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2020年9月の4件の記事

2020年9月24日 (木)

いて座のM22周辺

M22blog_20200924193101  今日は、一日中雨でした。秋雨前線とは言え、梅雨時の雨の降り方です。今年は、6月、7月は梅雨らしい梅雨で、梅雨の中休みもない雨続きでした。それが8月に入って、突然猛暑となって、ガンガンムシムシの夏になりました。それから9月になると、またもや秋雨前線の雨の日々です。お彼岸が過ぎても、秋らしいさわやかな青空もほとんどなく、曼殊沙華の赤い色もさえません。明日からは、少しは秋らしくなるそうですが、どうなることか……。

 写真は、いて座にある球状星団M22付近です。9月に入っても、天の川はまだまだ健在です。今年は、いて座を移動中の木星と土星がとても明るく輝いているので、例年になく賑やかです。薩摩半島では、9月の今頃の方が、天の川は見やすく、撮影にも最適です。東の空は錦江湾や都市部の街明かりで、空がやや明るい感じです。西側は南シナ海なので、まるで暗黒の夜空です。という訳で、天頂付近から西側に傾いた頃が、星空は最高の状態になります。

 写真中央の少し左上にある明るい光が、球状星団M22です。毎年眺めたり、撮影したりしていますが、一番好きな〈眺め〉です。このM22は、5.1等級の明るさですが、不思議なことに肉眼でもはっきり見えます。天の川の星々の海の中でも、とても明るく見えます。中央やや右下のいて座のλ(ラムダ)星を目印にM22を探すのですが、このλ星の明るさは3等級だと思いますが、写真では、M22よりもはるかに暗く写っています。写真と肉眼で見るのとでは、明るさの見え方が全く逆になっています。何故そうなるのかは分かりません。この写真には、もうひとつ、球状星団が見えます。λ星の北西側にとても小さいのですが、球状星団M28です。このM28の明るさが7等級ということで、肉眼では全く見えませんが、双眼鏡では見えるはずです。この周辺は、双眼鏡で眺めるとまた違った楽しみ方ができるのでは……と思います。天の川の星々を眺めていると、とても気持ちが良いのですが……どうしてなのか、いまだによく分かりません。

 雨が止みかけたようで、遠くでいつものようにヌエの鳴き声がします。という訳で、ちょっと小休止します、です。

データ/ケンコースカイメモS・ボーグFL55・EOSKissX8i・ISO1600・40秒・2020年8月14日20時50分

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2020年9月17日 (木)

こぐま座

Blog_20200917190101  こぐま座というと、本当は春の星座なんでしょうけれど、春の盛りより夏の方が見やすいような気がします。日本では一年中観察できると書かれていますが、我が家の裏庭では、春は樹木が邪魔して見えません。いちばんよく見えるのは7月の後半から8月ごろです。北極星の上方に見えるので、眺めるのには一番楽です。南のさそり座から北極星の方向に視線を移すと、ちょうどこぐま座に行きつきます。そう考えると、夏の星座にしてもいいのでは……そんな想いです。

 写真が、こぐま座です。トレミーの48星座のひとつで、紀元前1300年頃にはもう知られていた星座のようです。右寄り中ほどの明るい星が北極星(ポラリス)です。その北極星から左カーブで4個の星が並び、北斗七星の形とそっくりで(ひしゃくの柄の曲がり具合は全く逆ですが)、子熊が親熊を追いかけて天上を回っている姿です。親熊は、地平線に沈みかけているので全景は見えませんが、まあ、何というか、うまく考えてものです。古代の人々の豊かな想像力には、いつも感心しています……。これは4日前の夜9時過ぎに撮影した、こぐま座の位置です。我が家の裏庭では、夏の星座になっています。

 左上方のいくつかの明るい星は、りゅう座の星々です。もう少し見晴らしのよいポイントで、りゅう座やおおぐま座、ケフェウス座、カシオペア座、きりん座などを超ワイドレンズで撮影してきます。北の空は特別に明るい星が少ないのですが、それなりに楽しめる感じもします。

 という訳で、今夜も近くでヌエが鳴いているのですが、真っ暗な裏庭の様子をちょっとだけ、アイスコーヒーを飲みながら見てきます。

データ/ケンコースカイメモS・シグマ30ミリF1.4・EOSKissX8i・ISO1600・f3.2・20秒・ソフトフィルター使用・3コマ合成・2020年9月13日21時10分

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2020年9月10日 (木)

へび座とへびつかい座

Blog_20200910191101  この夏に初めて撮影した、へび座とへびつかい座です。さそり座とヘルクレス座の間の広い領域に、このへび座とへびつかい座があります。夏にはよく眺めていたのですが、写真にすると、星座の大きさや形がとてもよく分かります。さそり座の北側の5角形の形が分かれば、それがへびつかい座の身体部分です。その西側と東側に分かれてくっついているのがへび座の頭と尾です。紀元前3000年頃のバビロニアでは、へび座とへびつかい座はひとつの星座だったようです。それを二つの星座に分割したのは、プトレマイオスだったと言われています。どうしてそうしたのか分かりませんが、二つの星座を合わせると、全天で最大の星座になるので、というのが理由かも知れません。

 へび座の星座線は青で、へびつかい座の星座線は赤で引いています。確かに、へび使いがへびを両手で持って操っている様子に見えてきます。へび使いの足も見えているし、へびの頭の形も正解です。うまくバランスの取れた星座の形です。いつも感心するのですが、うまく星と星とのつながりをつくっています。何千年というとても長い時間の成果でしょうが、不思議でたまりません。へび座とへびつかい座もギリシャ神話の中の物語に関係するのでしょうが、現代的に言えば……へび使いの大道芸人が、たくさんの人々の前で、賑やかな音楽に合わせて、へびも踊り、本人も楽しく踊っている……そんな光景に見えてきます。そんな風に想像すると、星座の世界もとても奥が深い感じです。

 夏の天の川とその周辺部、さそり座は見えていませんが、星々の海が広がっていて、とても賑やかな領域です。おまけに今年は、木星と土星が仲良く並んで移動しています。さらに東の空には、火星も赤く輝いています。こんな年も珍しいのかも、です。

 今夜は雨がしとしと降っています。秋雨前線による雨のようですが、まだまだ蒸し暑いので、気分はイマイチです。という訳で、今日はYEBISUで乾杯しまーす。

データ/ケンコースカイメモS・トキナー11~20ミリF2.8・EOSKissX8i・ISO1600・f3.2・20秒・ソフトフィルター使用・2020年8月13日20時28分・薩摩半島の我が家の裏庭にて

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2020年9月 3日 (木)

北アメリカ星雲とペリカン星雲

Blog_20200903194001  台風9号が去っていったのですが、すぐに次の台風10号が南の海上を北上しています。台風が多い年は、連続して来るらしいです。そのため、薩摩半島ではムシムシの日が続いています。いつまで続くのか分かりませんが、お彼岸までには何とか涼しくなって欲しいですね。

 写真は、はくちょう座にある散光星雲です。左は北アメリカ星雲で、右の小さ目なのがペリカン星雲です。確かに、北アメリカ星雲はその形が北アメリカに似ているし、ペリカン星雲もよくよく見れば左を向いたペリカンに似ている感じもします。右隅の明るい星は、夏の大三角のひとつ、はくちょう座の1等星デネブです。二つの星雲はとても大きな星雲で、200ミリ(APSサイズでは約300ミリ相当)レンズで、これほど大きく写ります。北アメリカ星雲もペリカン星雲も、地球からの距離が1800光年ほどで、ほとんど同じ領域にあるチリとガスの巨大な雲です。満月の15個分ほどの広さなんでしょうか……。写真写りが良いので、とても人気のある散光星雲です。天の川の流れの中なので、後方の星々がとても賑やかに輝いています。とてもいい感じです。

 この撮影は、梅雨明け後の、満月過ぎのくっきり晴れた日でした。透明度が良く、天の川がとても明るく見えた夜でした。年に数回しかないような、最近では珍しい最高の透明度だったのでしょうか……。くっきりと星々が見えれば、気分は最高です。来週、台風が去った後の美しい星空をゆっくり待つことにします。

この夏も、ヌエが度々やって来て、大木の頂上で気持ち悪い声で鳴くんですが〈ヌエの無く夜は恐ろしい〉というどこかで聴いた語りを思い出しながら、じーっと我慢しています。いろいろなことを感じながら、コーヒーブレイクです。

データ/ビクセンSX2・ボーグ55FL・専用レデューサー・EOS60D(改造)・QBフィルター使用・ISO1600・150秒・2020年8月11日22時00分頃

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