえ。写真というのは、記録としてはいい方法なんですが、写真を眺めるという意味では、臨場感がほとんどなくて、リアルさに欠けます。本当は、こういう散開星団や球状星団は、対空双眼鏡で眺めるのがいちばんいいのでしょうか。口径の大きな双眼鏡が欲しくなります。

 という訳で、休憩します。ブログをUPするのはほとんど夜の作業なんですが、今は昼下がりの時間です。そろそろ雨も止みそうですが、今夜の星空は無理でしょうか……。

データ/ビクセンGP2・ボーグ55FL・KissX8i・ISO800・50秒・2019年3月12日21時頃・いつもの自宅裏庭

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