木星とアンタレス
23日の日曜日は、梅雨の真っ最中なのに夕方から珍しく晴れて、とてもすっきりした空になりました。東の空には、うっすらと天の川が昇り、木星とアンタレスが仲良く並んでいました。仲良くといっても、8度ほど離れているのですが、とてもいい眺めでした。アンタレスは0.9等級、木星はマイナス2.5等級なので、木星の方が20倍以上も明るいということです。
まあ、そんなことを考えながら、撮影したのがこの写真です。確かに確かに、明るさが全く違います。おまけに100ミリのマクロレンズなので、ご覧の通り、大きく派手な光条が映っています。レンズの絞り羽根が8枚なので、8本の目立つ光条です。望遠鏡のレンズは絞り羽根がないので、こんな映り方はしないはずです。まあ、これはこれで愛嬌があっていいのかな、なんて……思いますが。
ところで、天の川の星の密度はすごいんですね。星だらけという感じです。アンタレス近傍付近は、とても色賑やかです。アンタレス自身が赤く輝いているのですが、その周辺部は赤、黄色、青ととても派手な色合いです。さらに、黒い部分(暗黒帯、暗黒星雲)もはっきりと確認できます。この暗い部分は、星がないのではなく、手前にある高密度の星間ガスや宇宙のチリなどが後ろの星の光を遮っているので、暗く見えるのですが、これだけでも宇宙の神秘さを語ってくれます。まるで煙が流れているように見えますが、とても巨大な領域なんでしょうか……。
アンタレスの隣には、球状星団M4も見えています。このさそり座から北東に延びる天の川周辺は、特別な場所です。我が天の川銀河の中心部分がありますので、星々が密集していて、球状星団や散光星雲がひしめき合っています。この夏は、じっくり天の川の星々を眺めてみます。
ということで、梅雨空ですが、空を眺めながら、YEBISUで乾杯します、です。
データ/ビクセンGP2・EOSM3・100ミリマクロ・ISO1600・F4.5・90秒・10コマ合成・2019年6月23日21時40分