こぎつね座のM27
こぎつね座は、はくちょう座のすぐ南側にあるあまり知られていない星座です。これといって明るい星もなく、肉眼で探すのは多分無理なのでは、と思います。M27は、そのこぎつね座にある珍しい星雲です。惑星状星雲のひとつで、とても暗いんですが、視直径は満月の30パーセントほどの大きさです。M27というよりは、アレイ状星雲という方が知られているようです。写真で見たことはありましたが、今回初めて撮影しました。アレイというのは、筋力トレーニングに使う鉄亜鈴(ダンベル)ですが、それに似ているということらしいです。
ところで、太陽より7,8倍程度以下の小さ目の恒星が星の最期を迎えたとき、膨大なガスを周辺に発散させて静かに冷えていく、その時に中心に残った恒星の名残を白色矮星(はくしょくわいせい)と言います。惑星状星雲は、その白色矮星の光が周辺部のガスとチリを照らしている状態です。本当は、もう少し赤い輝きのようですが、改造カメラではないので、きれいな薄いコバルトブルーのような感じに映っています。とてもきれいな色で、これもまた宇宙の神秘を感じさせます。地球からの距離が1000光年ほどですから、すぐ近くという感じです。それでも、直径が1光年ということを考えると、とても想像できない大きさの領域です。いろいろ不思議なことばかりで、強烈な刺激になります。
このところ晴天が続いていて、雲の少ない夜空です。先週から毎日星見をしているような気がします。撮影後の画像処理がなかなか追いつきません。珍しく忙しい夜の時間です。という訳で、コーヒーブレイクにして……、夜の空気を吸ってきます。
データ/ビクセンSX2・ES102ED・笠井フラットナー・EOSM3・ISO1600・55秒・2019年7月27日21時15分
| 固定リンク
「趣味」カテゴリの記事
- はくちょう座の北アメリカ星雲(2023.09.21)
- いるか座(2023.09.14)
- いて座の中心部(2023.09.07)
- わし座の三つ星(2023.08.31)
- いて座の散光星雲M8(2023.08.24)
コメント