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2020年8月の4件の記事

2020年8月27日 (木)

二重星アルビレオ

Blog_20200827194201  ちょうど8月下旬の9時頃、天の川が天頂付近を通って、南西側のさそり座方向に延びています。天頂付近には、優雅な姿のはくちょう座が見えます。その白鳥の頭の先、くちばしを示す星が、二重星アルビレオです。織姫のベガと彦星のアルタイルを結んだ線の真ん中あたりに、はくちょう座のβ星アルビレオがあります。この二重星を初めて望遠鏡で眺めました。双眼鏡では二重星に見えなくて、望遠鏡で少し倍率を上げると見えてきます。このアルビレオはありふれた普通の3等星ですが、注目されるようになったのは、オレンジっぽい3等星のすぐそばに青白い5等星がくっついている二重星だと分かってからです。夜空に輝く宝石のように見えるところから、一躍有名になりました。確かに肉眼で見ると、オレンジらしく、青じろっぽく見えます。とても見ごたえがあります。

 その画像が、左の写真です。写真にすると、色の感じはイマイチでした。青白さがほとんど出ていません。短めの望遠鏡の方が色が出やすいのかも知れませんが、星の分離がうまくいきませんでした。写真は、左方向が天の北方向です。明るい星が3等星アルビレオで、隣にくっついている星が5等星です。二重星といっても、互いに重力で結びついている場合を連星といい、偶然同じ方向に見えている場合を見かけの二重星と言います。アルビレオの場合は、見かけの二重星だろう、という観測結果が最近発表されているそうですが……。

 このアルビレオをさらに有名にしたのが、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」でしょうか。その中で、この二重星をサファイアとトパーズに例えて<……眼もさめるような青宝玉(サファイア)と黄玉(トパーズ)の大きなすきとおった球が、輪になってしずかにくるくるとまわっていました……>と描写しています。北天の宝石とまで言われる理由がわかる気もします。この「銀河鉄道の夜」はとても悲しい物語なのですが、逆に生きる希望や勇気も与えているのかも知れません。天国に向かう天の川銀河鉄道なのですが、そこには……地球も人間も星からの贈り物、人間の故郷は星々の海だ……という科学的なメッセージも隠されているような気がします。「銀河鉄道の夜」をまた読んでみます。

ということで、インスタントコーヒーを飲みながら小休止です。

データ/ビクセンGP2・8インチシュミカセ・専用レデューサー・EOSM3・ISO1600・25秒・2020年8月12日20時41分

 

 

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2020年8月21日 (金)

こと座のM57

Blog_20200821201701  さっきまで、雷雨がありました。久し振りというか、珍しく激しいい雷と雨が降ってきました。PCを立ち上げていたのですが、すぐ近くまで雷鳴が響くので、小休止していました。やはり雷も怖いものです。この3週間は、灼熱地獄とは言いませんが、灼熱の日々でした。この暑さは、来週も続くようです。冬の寒さが恋しくなります。早く涼しくなって欲しいものですね。

 写真は、こと座の惑星状星雲M57です。別名をリング星雲とか、ドーナツ星雲などと呼ばれていて、とても人気のある星雲です。何年か前に撮影しましたが、明るいコバルトブルーが美しい星雲です。本当は、改造ボディーで撮影した方が、赤い色合いが出てリアルになるのかも知れません。ただ、視直径がとても小さく、楕円形の長辺がたったの2分(30分の1度)ほどです。焦点距離2000ミリの望遠鏡で撮影して、それを20倍ほど拡大しているのが、左の画像です。このM57は、恒星が最期を迎えて大爆発の後、周辺部が周りに吹っ飛んでいった後の名残だそうです。中心部にある星は、もとの恒星の中心核では、と思います。この中心核は、白色矮星と呼ばれていて、太陽もこのような最期を迎えるそうです。その時は、すべての惑星も小惑星も全部宇宙空間に吹き飛ばされるのでしょうか……ねえ……人間がいれば人間も……。

 8月の下旬の今頃、夜の11時頃になると天の川がちょうど天頂を横切っていきます。晴れていれば、その迫力ある姿を眺めることが出来ます。地上に横たわって、のんびり星空を眺めたいのですが、今はまだ熱帯夜なので、もう少し様子見しているところです。

そういう訳で、雨の止んだ裏庭を散歩してきます。さっき裏庭の高い樹木の上で、ヌエの鳴き声がしたようで……、少し気味が悪いのですが……。

データ/ビクセンSX2・セレストロンC8・専用レデューサー・EOSM3・ISO3200・30秒・20コマ合成・2020年8月12日20時30分

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2020年8月14日 (金)

真夏の天の川

2blog_20200814141201  真夏も真夏で、猛暑も猛暑で、焼けつくような毎日です。おまけに日が沈んでも、ほとんど暑さが変わらない毎日です。夜はほとんど雲もなく晴天なんですが、ちょっと星を眺めるだけで汗が出てきます。そんな中の撮影でした。今年の天の川は、とても賑やかです。いて座近くには、明るい木星と土星がくっついて並んでいます。とても珍しいのかも、です。写真左方向が北です。はくちょう座のデネブ付近には、少し雲がかかって明るくなっています。南の空はくっきりと晴れ渡っていて、星々の海が繋がっています。特別な場所に行かなくても、裏庭に出れば天の川が見える、それが田舎のいい所です。以前住んでいた神戸では、天の川はもちろん、明るい星さえ見えませんでした。

 星空の撮影は、とても簡単です。この時も、三脚にカメラを固定して、数コマ撮影しただけです。拡大して見ると、星が数コマ分の数分だけ移動しているのが分かります。超広角レンズなので、星の流れはほとんど目立ちません。こういう撮り方もあるし、ちゃんと赤道儀に乗せて追尾しながら撮ることもあります。使い方で選びますが、まあ、どちらも割と簡単です。それでも、こんな暑い夜に撮影する時は、冷たい飲み物が必要です。夜でも、熱中症の心配もありますので……。

 8月のお盆を過ぎた夜10時頃には、さそり座やへびつかい座などは、子午線を遥かに超えて西の空に傾きかけています。星空を眺めていると季節の移り変わりがよく分かります。夜空は秋の空になり始めています。はくちょう座の後ろには、秋の星座ペガススが昇っているはずです。という訳で、今夜も暑い中、星々の海を眺めてみます。

データ/ケンコースカイメモS・トキナー11~20ミリF2.8・EOSKissX8i・ISO1600・f3.5・20秒・ソフトフィルター使用・2020年8月12日21時40分

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2020年8月 6日 (木)

かんむり座

Blog_20200806194401  このところ、異常な暑さが続いています。もう1週間ほどになりますが、猛暑日一歩手前の感じです。夏は暑いのが当たり前ですが、もう少しメリハリがあって、朝夕は涼しいとか、日陰は涼風があって気持ちがいいなんて、以前はそんな夏が普通でしたけれど……。最近の夏は、一日中熱風の中で暮らしている気がします。薩摩半島の田舎では、最近特に人の姿を目にしない時間がとても多い感じで、少々心配です。

 写真は、昨夜撮影した、かんむり座です。星座線を引いていませんが、何となくわかるような星座の形です。7個の星が、ちょうどうまく円形になっています。8月の上旬の今頃、21時近くになると、子午線を超えて西側の空に傾きかけています。天頂付近なので、眺めるのにとても苦労します。一番目立つ星が、α星ゲンマ(ラテン語)で、明るい2等星です。ゲンマというのは宝石の意味だそうで、王冠を意味しているそうです。この星以外は明るくはありませんが、双眼鏡で眺めると、写真のように円弧を描いているのが分かります。古代の人々は、かんむりの形全体が見えたのでしょう。この星座は、トレミーの48星座の中でも、5000年以上前から知られている最も古い星座の中のひとつです。

 久し振りに少しだけクリヤーな空だったので、もう少し近辺を撮影しようと思っていたのですが、満月過ぎの明るい月が昇ってきたので、時間切れで終了しました。最近は、水蒸気が多いのか、PM2.5の影響なのか分かりませんが、大気の状態がとても悪い感じで、星見の機会もなかなかありません。全国的な傾向なのでしょうか……。

 という訳で、とても薄いアイスコーヒーで、乾杯します。

データ/ケンコースカイメモS・タムロン90ミリF2.8・ISO1600・f4・25秒・ソフトフィルター使用・2020年8月5日20時40分頃

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