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2020年4月の5件の記事

2020年4月30日 (木)

かに座周辺

Blog_20200430193101  前回UPしたかに座の画像の、周辺部です。本当は、カニの足がもう一本あるはずですが、写真では欠けています。この周辺は、明るく目立つ星がないので、とても寂しく感じます。それでも、散開星団プレセペを双眼鏡で眺めていると、宇宙の神秘さを感じます。かに座には、もうひとつの散開星団M67があります。かに座のα星のすぐ近くですが、でも明るくないので、双眼鏡で探すのにも苦労します。かに座の南隣りには、うみへび座があります。このうみへび座は、全天でいちばん広い星座です。紀元前3500年頃につくられた星座だそうで、トレミーの48星座の中でも最も古い星座だと言われています。勇者ヘラクレス(ヘルクレス座)が退治した怪物のひとつヒドラの姿だそうです。九つの首を持っている怪物ですが、それ以外の詳しいことは知りません。とても大きく広い星座なので、写真には頭の部分しか入っていません。ただ、口を開けた頭の形のリアルさだけは、完璧です。暗い星々をうまく結んだことに、いつものことながら感心しています。

 ところで、明日から5月です。この2,3日、やっと初夏らしい気温になりました。4月の夜は、結構寒く、春とは思えない気候でした。春の星座が、ようやく天頂付近に昇ってきています。眺めるのに苦労しますが、星々がそれなりに明るく輝いています。夜中を過ぎれば、夏の星座が東の空に見えているはずです。日の入りも、薩摩半島では19時近くなので、北極星もなかなか見えてきません。

 という訳で、裏庭から上弦前の月を眺めてきます。昨日も一昨日も、兄弟らしきアナグマを見ました。彼らにとって、一番いい季節なんでしょうか……。

データ/ケンコースカイメモS・タムロン45ミリF1.8・EOSKissX8i・ISO1600・f2・13秒・2020年3月14日21時頃

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2020年4月23日 (木)

M44プレセペ星団

Blog_20200423195601  春の星座の中で最初に眺めるのは、いつものことですが、かに座です。かに座は、ふたご座の隣で、晴れた夜には肉眼でもよく見える星座です。そのカニの甲羅にあたるところにある散開星団が、M44のプレセペ星団です。この散開星団も、肉眼でもぼんやりと確認できる貴重な星団です。春の星空で目立つ星の並びと言えば、しし座と北斗七星ぐらいなんでしょうか……。星雲や星団がとても少ない春の夜空で、プレセペ星団は大人気です。この星団は、古代ギリシャ時代から雲のようなものとして、はっきり見えたそうです。ガリレオ時代になってやっと星の集団だと、確認できたようです。

 写真の中央付近の星の集団が、プレセペ星団です。50個以上の星々の集まりです。本当はもっとたくさんの星の集団なんでしょうか。その周りの4個の星が、カニの背中というか、身体です。この4個の星は、4等星以下の暗い星ばかりです。でも不思議なことに、ひとつふたつは見ることが出来ます。その理由は、このかに座が一番暗い天頂付近に昇るために見えるのでは、と思います。という訳で、田舎の暗い夜空では、雲のような散開星団もよく見えるようです。散開星団を眺めるのであれば、双眼鏡が最適です。視野の中いっぱいに星々が散らばって見えます。写真撮影中はドタバタ作業をしているので大変ですが、休憩中はできるだけ双眼鏡で眺めることにしています。(余談……双眼鏡で星を眺めるときは、いつも立ったままの姿勢で眺めています。背もたれ椅子が欲しいなあ……欲しいなあ、と思いながらもう7年以上が経ちました。朝が来ればすっかり忘れてしまうの繰り返しだったのかも、です。という訳で今いちばん欲しいものは、リクライニング=背もたれ椅子です、間違いなく……別に高価なものでもないのですが……ささやかですが……)

 ところで、このところ夜はひんやりとしていて、冬に逆戻りした感じです。おまけに雲の多いこと。この4月は、2回ほどしか星空を見ていません。2月からは新型コロナウィルスの感染拡大で、世界中というか、この世の中が大変なことになっています。どうすれば収まるんでしょうかねえ……。専門家の人々も分からないようなので、平凡な人間には分かりません。

 という訳で、裏庭から曇り空を眺めてきます、です。

データ/ビクセンGP2・ボーグ55FL・専用レデューサー・ソニーα6000・ISO1600・40秒・2020年3月17日21時30分頃

 

 

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2020年4月15日 (水)

冬のダイヤモンド

Blog_20200415195701  桜が咲き始めたら南風が吹いて暖かくなるのですが、この4月はどういう訳かヒンヤリとした日が続いています。天気予報では、4月いっぱいは低温の予報です。暖冬だったから、暖かくなるのも遅いのかも知れません。昨年からの天候異変が今も続いているような感じもします。おまけに新型コロナウィルスの感染拡大で、ここ薩摩半島でも、街の雰囲気がいつもと違います。車も少ないし、人の姿もあまり見かけなくなりました。世界中が今新型コロナウィルスにかき回されているのですが、これがもっともっと長引けば、戦後の時代の一大事になるのかも、です。何とか早く収まって欲しいものです。

 ところで、写真は3月に撮影した冬の星々です。流れる雲を避けながら撮った冬のダイヤモンドです。22時を過ぎると、冬の星々は東シナ海に沈んでしまいます。もう少し時刻が早ければ、少し西側に金星が輝いていたはずです。この写真に写っているペテルギウスの明るさは、間違いなく2等級の明るさでは、と思います。1等星のリゲルよりもずーっと暗い星になっています。いまだに減光しているような気がします。まあ、それにしても、明るい星の多いことです。冬の星よサヨナラ、なんていう場面です。また次の冬になれば会えるのですが、観る側が生きていればの話……ですが。

 東の空には春の星々が昇って来てはいるのですが、鹿児島湾(錦江湾)周辺の街明かりや加世田市内の街灯の明るさなんでしょうか、東の空がほんのりと明るく見えます。これも公害のひとつである光害です。星見をする人にとっては、結構大きな問題なんですが……。という訳で、東の空を眺めるのは、およそ1か月半ほど遅くなりますが、またゆっくり春の星座を眺めてみます。

 という訳で、小休止して、夜の裏庭散歩です。

データ/ビクセンGP2・トキナー11~20ミリF2.8・EOSKissX8i・ISO1600・f4・25秒・ソフトフィルター使用・2020年3月20日21時

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2020年4月 9日 (木)

2020年最大の満月

Blog_20200409193501  昨日の19時過ぎに、東の空から満月が昇ってきました。ちょうどその時、観測パーツの調整と工作をしていましたが、山の稜線からオレンジ色の大きな月が昇ってきていました。低い高度では、ほとんど濃いオレンジ色でした。今年最大の満月だとは聞いていましたが、その迫力は想像以上でした。オレンジ色になったのは、間違いなくPM2.5の影響でしょう。このところ、青空ではなく、ホコリを被ったような白っぽい空でした。撮影する予定ではなかったのですが、満月を眺めているうちに、ロケする気持ちになりました。

 スーパームーンということで、ネット上ではライブ配信もやっているようでした。このスーパームーンという言葉は、天文用語ではないので、あまり使わないのですが……。満月になるのは、8日正午頃だったと思います。昨日の月齢は14.7ですが、これは正午の月齢のことだったと思います。ということは、この撮影した頃は、9時間ほど経っているので、月齢はおよそ15.1ほどかな、と思います。そう考えると、月面の右側(西側)が少しだけ欠け始めているのが理解できます。満月の画像で目立つのは、写真下部の明るい部分です。白っぽい領域の中心にあるのが、ティコクレーターです。このクレーターから四方に白いスジが伸びています。これは、遥か昔に宇宙からの物体が衝突したときの衝撃でできた名残です。光条(こうじょう)と呼ばれています。ティコクレーター自体も割と新しく(1億年前)、とても強烈だったので、いまだにその痕跡をとどめているようです。

 正直なところ、満月だけを撮影したのも初めてでした。双眼鏡で眺めてもイマイチで、撮影しても正面からストロボいっぱつという感じで、メリハリのない画像になってしまいます。まあ、昨夜はオレンジ色の迫力に負けて撮影しました。この写真は、東向きの室内からの撮影です。極軸をきちんと合わせることも必要ないので、とても楽な作業でした。ただし、赤道儀のスイッチはオンにしました。

 ところで、新型コロナウィルスの感染拡大が続いていますが、鹿児島県でも4人目の感染が発生しました。その内に、田舎の田舎まで拡大するのでは、という感じもします。とにかく、早く収まって欲しいものですね……。もう少しで今夜の月も昇ってくるので、裏庭に出て眺めてみます。

データ/ビクセンGP2・ビクセンED80sf・専用レデューサー・EOSKissX8i・ISO1600・1000分の1秒・2020年4月8日21時頃

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2020年4月 3日 (金)

おおいぬ座のM41

41blog  冬の星座おおいぬ座は、4月下旬になっても眺めることが出来ます。夜空は春になっているのですが、春の星々が暗いので、どうしても西空を眺めてしまいます。目立つ星々は、西空でまだまだ明るく輝いています。全天でいちばん明るいおおいぬ座のシリウスは、まだまだ迫力があります。そのシリウスのすぐ南に、散開星団M41があります。4等級近い明るさなので、肉眼でもよく見えます。満月よりもはるかに大きいい星々の集まりです。夜空が暗い田舎では、大気の状態が良ければ、結構目立つ存在です。

 写真が、M41の全景です。ぼんやりとした雲のように見え、恒星とは違う感じで見えます。肉眼で見える散開星団はとても少ないので、貴重な眺めです。この散開星団は、1654年にイタリアの天文学者オディエルナが発見しています。明らかに恒星とは違う星雲・星団として記録されているようです。今でも肉眼で明るく見えるのだから、その当時にはもっと明るく見えたはずです。このM41ですが、明るい星は赤っぽい色です。でもやや暗い星はブルーぽい感じです。散開星団にしては、珍しいのかも、です。

 この写真は、カメラレンズで撮影したものです。もう25年以上も前に使っていたタムロンの300ミリF2.8です。神戸から持ってきたものですが、なかなか使う機会がなく、しまっておいたレンズです。マウント部分をニコンからキャノンに変更しています。薩摩半島は湿度が高く、半分近いレンズにカビが発生しました。その中でも珍しくカビが発生しませんでした。そのレンズにビクセンのアリガタ金具を取り付けて、赤道儀に取付できるようにしました。とてもバランスが良く、解像度もまあまあで、結構使えるのでは、と思っています。写真で見る限り周辺部もキレがいい感じです。

 今夜は、どんよりとした空です。雨が降ってもおかしくないような、そんな感じです。自室の窓からは、家の窓明かりはひとつも見えません。という訳で、MJQを聴きながらインスタントコーヒーで小休止します。

データ/ビクセンGP2・タムロン300ミリF2.8・EOSKissX8i・ISO1600・f5.6・40秒・2020年3月20日20時30分

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