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2019年8月の5件の記事

2019年8月30日 (金)

わし座の暗黒星雲 B142・B143

B143blog  8月も、もうすぐ終わりです。天の川が夜9時頃になると、天頂付近を通ります。さそり座は、もう西の空に傾きかけています。夏も、終わりなんですね。何か寂しいような気もしますが、まあ、季節の移り変わりですから、それはそれでいいんですが……。それにしても、このところまともに星空を眺めていない感じです。曇り、雨、曇りのち少し晴れ、また雨、曇り、少しだけ晴れ、そしてまた雨、曇り、なんていう毎日でした。今の季節に秋雨前線とは……。季節が変な感じです。

 写真は、わし座のアルタイル近くの暗黒星雲です。この付近は天の川が流れているので、星がとても多いんですが、その星の海の中にぽっかりと複雑に穴が開いている感じに見えます。しかし、これは穴ではないんですね。この部分だけ星が見えないのは、天の川の手前に、濃厚な星間ガスやチリが密集していて、星を隠しているだけです。実際は星雲なんですが、光を発していないということです。だから、暗黒星雲と呼ばれています。天の川銀河の周辺部には、たくさんあるようです。この暗黒星雲のガスやチリがやがて凝縮して、高温状態になって星が次々と生まれてきます。

 上部のCの文字に似た部分がB142で、その下がB143と呼ばれています。このBカタログというのは、アメリカの天文学者バーナードが編集した暗黒星雲だけのカタログです。350個の暗黒星雲が登録されています。1890年代の頃からですから、その頃の機材でよくここまで観測したということが、とても驚きです。観測者の執念というのでしょうか……。オリオン座にある散光星雲バーナードループは、彼の発見です。

 天の川の星の海は、双眼鏡で眺めても、とても興味深い場所です。この暗黒星雲も6倍程度の双眼鏡で確認できますが、透明度のよい夜空でないとなかなか見えてきません。まあ、そんな感じで、また暗黒星雲を探してみます。という訳で、コーヒータイムです。

データ/ビクセンGP2・ビクセンED70SS・笠井マルチフラットナー・EOSM3・ISO3200・70秒・2019年7月26日21時40分頃

 

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2019年8月23日 (金)

夜のテント事始め

Blog_20190823200701  初めてのテントでした。7月に購入したのですが、台風襲来のため、おまけに曇り空のため、なかなかテント開きができませんでした。やっと今週テント事始めとなりました。何となくオートキャンプ場の雰囲気?……?。いやいやそんなシャレたところではなく、ここは自宅の裏庭です。ちょうど北極星を眺めることができるので、いちばんの場所です。車が映っているのでキャンプ場の雰囲気みたいで、いい感じかなと思うのですが……。車を裏庭に入れるために、通路の木の枝を少しだけ切って、通れるようにしました。田舎だからできることですね。

 ところで、今風のテントはとても簡単なんですね。知りませんでした。テントを開くのに20秒、たたむのに50秒ほどでできました。これほどまでに簡単だとは……。このテント、DODというメーカーなのですが、老舗なのか輸入メーカーなのか、知りません。とにかくとても簡単にできたので、ゆっくり時間がありました。しかし、少しだけ気になったのは、テントも内部は暑いんですね。真夏の無風の夜は、ちょっと無理な感じもします。風の出入り口が三ヶ所もあるのは、風通しを良くするためなんでしょう。こんな感じだとすると、薩摩半島では秋から冬といった季節のイメージですね。10月から12月の頃が、最適かも知れません。車にテントと食料を積み込めば、キャンプ場で夜を過ごせるということが分かりました。

  この夜は、テントのある風景だけを撮影する予定でした。いろいろ撮影の設定、テント内の明るさ、三脚や車の位置、椅子や小さなテーブルの配置とか考えながら、カメラマン兼アートディレクターです。試し撮りしながら、結構忙しい時間でした。アートディレクターの個性あるいろいろな声が聞こえてくるような、そんな感じでした。これが実際のロケなら大変です。真夏の蒸し暑い夜の中、風も吹かない庭の中で、汗を流しながらドタバタしているんでしょうから……。

 まあ、実際はドタバタしながら撮影しましたが、救いは、空いっぱいに星が見えたことです。テントの撮影が終わった後、少しだけ天の川を撮影できました。ちょうど北斗七星が、木々の向こうに沈むところでした。もうすぐ9月ですから、ペルセウス座が北東の空に昇りかけているのでしょう。

データ/EOSKissX8i・トキナー11~20ミリF2.8・ISO1600・11ミリ・F3.5・10秒・2019年8月21日20時40分

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2019年8月16日 (金)

いて座のM17

M17blog  台風10号も通り過ぎて、お盆も終わりで、やっと静かになったようです。いつもの日常が一番いいのかな、と思います。ところで、今週は、ペルセウス座流星群の極大だったのですが、あいにく台風10号の接近で観察することもできませんでした。流星群を一度も眺めたことがないので、次の流星群の機会があれば、じっくり眺めたいですね。

 写真は、7月に撮影した、いて座の散光星雲M17です。梅雨が明けたばかりでしたが、くっきりした夜空でした。薩摩半島では、大気の状態が良ければ、暗い4等星もよく見えます。このM17を撮影したのは初めてでした。M17は、オメガ星雲、白鳥星雲などと呼ばれていますが、何かイマイチな感じです。オメガというのは、Ωというギリシャ文字のことですが、それほど似ている感じもしないし、白鳥(上下さかさまの)にも見えるというのも疑問です。他にも、馬蹄形星雲なんていうニックネームもありますが、これもイマイチな印象です。まあ、ニックネームがなくてもいいんですが……。

 この散光星雲はとても大きく、見かけの大きさは満月を少し大きくした感じです。淡い領域が周囲に広がっているようですが、写真ではあまり確認できません。それでも、赤い輝きはすごい迫力です。遥か5000光年の彼方からの、光というかエネルギーです。6倍の双眼鏡で眺めると、中心部の明るい領域だけは何とか見えますが、形を確認するには少々無理な感じです。肉眼では、この赤く輝く領域はなかなか見えないんですね……。まあ、このM17の画像も、貴重なひとコマです。

 今、東南東の空に、十六夜(いざよい)の月が昇ってきました。オレンジ色をした、少しだけ寂しそうな月です。コーヒータイムにして、双眼鏡で眺めてきます、です。 

データ/ビクセンSX2・ES102ED・EOS60D(改造)・ISO1600・60秒・Quad BPフィルター使用・20コマ合成・2019年7月25日20時50分

 

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2019年8月 9日 (金)

さそり座からいて座

Blog_20190809193101  立秋は過ぎたのですが、まだまだ暑い夏が続いています。全国的に猛暑ですが、ここ薩摩半島の田舎では、猛暑日もほとんどありませんが、蒸し暑さだけは特別です。ムシムシする日は、梅雨明けからずーっと続いています。汗かき人間には、大変です。台風9号と10号が北上していますので、亜熱帯の暖湿気流をどんどん運んでくるんですね……。

 ところで、8月のお盆前後の夜の10時ごろが、天の川のいちばんの見頃です。南の地平線から北北東の空まで、天の川の雲のような流れがとてもよく見えます。特に澄み切った夜空なら、やや黄色っぽく輝く星々の姿が、とても鮮やかです。双眼鏡で眺めると、星々の海という感じが、手に取るように分かります。宇宙の神秘を感じる光景です。天の川銀河には、およそ2000憶の恒星がありますが、肉眼で見えている星は、地球にとても近い星か、または特別に明るい星です。2000憶個の星々の、1億分の1パーセントほどの星だけが見えているのでしょうか……。

 写真は、さそり座からいて座の周辺の夜空です。広角レンズで撮ると、こんな感じです。天の川を取り囲むように、さそり座、いて座、へび座、へびつかい座、みなみのかんむり座、たて座などが賑やかに輝いています。天の川周辺には、散開星団や球状星団、さらに散光星雲などがあちこちに散らばっていて、これまた賑やかです。おまけに、今年は特別に、木星と土星が天の川の両岸で輝いているので、夜空はまるで星まつりのような賑わいです。今年の夏は、この眺めを満喫しようと思ているのですが、まあ、夜の天気次第ですね。

 来週はペルセウス座流星群の極大なんですが、台風の影響で少々無理な感じもしますが……、まあそういう訳で、たくさん流れることを願って、YEBISUで乾杯します、です。

データ/ビクセンSX2・ES102ED・トキナー11~20ミリF2.8・EOSKissX8i・ISO1600・F4・25秒・2019年7月30日21時40分

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2019年8月 1日 (木)

こぎつね座のM27

M27blog  こぎつね座は、はくちょう座のすぐ南側にあるあまり知られていない星座です。これといって明るい星もなく、肉眼で探すのは多分無理なのでは、と思います。M27は、そのこぎつね座にある珍しい星雲です。惑星状星雲のひとつで、とても暗いんですが、視直径は満月の30パーセントほどの大きさです。M27というよりは、アレイ状星雲という方が知られているようです。写真で見たことはありましたが、今回初めて撮影しました。アレイというのは、筋力トレーニングに使う鉄亜鈴(ダンベル)ですが、それに似ているということらしいです。

 ところで、太陽より7,8倍程度以下の小さ目の恒星が星の最期を迎えたとき、膨大なガスを周辺に発散させて静かに冷えていく、その時に中心に残った恒星の名残を白色矮星(はくしょくわいせい)と言います。惑星状星雲は、その白色矮星の光が周辺部のガスとチリを照らしている状態です。本当は、もう少し赤い輝きのようですが、改造カメラではないので、きれいな薄いコバルトブルーのような感じに映っています。とてもきれいな色で、これもまた宇宙の神秘を感じさせます。地球からの距離が1000光年ほどですから、すぐ近くという感じです。それでも、直径が1光年ということを考えると、とても想像できない大きさの領域です。いろいろ不思議なことばかりで、強烈な刺激になります。

 このところ晴天が続いていて、雲の少ない夜空です。先週から毎日星見をしているような気がします。撮影後の画像処理がなかなか追いつきません。珍しく忙しい夜の時間です。という訳で、コーヒーブレイクにして……、夜の空気を吸ってきます。

データ/ビクセンSX2・ES102ED・笠井フラットナー・EOSM3・ISO1600・55秒・2019年7月27日21時15分

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