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2020年10月の5件の記事

2020年10月29日 (木)

ペガススの四辺形周辺

Blog_20201029195501  写真は、ペガスス座の周辺の星空です。広角レンズで撮影していますが、星座写真というのは結構大変です。撮影自体はとても楽なのですが、空の広い部分が晴れていないと撮れません。この夜は雲なしの晴天で、のんびりと撮影できました。薩摩半島は水蒸気がとても多い地域なので、クリヤーな晴天はとても貴重な時間です。この日の撮影は、いつもの我が家の裏庭です。我が家の前庭と裏庭に、5か所コンクリートで固めたベースをつくっています。そのうちのどこかに赤道儀を置いて極軸を合わせれば、即星座写真が撮れます。この日はきれいな星空で、のんびり作業が出来ました。

 ペガサスの四辺形が天頂付近に昇りかける頃、秋の星座が揃い始めます。この写真には1等星はありませんが、何とか4等星まで確認できました。ペガスス座、アンドロメダ座、カシオペヤ座、ペルセウス座などが空高く昇ってきました。とても良い眺めです。ペガススの四辺形には、α星が二つあります。西側(写真右)のマルカブはペガスス座のα星ですが、東側(写真左)のアルフェラッツはアンドロメダ座のα星です。もともとはペガスス座の星だったのですが、100年ほど前にアンドロメダ座に属するということになったそうです。この星の位置は、アンドロメダ姫のちょうど頭の位置なので、ちょうどいい感じになっています。いろいろと考えるものですね。写真には、アンドロメダ銀河M31も写っています。ちょうど人間の姿の感じで、岩場に繋がれた様子が分かります。アンドロメダ姫の母親のカシオペヤ王妃の姿も、カシオペヤ座のw(α星、β星、γ星、δ星)の星以外を加えると、人が座っている様子に見えます。星座線の引き方にも、感心します……さすがです。

 カシオペヤ座やペルセウス座の周辺は、秋の天の川が流れているので、星々が密集しています。この天の川は、冬の星座ぎょしゃ座付近を流れて、やがてふたご座やオリオン座の脇を流れていきます。冬がすぐそこまで来ている感じがします。東の空はわずかに霞んでいますが、スバルも見え始めました。この夜は、のんびり秋の星空を眺めることが出来ました。という訳で、YEBISUビールで乾杯しまーす。

データ/ケンコースカイメモS・EOSKissX8i・トキナー11~20ミリF2.8・14ミリ・f4・30秒・ソフトフィルター使用・2020年10月14日21時30分頃

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2020年10月22日 (木)

月齢9.0のコペルニクス

90blog  コペルニクスクレーターの夜明けを撮影したかったのですが、10時間ほど遅かったのかな、という感じです。クレーターを囲む山の影がどうなっているか、その様子を見たかったのですが、なかなか難しいものですね。コペルニクスクレーターは、月面では一番目立つクレーターです。双眼鏡で眺めても、とても素敵なというか、堂々としたクレーターです。とても小さく見えますが、実際は直径96km、外輪の山は高さ3500m以上あるそうで、イメージがついていきません。中央に小山がありますが、これは中央丘と呼ばれていて、大きなクレーターほど中央丘が多いそうです。写真でも二つは確認できますが、本当はもう一つ小さな丘があります。見えている中央丘の高さは1000m以上だそうで、これまたイメージがついていきません。このクレーターの中に立って周りを眺めたら、どんな風景なのか……それが知りたいというか、見たいのですが……。

 コペルニクスクレーターの北側には、雨の海が広がっています。月面で発光現象が多数確認されたのは、この海だったと記憶していますが……。この海の周辺には、アルキメデスやプラトーなんていう有名なクレーターもあります。それぞれ孤立したクレーターなので、とても観察しやすいですね。カメラをアイピースに替えて眺めると、全く違った楽しみ方が出来ます。撮影するよりもはるかにリアルで、神秘的な世界を垣間見ることが出来ます。時間があるときは、双眼装置を使って月面を眺めるのですが、宇宙船から眺めている感じ(想像ですが)で、ワクワク感は最高です。

 11月には、月齢8.9という月夜があるので、再度コペルニクスクレーターを眺めてみます。という訳で、今夜は、〈香るエール〉で乾杯しまーす。

データ/ビクセンGP2・8インチシュミカセ・専用レデューサー使用・EOSM3・ISO400・800分の1・2020年8月28日20時10分

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2020年10月16日 (金)

ケフェウス座の散光星雲IC1396  

Bic1396blog  写真は、先週UPしたケフェウス座にある散光星雲IC1396です。この周辺は、秋の天の川が流れていて、結構星の密度が高い領域です。上方の赤い星が、ガーネットスターと呼ばれている、赤色超巨星(ケフェウス座μ星)です。写真上方が天の北極方向です。それにしても、この巨大な赤っぽい光の迫力には驚かされます。形は丸っこい感じで、満月と比べるとおよそ5,6倍はありそうです。残念ながら、肉眼ではほとんど見えません。この星雲はとても淡い色合いなので、大気の状態が良くないとうまく撮れないのでは、と思います。この日は、偶然水蒸気も少なく、ある程度はうまく撮れたかな、という感じです。星雲内に暗黒帯の帯があちこちを横切っています。星雲は全体的に赤っぽい色合いですが、それ以外のたくさんの色が複雑に混ざっているようです。星雲や銀河の色は複雑すぎてよく分からない、とどこかで聞いたことがあります。

 今は、秋のど真ん中です。西空には天の川や夏の大三角も見えて、まだまだ賑やかです。天頂付近には秋の星座ペガススの四辺形が昇っています。夜10時ごろになると、東の空にはスバル、おうし座のアルデバラン、それにぎょしゃ座のカペラを眺めることが出来ます。今頃の夜空が一番楽しいのかも知れません。真夜中を過ぎると、冬のすべての星々が輝き始めるのです。

 先日、我が家の裏庭で、友人のカメラマン家族5人と夕方からテント泊を楽しみました。僕にとってはこれが初めての裏庭テント泊でした。星々を眺めて遊ぶ、とても楽しい時間でした。そして、夜明け前の4時頃にどういう訳か目が覚めて、夜空を眺めると、オリオン座がとても明るく輝き、それはそれは……冬の星座の驚きの光景でした。星を眺めるには……テント泊が正解です。

 という訳で、またまた課題が出来ました。これから寒くなるのですが、また、いろいろ試してみます。ここで小休止でーす。

データ/ビクセンGP2・ボーグFL55・EOS60D(改造)・Quad BPフィルター使用・ISO1600・80秒・20コマ合成・2020年10月5日20時20分

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2020年10月 8日 (木)

ケフェウス座 

Blog_20201008205801   秋の星座の始まりです。ケフェウス座は、9月になって天の川が西の空に傾きかける頃、北極星の上方(南)に見える星座です。とても古くから名の知れた星座のひとつで、トレミーの48星座のひとつです。我が家の裏庭から眺めると、北の空は結構暗く、星がより明るく見えます。ケフェウスというのは古代エチオピア国王で、ギリシャ神話の古代エチオピア物語にも登場します。東隣りには、王妃のカシオペアです。そして娘のアンドロメダ姫、飛馬ペガスス、そして勇者ペルセウスと化けクジラ……、秋の星座物語の登場人物(?)たちが夜空を飾っています。特別に明るい星はありませんが、それなりに趣のある星々の眺めです。

 ケフェウス座は、写真のような五角形が目印です。2等星はひとつだけで、それ以外は3等星以下の暗い星ばかりで、夜空の暗さに慣れないと、なかなか見えてきません。それでも時間をかけて眺めていると、線で結んだ星々もやがて見えてくるはずです。その中でも有名なのが、μ(ミュー)星で、赤く輝く赤色超巨星です。ガーネットスターという名で呼ばれています。日本語では、さくろ石という意味だそうですが……。ざくろの実が真っ赤に成熟した赤色のイメージのようです。この赤色超巨星は、太陽の直径の1500倍ほどもある、異常に大きな巨星のようです。オリオン座のペテルギウスと同様に、星の最期を迎えている星です。

 このガーネットスターの周辺は、秋の天の川が流れているところで、双眼鏡で眺めると星々の海のようです。それほど明るくはありませんが、それなりに楽しめるかも、です。この星のすぐそばには、とても大きな散光星雲があります。数日前に撮影したのですが、画像が未処理なので、出来具合は分かりません。

 今、台風14号が西日本に接近中ですが、九州には影響がないのでは、と思います。風もほとんど吹いていないし、雨も降っていません。でも、さすが南の空の木星や土星、東の空の火星は見えません。という訳で、ちょっと夜の空気を吸ってきます。

データ/ケンコースカイメモS・シグマ30ミリ・F1.4・EOSKissX8i・f3.2・20秒・ソフトフィルター使用・2020年9月13日20時50分

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2020年10月 1日 (木)

いて座の球状星団M22

Blog_20201001191701  いて座の球状星団M22です。毎年撮影していますが、いつもなら小口径の屈折望遠鏡ですが、今回は8インチのシュミットカセグレン鏡です。8インチ以上のものは所有していないので、これが個人的には最大のモノです。基本的には裏庭観望なので、これ以上大口径のモノは体力的に無理な感じがします。という訳で、この夜も裏庭に赤道儀などを出して設営するのですが、本当はこの準備が大変なんですね……。まあ、それはそれとして……。

 天の川の中に南斗六星を探せば、いて座はすぐに見つけられます。この球状星団は肉眼で見えるので、後はとても楽です。本体とファインダーの光軸を平行にして、星図を参考にして手動でファインダーにM22を導入すれば、それでOKで、自動導入よりもはるかに早く導入できます。撮影対象が肉眼で見えるというのは、とても気持ちがいいという感じもします。M22の明るさは5.1等級ということですが、不思議なことに矯正視力1.2の肉眼でもはっきり見えます。

 このM22までの距離は、地球から1万光年です。おまけに天の川銀河の中心方向なので、この球状星団は、天の川銀河の中心にとても近い所にあるようです。天の川を背景にしているので、地球に近い星々もたくさん写っているはずです。このM22付近から、天の川銀河を眺めるとどんな光景なのか、全く分かりませんが、つい想像してしまいます。……究極のロマンかも……です。

 月齢13.7の月が東南東の空に昇っています。今夜は中秋の名月です。その月を追いかけるように、明るい火星も東の空で輝いています。木星も土星も明るく見えて、とても賑やかな夜空です。という訳で、裏庭散歩してきます。

データ/ビクセンGP2・セレストロン8インチシュミカセ・専用レデューサー・EOSM3・ISO3200・30秒・20コマ合成・2020年8月12日21時18分

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