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2020年11月の4件の記事

2020年11月26日 (木)

ペルセウス座のメロッテ20

Blog_20201126192201  もう季節は冬になっているのでしょうが、秋の星座を眺めるには今頃がいちばん適しているのでは、と思います。夜の9時、10時頃になると、ペガススの四辺形が天頂付近に昇り、北の空のカシオペヤ座やペルセウス座も空高く(と言っても、60度程度ですが)昇り、とても眺めやすい高さです。薩摩半島の南西部の我が家から眺めると、東方向の夜空は鹿児島市や錦江湾の街明かりの影響で夜空の暗さはイマイチです。そういう訳で、東の夜空はこの間ずーっと遠慮しています。我が家は田舎の田舎なのですが、街明かりは想像以上にスゴイっていう感じがします。星見人間にとっては、少々残念なのですが……。

 写真は、ペルセウス座の散開星団メロッテ20です。中央やや右上の明るい星が、α星ミルファクです。この星の周りに青白い星がたくさん見えます。このα星の周辺なので、別名アルファ星団とも呼ばれています。ちょうど双眼鏡で眺めた感じの雰囲気です。少しだけアップし過ぎなのかな、という感じもします。ペルスウス座には、他にメシエ番号のついた散開星団があります。でも、この散開星団はメシエカタログには入っていません。地球からの距離が600光年ほどなので、とても近いところにあるようです。このメロッテ20は、肉眼でもぼんやりと位置を確認できます。結構明るいので、双眼鏡を向けるのもとても楽です。双眼鏡で眺めると、青白い星々が浮かぶ宇宙の空はとても神秘的です。臨場感もリアリティーも最高で、とてもいい眺めです。

 ところで、冬の星座も昇り始めていますが、空高くスバルも見えます。このスバルも散開星団で、青白い星々の輝きはとても明るく、迫力満点です。次は、毎年のことですがスバルを撮影してみます。という訳で、月明かりの裏庭を散歩してきます。今夜もアナグマ兄弟が遊んでいるかも、です。

データ/ケンコースカイメモS・タムロン180ミリF3.5・EOSM5・ISO1600・f4・20秒・ソフトフィルター使用・2020年11月4日20時58分

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2020年11月19日 (木)

秋の天の川 

Blog_20201119190101  写真は、先週撮影した薩摩半島の北の夜空です。ちょうど今頃、秋の天の川が北の空に見え、とてもいい感じです。毎年この時期になると、いつものことですが眺めたり撮影したりしています。今年は、南の空に木星や土星、それに火星が輝いていて賑やかなのですが、例年だと南の空はとても寂しい夜空です。それに比べて北の空は、はくちょう座から続く天の川が流れていて、素敵な眺めです。特別に明るい星はないのですが、天の川に沿って分かりやすい星座が並んでいます。2,3等星の星の並びを眺めながら、星座の形を推測します。22時頃になると、カシオペヤ座が真北に昇ってきます。薩摩半島のいつもの年ならば、ちょうど今頃が秋と冬の境目になります。ところがどうしたことか、このところ9月末のような気温で、確かに季節外れのような気候です。これも温暖化の現象なのでしょう……か。

 写真には、暗い星もたくさん写っています。アンドロメダ座の渦巻銀河M31やペルセウス座の二重星団までちゃーんと写っています。さすがデジタルです。さんかく座という星座も、写真にすると形がよく分かります。右隅の大きな樹木の中にある光は、星の光です。それは、冬の星座ぎょしゃ座の1等星カペラです。偶然に木々と葉の隙間から見えています。この樹木は、限界まで生い茂っている大樹なのですが、その隙間から見えるとは……とてもとても驚きです。

 今夜は曇り空ですが、ちょっと裏庭を散歩してきます。このところ、ヌエがよく鳴いているし、アナグマが走り回るし、草むらでは何かがガサガサと動いていて、結構な刺激です。おまけに、得体のしれない気配を感じることが度々です。あれは一体何だろうか……と思いながら、時々田舎の夜の闇の怖さも感じています。

データ/ケンコースカイメモS・EOSKissX8i・トキナー11~20ミリF2.8・ISO1600・f4・25秒・ソフトフィルター使用・2020年11月12日21時35分

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2020年11月12日 (木)

さんかく座のM33

M33blog  肉眼で、見える・見えないなんていう話題で有名な渦巻銀河M33です。アンドロメダ銀河よりも1時間ほど遅く、東の空に昇ってきます。7倍の双眼鏡で結構詳しく探したのですが、暗い空の薩摩半島でも見つけることが出来ませんでした。大気の状態にもよりますが、多分肉眼では見えないのでは、と思います。写真が、M33の全景です。右上方向が天の北極です。とても淡い光で、撮影は大変でした。試し撮りをしても、なかなか光がのってこない感じです。この撮影は、ガイド撮影です。めったにしないのですが、赤道儀が正確に追尾しないので仕方ありません。

 さんかく座というのも、あまり話題にならない星座です。三角形をつくる3個の星があるだけで、肉眼で見つけるのにはとても苦労します。このM33は、アンドロメダ銀河M31や天の川銀河とひとつのグループをつくっていて、兄弟のような関係のようです。このようなグループを局部銀河群と呼んでいいるようです。このM33の直径は6万光年ほどなので、天の川銀河よりもひと回り小さな銀河です。それにしても淡すぎる光なので、天頂付近に昇った頃に撮影した方がいいような気がします。カラカラに晴れた寒い冬の方がいいかも、です。12月に入った頃、また撮影してみます。トータルの露光時間を長くすれば、もっといい感じになるかも知れません。

 今夜は少しはいい感じの星空なので、後で裏庭に出てみます。このところ九州はPM2.5の影響で、大気の透明度がイマイチです。晴れマークだけでは、クリヤーな星空を観るのはなかなか難しいですね。その時にならないと、天気は分かりません……。という訳で、一枚着込んで、外で小休止します。今夜は少しだけ暖かいので、アナグマが遊んでいるような気がします。

データ/ビクセンGP2・ビクセンED80sf・EOSKissX8i・ISO1600・220秒・ガイド撮影・2020年11月4日22時20分

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2020年11月 6日 (金)

ペルセウス座の二重星団 

Blog_20201106192701  北北東の空に、ペルセウス座が少しだけ高く昇り、観察し易くなりました。夜11時過ぎには、オリオン座が姿を現します。もう11月なので、星空は冬になりつつあります。写真は、ペルセウス座の二重星団です。二つの散開星団が、とても近い位置で隣り合って見えるので、二重星団と呼ばれています。地球からの距離も同じほどで、とても珍しいそうです。西側(写真右)がNGC869、東側(写真左)がNGC884というNGCナンバーが付けられています。この散開星団は3等級の明るさなので、肉眼でもとてもはっきり見えます。6,7倍の双眼鏡なら、ちょうど写真のような感じに見えるのでは、と思います。肉眼で見える散開星団は、たくさんありますが、双眼鏡で眺めるのが一番迫力があってリアルです。この二重星団はとても大きくて、満月が二つ並んでいる、という風に例えればいいような気もします。

 この二重星団はとても明るいので、紀元前200年頃にはもう知られていて、雲のような光として有名だったようです。ペルセウス座は星座としてはそれほど話題にならないのですが、この二重星団や、α星ミルファク周辺の散開星団、β星アルゴルなどは、とても興味深い観察対象です。β星アルゴルというのは、アラビア語で〈悪魔の星〉という意味です。このアルゴルの位置は、勇者ペルセウスが手に持っている魔女メデューサの頭の位置です。この星は、およそ3日ほどで明るさを変える変光星です。不気味な星なので、悪魔の星という名が付いたようです。またこの星座は、8月のペルセウス座流星群としても有名です。この流星群観察をスケジュールに入れていたのですが、流星群の極大の頃は曇り空が続いていて眺めることが出来ませんでした。予定では、裏庭にテントを張って、ビールでも飲みながら……なんて考えていたのですが……。まあ、来年の予定にします。

 今夜は雨です。生暖かい感じの雨で、しとしと、または時々激しく降っています。まあそんな訳でちょっと小休止します、です。

データ/ビクセンGP2・タムロン300ミリF2.8・EOSKissX8i・ISO1600・f4・40秒・20コマ合成・2020年10月13日10時40分

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