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2019年7月の4件の記事

2019年7月26日 (金)

天の川銀河の中心部

Blog_20190726195701  やっと梅雨が明けて、薩摩半島も夏空で、入道雲も青空にくっきりです。日が暮れて20時頃になると、天の川が明るく見えるようになりました。このところ水蒸気が少ないのでしょうか、星々の輝きが際立っているように見えます。天の川の撮影は、カメラレンズが一番便利で、簡単です。この写真も100ミリマクロレンズでの撮影でした。

 毎年撮っている構図ですが、天の川銀河の一番好きな領域です。6,7倍の双眼鏡でこの周辺を眺めると、星だらけという感じの場所です。このひとつひとつが恒星なんですが、これだけの数の太陽が輝いているというのが、なかなか実感として理解できない、そんな感じです。恐ろしいというか、これが宇宙の神秘なのでしょうか……。中央左には球状星団M22、右側の下から散光星雲M8、そのすぐ北側に、これも散光星雲M20、すぐ近くに散開星団M21、さらに右上隅に散開星団M23という感じで、いろいろな光が集まっています。2000憶ほどの恒星が集まっている天の川銀河ですが、その一つの小さな恒星が太陽ですから、そう考えると、地球の存在なんて、一体どうなっているんでしょうか……。大小関係が異常に違いすぎて、想像力が全く働きません。直径10万光年の天の川銀河ですが、この広い宇宙から見れば、あるようでないような存在かも知れません。地球という小さなゴミのよう惑星の片隅から、星々を眺めている生物が生息しているんですから、また不思議というか、不思議だらけです……。眺めるたびに、そんなことを考えます。

 先ほど日が沈んで、少しずづ暗くなり始めました。木星と土星が東の空に輝き始めました。もう少しで、天の川も見え始めます。今夜も天の川を眺めてみようと思います。そんな訳で、コーヒータイムにします。

データ/ビクセンGP2ガイドパック・100ミリマクロ・EOSM3・ISO1600・F4・50秒・2019年7月22日21時30分頃

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2019年7月19日 (金)

ヘルクレス座のM13

M13blog  球状星団M13は、ヘルクレス座にあります。前々回UPしたヘルクレス座の腰のところにあるんですが、結構暗いので、肉眼では見たことがありません。ヘルクレス座は、梅雨が明ける7月中旬の21時頃、天頂付近に来ます。双眼鏡で眺めるのはとても苦労しますが、天頂付近は一番暗いので、撮影には最適です。M13は、距離25000光年という遥か彼方で、数十万個の恒星が密集した星の集団です。直径90光年ほどの狭い空間に、数十万個の星が密集している状態です。こんな状態が長く続いてきたのであれば、中心付近はどうなっているのでしょうか……。なかなか想像もできません。中心部の密度というか重力というか、それを考えると、中心部にブラックホールがあっても不思議ではないような気がします。とても魅力的で、好奇心を駆り立てる、究極のものでは、と自分では思っています。

 なお、写真には、すぐそばに渦巻銀河6207も映っています。この銀河は、明るさが12等級という暗さですが、写真にはちゃーんと映るんですね。少々驚きです。

 ところで、我が家の庭から肉眼で見える球状星団は、ケンタウルス座のオメガ星団といて座のM22だけです。オメガ星団は肉眼ではっきり見えて、視直径と明るさから考えて特別な存在です。M22は、天の川の中にあって星々の海を背景にとても美しい光です。このM22は、肉眼でいつも見えるという訳ではなく、大気の状態が良い時だけかすかに見えるという感じです。三番手が、このM13なのでしょうか。肉眼では見えませんが、双眼鏡で覗くと、恒星ではなく、小さな雲の光のような感じに見えます。画像にしてやっと、周辺部の星が分離して、球状星団らしくなります。背景が暗いので、星々がとてもくっきりしています。眺めていると、とても癒される……そんな光景です。

 まあ、そんな訳で、早く梅雨が終わって、夏の星々を眺めたいんですね。それを願って、YEBISUのプレミアムブラック(初めて味わうビールかな……?)でひとりで乾杯します。

データ/ビクセンGP2・ビクセンED80sf・EOSM5・ISO3200・40秒・トリミング・2019年6月28日21時30分

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2019年7月12日 (金)

月齢3.3の地球照

 33blog 7月の中旬になろうというのに、なかなか梅雨が終わりません。例年なら、もうそろそろ、という時期ですが、これから10日ほどは曇り空か、雨のようです。下手をすると、2週間ほど続くのかも知れません。このところ天気予報が当たらないので、自分で予想するしかありませんが、なかなか大変です。そんな中、先週、西空の雲の間から三日月が見えていたので、観察と撮影をしました。

 月齢3.3なんですが、新月から4日目なので、旧暦では4日月ということになります。大気の状態がよかったのか、とてもすっきりした4日月でした。後ろに星がいくつか見えますが、この辺りは、しし座の前足付近のようです。この画像は、4コマを合成したものです。画像の位置合わせを自動設定にしたのですが、星ではなく、やはり月を基準に位置合わせされています。月のどこの輝点を基準にしたのでしょうか……。デジタルも進歩したものですね。驚きです。

 ところで、後ろの星が僅かに軌跡を描いています。4コマの撮影時間は30秒ほどだと思うんですが、星は結構動いています。というよりは、月が星の海を西から東に動いている、ということですが……。いろいろやっていると、いろいろな発見があります。さらに言えば、太陽に照らされた地球表面の明かりが、35万キロも離れた月の夜を照らしている、それも結構な明るさで、ということもまた驚きです。単純でありふれた観察だけをしているのですが、これこそリアルタイムな体験かも、という感じがして、とても楽しい時間でした。

 という訳で、コーヒータイムです。

データ/ビクセンGP2・ビクセンED80sf・専用レデューサー・EOSM3・ISO1600・2秒・4コマ合成・2019年7月6日20時50分

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2019年7月 5日 (金)

ヘルクレス座

Blog_20190705193101  ヘルクレス座は、トレミーの48星座のひとつです。名前はとても有名なんですが、星座をつくっている星が暗い星ばかりなので、ヘルクレス座はそれほど有名ではないかも、です。最も明るいα星でさえ3等級の明るさです。星空を見上げて、20分ほど暗さに慣れて、やっと3等星が見えてくる感じです。星座の形を確認するのは、難しいのでは、と思います。ただ、もう少し長く眺めていると、やっと胴体と腰のあたりの感じが確認できます。でも、写真のような、人が逆立ちした様子や両手・両足の感じは、現代人の視力では無理でしょうねえ。

 ヘルクレス座は、古代ギリシャの英雄ヘラクレスにちなんだ星座ですが、最近は、勇者名も星座名もヘルクレスを使っているようで、今後ヘルクレスと呼ぶことにします。古代ギリシャの英雄といえば、ヘルクレスとペルセウスという名前が浮かんできます。ヘルクレス座は夏の星座、ペルセウス座は秋の星座ですが、ともに名前だけはとても有名です。いろいろ調べてみると、ペルセウスは、ヘルクレスの3代前の祖先だそうです。今、初めて知りました。ということは、ヘルクレスの母親アルクメネは、鎖につながれたエチオピアのアンドロメダ姫を助けたペルセウスの孫(もちろんアンドロメダ姫の孫)ということになります。二人の英雄の父親は、神ゼウスです。母親は人間なんですね。活躍した時代は、150年ほどズレルんでしょうか。そもそも年代なんてないのかも知れません。ゼウスは神だから、死ぬことはないんでしょうねえ……。その前に、神と人間の子供は生まれるんでしょうか……? 神話だから、生まれるんでしょうねえ……。いやいや……まともに(科学的に)考えると、よく分からなくなってしまいます。まあ、よく分からないというか、わからない方が、神話として長く、それなりに正確に後世に伝わるのでは、という感じです。秋になれば、ペルセウス座をゆっくり眺めてみます。続きは、その時にまた考えることにします。

 ところで、ヘルクレス座の右(多分)の腰あたりに、M13という球状星団があります。このM13は、北半球で最も美しいと言われています。このM13を、先週小さな望遠鏡で撮影しました。左の写真でも、何とか小さい光の点に見えています。6等級の暗さなんですが、デジタルはさすがです。

 まあ、そんな訳で、星を眺めていると、いろいろ感じたり、考えたりするものなんですね。頭の中はとても忙しい気がします、です。

データ/ビクセンGP2ガイドパック・トキナー11~20ミリ・20ミリF4.5・ISO800・EOSKissX8i・50秒・2019年6月23日21時50分

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