おおぐま座のミザール
東の空というか、少し南寄りの方向ですが、大きな、輝くような満月が昇ってきました。平成最後の満月らしいですが、それはどうでもいいことなんですが、今夜はとても明るい月夜です。薩摩半島では、このところ夏日が続いていて、毎日車のエアコンを入れています。おまけに、森では、春ゼミが賑やかに鳴いていて、初夏真っ盛りという感じです。蒸し暑い夏が近いんですね。
ところで、写真は、おおぐま座の2等星ミザールです。ミザールというのは、北斗七星の柄の先から2番目の星です。写真のサイズは、満月がちょうどおさまる大きさです。ミザールの周辺を拡大して撮影しました。8インチ2000ミリのシュミカセでの画像です。肉眼でこの付近を見ると、多分2等星のミザールしか見えないのでは、と思います。口径の小さな望遠鏡では、ミザール本体のミザールAと左隣の2等級のアルコルが分離して見えるようです。古代ローマ帝国時代、アラビア時代には、アルコルが離れて見える、というのを、戦士の視力検査に使っていたそうです。その時代の人は、口径5センチほどの小さな望遠鏡に匹敵する視力を持っていたんですね。とても、驚きです。ミザール本体とアルコルの距離は4光年ほどですが、お互いに影響しあっているかどうかは、まだ未観測のようです。
ところが、17世紀になって、2等級のミザールのすぐそばに、もう一つ星があることを観測しました。ミザール本体のすぐそば、非常に近い距離なので、連星だということが観測されたようです。それ以来、2等級の本体がミザールA、4等級の星がミザールBと呼ばれてきたようです。連星というのは、お互いの周りを公転している、まあ、二つの太陽があって、お互いの周りをまわっている、ということです。AとBの距離は、太陽と冥王星の距離の7倍ほどだそうですが、恒星がこんな近いのは、想像できません。我が地球から考えると、太陽が二つあって、それもとてつもない大きさらしいので、お互いに影響しあうということは、とても大変なことだろうと思います。その星にたくさんの惑星があれば、それぞれがとても複雑な動きをするでしょう。場合によっては、ある惑星では夜がないかも知れません。
さらに、このミザールAとミザールBは、またそれぞれすぐ近くに恒星を従えているそうです。太陽が4個もあれば、まあ今の地球なら、人間みんな不眠症になっていることでしょう。恐ろしい世界なんですね。太陽系のすぐ近所ですが、そんな世界でも、やはり生命体が生まれてくるんでしょうねえ。
まあ、そんな訳で、満月を眺めながら、アサヒのドライブラックで乾杯します、です。
データ/ビクセンGP2・セレストロン8インチシュミカセ・専用レデューサー・EOSM3・ISO3200・1秒・数コマ合成・2019年4月12日20時20分頃
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