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2019年6月の4件の記事

2019年6月27日 (木)

木星とアンタレス

Blog_20190627195001  23日の日曜日は、梅雨の真っ最中なのに夕方から珍しく晴れて、とてもすっきりした空になりました。東の空には、うっすらと天の川が昇り、木星とアンタレスが仲良く並んでいました。仲良くといっても、8度ほど離れているのですが、とてもいい眺めでした。アンタレスは0.9等級、木星はマイナス2.5等級なので、木星の方が20倍以上も明るいということです。

 まあ、そんなことを考えながら、撮影したのがこの写真です。確かに確かに、明るさが全く違います。おまけに100ミリのマクロレンズなので、ご覧の通り、大きく派手な光条が映っています。レンズの絞り羽根が8枚なので、8本の目立つ光条です。望遠鏡のレンズは絞り羽根がないので、こんな映り方はしないはずです。まあ、これはこれで愛嬌があっていいのかな、なんて……思いますが。

 ところで、天の川の星の密度はすごいんですね。星だらけという感じです。アンタレス近傍付近は、とても色賑やかです。アンタレス自身が赤く輝いているのですが、その周辺部は赤、黄色、青ととても派手な色合いです。さらに、黒い部分(暗黒帯、暗黒星雲)もはっきりと確認できます。この暗い部分は、星がないのではなく、手前にある高密度の星間ガスや宇宙のチリなどが後ろの星の光を遮っているので、暗く見えるのですが、これだけでも宇宙の神秘さを語ってくれます。まるで煙が流れているように見えますが、とても巨大な領域なんでしょうか……。

 アンタレスの隣には、球状星団M4も見えています。このさそり座から北東に延びる天の川周辺は、特別な場所です。我が天の川銀河の中心部分がありますので、星々が密集していて、球状星団や散光星雲がひしめき合っています。この夏は、じっくり天の川の星々を眺めてみます。

 ということで、梅雨空ですが、空を眺めながら、YEBISUで乾杯します、です。

データ/ビクセンGP2・EOSM3・100ミリマクロ・ISO1600・F4.5・90秒・10コマ合成・2019年6月23日21時40分

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2019年6月21日 (金)

ケンタウルス座のオメガ星団

Blog_20190621192101  今年も、ケンタウルス座のオメガ星団を撮影しました。昨年同様、玄関先からの撮影でした。南の方角の山際に昇ってくる、まるで月が昇ってくるような感じの、球状星団の明かりでした。3.6等級の明るさなので、肉眼でもはっきり確認できるのですが、双眼鏡で覗くと、とてもとても感動モノです。それほど明るくはなく、満月を少し大きくした感じの雲のような光に見えるんですが、実際は満月よりもはるかに大きな光のようです。去年に比べると、水蒸気が多かったので、シャープさはイマイチでした。それでも、球状星団らしい密集した星の集団です。地球から17000光年の距離で、1000万個の恒星の集団です。想像もできない、宇宙の迫力を感じます。

 薩摩半島の我が家から見ると、この球状星団は南中高度が11度なので、大気の影響をモロに受けます。もっと南の島に行けば、もっとgooな写真が撮れるのでは、なんて思っています。南半球なら、多分天頂近くに見えるのでは……。次回は、撮影場所を変えた方がいいのかな……そんな感じもします。

 まあ、それはそれとして、今年の梅雨は何か変な感じです。雨がとても少なく、湿度だけが高い、異常気象のようなこの頃です。九州北部は、いまだ梅雨入りなしです。おまけに台風も全く発生していないので、九州南部の梅雨明けは、多分遅くなるのでは……。夏の星々をそろそろ眺めてみたいなあ、と思っているのですが、すっきりした夏の星空はまだまだ先のようです。まあ、季節の移り変わりをのんびり待つことにします、です。

データ/ビクセンGP2・セレストロン8インチシュミカセ・専用レデューサー・EOSM3・ISO1600・60秒・十数コマ合成・2019年5月21日22時頃

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2019年6月14日 (金)

うしかい座とかんむり座

Blog_24  うしかい座は、トレミーの48星座のひとつで、紀元前1000年以上前から知られていたようです。春の星座の中では、いちばん遅く昇ってきます。うしかい座のα星アルクトゥールスは、とても明るい1等星で、明るい星が少ない春の星空の中では特別に輝いています。赤っぽいオレンジなんでしょうか、結構きれいな色なんですね。このアルクトゥールスは、春の時期に望遠鏡のピント合わせに毎回使わせてもらっています。とても有難い星です。

 うしかいというのは、牛飼いのことなんでしょうけれど、熊の番人という意味もあるそうです。牛飼いには、番犬が必要なんですが、ちゃーんと北西隣りに、りょうけん座の猟犬が控えていますので、さすがーという感じです。このりょうけん座の猟犬は、北隣りのおお熊やこ熊の番犬もしているような位置関係にあります。古代の人も、星座の名前や位置関係にとても研究熱心だったような、そんな印象です。星座線で結んでいるのですが、上に伸ばした左手は猟犬につないだ手綱を持っているのでしょう。両足もあって、短足に見えるんですが、星を結ぶときに偶然こんな星座線になったような気がします。うしかい座のモデルは、多分偉い人なんでしょうから……。

 うしかい座の東隣に見えるのが、かんむり座です。このあたりが春と夏の境界とされているようです。この冠(かんむり)は、ギリシャ神話では、酒の神ディオニーソスがクレタ島のアリアドネを王妃に迎えるときに贈ったと言われている冠がモデルだとされています。詳しいことはよく分かりませんが、7つの星を結ぶと、確かにかんむりに見えます。

 ところで、春もすっかり終わって、梅雨の真っ只中なんですが、少し晴れた夜には、さそり座やこと座が結構高いところに昇りかけています。夜中過ぎには、空一面夏の星座が輝いているのでしょうか。今年は、天の川を十二分に堪能しようと思っています、ということで、まだ見ぬ今年の天の川に、サントリーの〈香る〉エールで乾杯します、です。

データ/ビクセンGP2ガイドパック・トキナー11~20ミリF2.8・EOSKissX8i・f3.5・15秒・ソフトフィルター使用・2019年5月5日21時30分頃

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2019年6月 6日 (木)

春の星々

New1cblog  時々、いつものように、星の軌跡を写真に撮ります。季節によって、印象が少しだけ違うような気がします。それにしても、薩摩半島の田舎の星空の暗さは、画像にするととてもよく分かります。それは、春は明るい星も少ないし、暗い星もとても少ないんですが、写真にすると、とてもたくさんの星が映り込むからです。天頂付近に、いやーこんなに星があったかな……なんて、結構な驚きです。露出時間は70秒ですが、バックの空自体はとても暗いんですね。都会では、感度1600にして、露出時間15秒ほどで、真っ白に飽和してしまうのでは、と思います。

 まあそれはそれとして、近景に少しだけモノを入れると、それらしくなります。木々が少しだけ赤っぽく映っているのは、赤いライトを3,4秒照らしただけです。この赤いライトは、星見の人はいつも携帯していますので、使い方によっては、とても便利なものです。赤い光を目にしても、すぐに元の暗さに慣れるからです。おまけに他の人にあまり迷惑をかけないようで、星見の人の必需品です。暗いところでは赤色は目に優しく、明るいところでは緑色は目に優しいと言われています。

 ところで、今は梅雨の時期なので、くっきりとした星空は望めませんが、3,4週間もすれば、また夏空がやってきます。それを楽しみに、いろいろと予定というか計画を立てているところです。まだまだ知らないことが多すぎるので、毎日学習という感じもします。学生気分に戻ったような気がして……楽しいのかも、です。という訳で、コーヒータイムにします、です。

データ/トキナー11~20ミリF2.8・EOSKissX8i・ISO1600・f5.6・70秒・55コマ・比較明合成・2019年5月21日22時頃

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