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2020年12月の5件の記事

2020年12月31日 (木)

散開星団スバル

Blog_20201231190901  今日は大晦日です。薩摩半島は、雪は降らなかったのですが、このところ寒い日が続いています。今年は新型コロナウィルスの感染拡大で、いつもとは違った年末です。感染拡大は、正月以降も当分続きそうな状況です。少々暗い年末年始ですが、地球環境の変化には、個人の力では何とも対応出来ません。そういう意味では、特別に静かな年末年始のような感じもします。

 2020年のラストUPは、おうし座の散開星団スバルです。スバルというのは東洋的な言い方で、正確にはプレアデス星団という名称です。メシエカタログには、M45として登録されています。日本では、スバルまたはすばる、あるいは昴(すばる又はぼう)なんていう書き方もあります。日本語というのは、結構複雑で、とても難しい言語です。まあそれはそれとして、このスバルは、肉眼でもとてもよく見えて、星の数も5,6個は数えることが出来るそうです。この星々は、アトラスの7人の娘たちが踊っている様子だそうで、そう考えるととても優雅な雰囲気になります。本当は7個ほどは見えるのでしょうが、今まで数えたことはありません。というよりも、視力が特別に良いという訳ではないので、何個見えるかなんて、今までしたことがありません。いつもは、双眼鏡で眺めて楽しんでいます。双眼鏡の視野いっぱいに星々が広がって見え、迫力満点です。ぼんやりと雲のような感じに見えるので、探すのはとても簡単です。青白い星の輝きが、とても魅力的です。写真は、4,5倍の双眼鏡で眺めたイメージでは、と思います。ただし、年末年始の夜9時頃には、天頂付近に昇っているので、眺めるのはとても苦労します。真冬の寒さの中で、芝生の上で横になるなんて出来ないので……何かいい方法を考えるしかありません。そんな時に、大口径の対空双眼鏡があれば、なんて……いつも思っていますが……。

 ところで、散開星団スバルは、ブルーの淡い光が特徴ですが、撮影するたびに雰囲気が変わります。周辺部にもっと淡い光が広がっているはずなのですが、なかなか上手くいかないので、度々撮ることになります。そんな理由もあって、最も頻度が高い撮影対象かも、です。1月の下旬ごろならば、東側よりはるかに暗い西側の空に移動しているので、その時、もう少し長めの望遠鏡でまた撮影してみます。

 今年もいろいろなことを考え、試行錯誤しながら、星見で遊ぶことが出来ました。来年も、星見を楽しみ、撮影を楽しみたいな、という想いです。新しい年がどんな年になるか分かりませんが……まあ、いいでしょう……。という訳で、コーヒータイムです。

データ/ケンコースカイメモS・ボーグ55FL・EOSKissX8i・ISO1600・32秒・2020年12月6日21時50分

 

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2020年12月24日 (木)

おうし座のヒヤデス星団

Blog_20201224190901  今週は夕暮れ空に木星と土星が最接近して、とても珍しい眺めだったのですが、地平線近くを非常に度々雲が流れて、撮影するほどの時間はありませんでした。流れる雲の合間に、肉眼と双眼鏡で眺めるのがやっとでした。まあ、天気のことだから仕方ありませんが……

 ところで、やっと冬らしくなって、夜空は冬空になりました。明るい星々が次々に昇ってきて、とても賑やかになりつつあります。写真は、おうし座のヒヤデス星団です。写真の外側にもう少し広がっているのですが、焦点距離を少し間違えて、少々UPし過ぎです。200ミリ程度が良かったのですが、300ミリを超えてせまっ苦しい写真になりました。散開星団というのは、青白い光が多いのですが、このヒヤデス星団もその感じです。写真下の黄色っぽい明るい星は、おうし座のα星アルデバランです。偶然同じ方向に見えていますが、距離は100光年ほどアルデバランの方が地球に近いようです。双眼鏡で眺めると、写真のような雰囲気になるのかも、です。視野いっぱいに星が広がって、とても素敵な眺めです。20個から25個ほどが確認できそうですが、本当はもっとたくさんの星の集まりのようです。日本では、つりがね星と呼ばれていたそうですが、少々右に傾いていますが釣鐘の形に見えないことはありません。肉眼で明るい星が5,6個見えるという人は、視力が非常に良い人だと思います。昔の人は、視力がとてもよかったのですね……間違いなく。

 今夜は夜中からすっきり晴れてくるらしいのですが、明日から2,3日はヒンヤリヒンヤリの天気だそうです。そして、年末年始は強い寒気が入り込むそうで、この薩摩半島もチラチラと雪が舞うかも、です。今年も残り1週間で、新型コロナの年も終わりますが、来年は何とか収まって欲しいものです。という訳で、月を眺めてきます(東の空にシリウスも昇って来たようで、月も見えているのでしょう……多分)……。

データ/ケンコースカイメモS・ボーグFL55・専用レデューサー・EOS KissX8i・ISO1600・15~20秒・10コマ合成・2020年12月6日21時

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2020年12月17日 (木)

アンドロメダ銀河M31

C-m31blog  毎年のように眺めたり撮影したりしている、アンドロメダ銀河M31です。肉眼ではっきり見えるので、その見え具合から、夜空の状態が分かります。12月中旬の夜8時頃には、もう天頂付近に昇っています。真上なので、簡単に眺めるという感じではありません。芝生の上に横にならないと、多分見えてこないのでしょうが、冬の寒さでは少々無理な気がします。短時間しか耐えられないような姿勢で、何とか眺めているのですが、やはり暖かくしたテントの中からの方がいいのかな……なんて思いながら、なかなか出来ません。

 この写真は、等倍ファインダーを使って手動で導入しています。アンドロメダ姫の頭の星から胴体に続く星を頼りに、探すことが出来ます。微調整は、デジカメの液晶画面を使って割と簡単に導入できます。この銀河は、満月の5、6倍の大きさなので、初心者でも何とか楽に撮影できる貴重な銀河です。ただし、周辺部の淡い光の雲がなかなか記録されないので、いつも難しさを感じています。この画像も、もう少しかな……っていう印象ですが、まあ、自己満足でOKにしています。写真上方が天の北極です。構図は銀河自体を左斜め下から眺めている様子なので、少しだけ違和感があります。大きな銀河のやや右上の光は楕円銀河M110で、アンドロメダ銀河の伴銀河なので、同じ銀河群のメンバーです。もうひとつアンドロメダ銀河にくっついている小さい光の雲は星ではなく、これまた伴銀河の楕円銀河M32です。とても素晴らしい眺めで、秋夜空を代表するものかも、です。

 ところで、アンドロメダ銀河は、肉眼で見える最も遠い光です。230万年前に出た光が、今自分の網膜に届いているということを考えれば、宇宙と時間の限りない神秘性を感じてしまいます。一体宇宙はどうなってんだろう、一体何なんだろう、時間って一体何、なんていろいろなことを考えてしまいます。人間はとても不思議な世界に住んでいるのですが、その不思議さが人間の好奇心を呼び起こしている、そんな感じでしょうか……。という訳で、夜空の星々を眺めているのですが……。

 今夜も曇り空で、まだまだ寒い日が続きそうです。日本海側は大雪だそうで、南の薩摩半島に住む人間には想像も出来ません。という訳で、コーヒータイムにします。

データ/ビクセンGP2・ビクセン70SS・笠井等倍レデューサー・EOSKissX8i・ISO1600・100~130秒・コンポジット・2020年11月5日22時

 

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2020年12月10日 (木)

秋から冬への星空

Blog_20201210192701  日没後、西の空にはまだ夏の大三角の姿があります。天の川もまだまだ健在で、その流れを観察できます。考えれば、夜空で見えない部分は、太陽に照らされた2時間分ほどの星空です。年月で計算すれば、多分1ヶ月ほどでしょうか……。そう考えると、日没から日の出まで空を眺めていたとすると11ヶ月ほどの星空を眺めることが出来そうです(当たり前ですが……ただし、季節によっては、少しは違いますが……)まあ、そういう訳で、夏の星々を見送りながら、昇ってくる冬の星座を待っている今日この頃です。

 写真は、秋から冬への星空の変わり目です。秋の星座はペルセウス座だけですが、天頂付近には、秋の星座が賑やかに輝いています。ペルセウス座には、カリフォルニア星雲と呼ばれている散光星雲があります。確かにカリフォルニア州の形に似た姿です。その南には、有名な散開星団スバルが見えます。スバルというのは、昴(ぼう)というのが始まりです。中国から伝わった呼び名だと思います。それがいつの間にか、日本ではすばると呼ぶようになったようです。正式にはプレアデス星団と呼ばれていて、メシエカタログにはM45として登録されています。肉眼でもとてもよく見えるので、昔から有名です。視直径も満月3,4個分ほどもあり、双眼鏡で眺めるとすごい迫力です。ブルーの輝きがとてもきれいで、人気ナンバーワンの散開星団かも知れません。その南東には、明るい1等星アルデバランが輝いています。その周囲には、これまた肉眼でも星の集団に見える散開星団ヒヤデス星団があります。これも双眼鏡で楽しめる眺めです。ヒヤデス星団の北には、五角形の形のぎょしゃ座があります。この5個の星は、肉眼でもよく見えます。ただし、この5個の星の内、いちばん南の2等星は、おうし座の牡牛の角(つの)の先の星で、ぎょしゃ座の星ではありません。このぎょしゃ座には、ふたご座のM35からの連番で、M36,M37,M38の3つの散開星団があります。写真の赤っぽく写っているICカタログ番号の二つは、大きな散光星雲です。冬になると星空が急に賑やかになり、明るい星々も多いので、寒いのですがとても楽しめる季節です。

 ちょうど昨夜、ぎょしゃ座の3つの散開星団を撮影しましたが、うまく撮れていれば、またUPします。薩摩半島も冬は結構寒いのですが、澄み切った冬の星空をじっくり眺めてみます。今夜の空は曇り空です。ただ一つオリオン座のリゲルだけがうっすらと輝いています。……という訳で、コーヒーブレイクです。

データ/ケンコースカイメモS・トキナー11~20ミリF2.8・EOS60D(改造)・ISO1600・f4・50秒・2020年12月6日22時

 

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2020年12月 3日 (木)

カシオペヤ座の散光星雲 

Ic1805-1848-blog  写真は、カシオペヤ座の散光星雲IC1805とIC1848です。右(西側)がIC1805で、ハート星雲という愛称で呼ばれています。まあ確かに横になったハートという感じです。左(東側)がIC1848で、胎児星雲と呼ばれている散光星雲です。そういえばそんな感じもします。頭が左側で、上を向いた胎児のような……、小さな右手も見えているのかな……、おまけに尻尾までついているような……、そんな印象です。誰が愛称を付けたのか知りませんが、正解です。この周辺は、秋の天の川が流れているところで、背景の星々の密度もやや多めです。この赤っぽい光は水素ガスが発光している特殊なもので、残念ながら肉眼では見えません。この姿が望遠鏡で見えたら、とても衝撃的で、迫力満点の眺めでは、と思います。この写真を眺めるだけで、途方もない宇宙の神秘を感じます。

 このところ毎日雲が多くて、雲の切れ間から月を眺めている感じです。もうすっかり冬になっているのですが、薩摩半島はまだまだ暖かさが残っています。12月初めですが、暖房は今のところ使っていません。夜が更けても、しんしんと冷えるでもなく、夜の散歩も気楽です。週末から月の出が遅くなるので、本格的に冬の星々を眺めるつもりです。冬の大三角も昇り、明るいシリウスも輝いています。ぎょしゃ座、おうし座、オリオン座、ふたご座など次から次に冬の星座が姿を見せています。何故か懐かしいオリオンの三つ星も昇ってきました。スバルは、とっくに東の空高く……です。冬の星座を毎年のことながら楽しみにしているのですが、天気だけが気にかかります。

 もう秋ではないので、2,3日前から夜は常温のYEBISUビールにしています。という訳で、裏庭のアナグマを観察してきます。

データ/ビクセンGP2・ボーグ55FL(専用レデューサー使用)・EOS60D(改造)・ISO1600・120秒・2020年11月17日22時・我が家の裏庭 

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