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2021年2月の4件の記事

2021年2月25日 (木)

おおいぬ座の散開星団M41

M41blog  今夜は、暖かく湿っぽい夜です。外は気温15度で、何となく春のような気候です。南から水蒸気が北上して来るので、明日の最低気温は14度だそうで、もう春かも、という感じです。昼間は車の中が暑いので、エアコンを入れました。真冬の2月に冷房を入れるのも初めてですが……、いやいや、やはり地球温暖化が進行中なのかも、です。薩摩半島はうっすらと雲がかかっていますが、満月に近い大きな月が東の空に昇ってきました。星見よりも、月見の夜です。

 写真は、おおぐま座の散開星団M41です。全天で一番明るい星シリウスの南4度ほどのところにある散開星団です。6倍の双眼鏡で眺めると、シリウスも同じ視野に入ります。このM41は肉眼でもとてもはっきり見えますが、やはり散開星団は双眼鏡で眺めるのが最高です。星の散らばり具合がよく分かり、臨場感が満点です。黄色っぽい星が多い感じもしますが、本当にそうなのかは分かりません。写真では、30個ほどの星が確認できます。見かけの大きさは満月よりも大きく、散開星団にしてはとても明るい方では、と思います。眺める高度が40度ほど(我が家の裏庭では)なので、少しは大気の影響を受けているはずですが……。それにしても、このM41は写真写りも良い方で、カメラレンズで撮影してもよく写ります。眺めても良し、撮影しても良しという初心者向けの星団のような気もします。

 ところで、まだ2月なのですが、星空は冬の終わりを感じさせます。夜9時を回ると、シリウスもオリオン座も子午線を越えて西の空に傾きました。冬のダイヤモンド全体が西側に移動しています。今夜は月が明るくて星はあまり見えませんが、東の空にはしし座が高く昇り、北の空にはおおぐま座の全体が見えているはずです。季節はどんどん移り変わっていて、春がもうすぐそこまで近づいている、という感じがします。という訳で、月光に照らされた裏庭で月を眺めてきます、です。

データ/ビクセンSX2・ビクセンED80sf・専用レデューサー使用・EOS60D(改造)・ISO1600・60秒・1月14日22時

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2021年2月18日 (木)

オリオン座の散光星雲M42   

 M42blog 写真は、オリオン座にある大きな散光星雲です。メシエカタログでは42番が付けられていて、オリオン大星雲と言われるほど有名な星雲です。満月6、7個分以上の大きさで、肉眼で見える数少ない散光星雲です。赤っぽい光は肉眼ではほとんど見えないのですが、中心部の輝くばかりのきらめきはとてもはっきり見えます。毎年撮影していますが、21時から22時頃南中する季節が最適(私的な理由ですが)なので、撮影は1月頃と決めています。天の赤道近くなので、薩摩半島からでは多分55度ほどの高度になるのでは、と思います。適当な高度なので、眺めるにも撮影するにもいちばん良い高さのようです。まあ、天気によりますが、今年はくっきりくっきりの星空は少なく、何故か水蒸気が多くて、どんよりした夜空ばかりです。この撮影の夜は、とても珍しい晴天の星空でした。

 ところで、オリオン星雲は鳥が羽を広げた格好をしていますが、ちゃーんと頭までついています。というか、頭というよりはヘルメットのような感じもしますが、この部分は、メシエ天体M43という別な散光星雲です。しかし地球からの距離は、ともに1400光年~1600光年ほどなので、同じ領域のつながった星雲でしょうか……。オリオン星雲の中心部は少し白トビしているようですが、この部分はトラペジウムと呼ばれていて、若い星々が生まれている領域だそうです。トラペジウムというのはラテン語で台形を意味しているそうで、台形の形をしている4重星を指しているようです。4重星を中心に生まれつつある星の集まりが、この周辺のガスや塵を異様に輝かせていると言われています。そのエネルギーのすごさは、想像することさえ出来ません。宇宙は、すごい勢いで変化し続けている……そんな想いです。

 オリオン座には、もうひとつMのついたメシエ天体があります。それは、ウルトラマンの故郷だとされているM78です(M87という説もありますが……)、本当のところはよく知りません。こちらの方はとても小さいので、今はなかなか手が回りません。その内にまた挑戦します。という訳で、今夜も冬のあらしで、薩摩半島はヒンヤリヒンヤリです。まだまだ春が来る感じではありません。

データ/ビクセンSX2・ビクセンED80sf・EOS60D(改造)・ISO1600・90秒・2021年1月14日21時30分

 

 

 

 

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2021年2月11日 (木)

2月の北西の空

 Blog_20210211190401 2月上旬の夜10時頃の、北西の夜空です。我が家の裏庭から眺めると、西側がいちばん暗い夜空なので、星々が明るく輝く星空になります。写真に写っている松林や竹林のような小高い丘の向こうは東シナ海です。航路もなく漁船の夜の操業もないので、暗黒の海です。真っ暗な海を眺めていると、とても怖い感じがします。人の姿を見ることはなく、野生動物の世界なので、遥か昔の類人猿の野生が目覚めてくるような、そんな心情になります。まあ、貴重な体験になりますが……。

 ところで、立春過ぎですが、まだまだ秋の星座が見えました。超広角レンズになるのでしょうか、対角線90度ほどかな、と思います。北極星も入れるとこんな感じですが、さすがに星座自体はとても小さく、星座線を書き入れるのがとても大変でした。この時期でも、まだアンドロメダ銀河も見えています。秋の星座のカシオペヤ座、ペルセウス座やおひつじ座も眺めることが出来ました。東の空には、しし座やおおぐま座が姿を現しているのですが、結構見ごたえのある今頃の星空です。ぎょしゃ座とおうし座は少々欠けていて残念ですが、その代わり、スバルが派手に輝いて、おまけに火星がおひつじ座を進んでいます。とても賑やかな星空で、なかなかいい眺めです。このまま夜明けまで眺めていると、夏の星座のさそり座やいて座が昇ってくるんですね。当たり前のことですが……何故かとても不思議な感じがします。

 今夜はどんより曇り空です。夜中過ぎには雨が降り出すのでしょう。この先2,3日は、雨と曇天のようです。そういう時は、画像処理やいろんな雑用をすることにしています。そう言えば、ビクセン赤道儀の極軸望遠鏡レンズにカビが生えていました。拡大して眺める構造なので、すごい迫力のカビでした。まあ、これが最優先の雑用です。真冬でもカビが生えるところなんですね……薩摩半島は……。という訳で、ちょっと休憩しまーす。

データ/トキナー11~20ミリF2.8・EOSM5・ISO1600・f3.5・13秒・ソフトフィルター使用・2021年2月4日22時

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2021年2月 4日 (木)

オリオン座の馬頭星雲

 Blog_20210204193301 1月中旬から3週間ほど、天気が悪くてまともに星見が出来ませんでした。先週から天気が回復してきましたが、今度は月が派手に明るく、おまけに冬は天頂近くで輝くので、明るいこと明るいこと……。まあ、お月見だけは十分できましたが……。

 写真は、1月14日の夜の撮影です。この日の前後は、とても良い天気で、珍しくクリヤーな星空でした。こんな夜にはいろいろ撮りダメするので、とても忙しい時間になります。この夜は、おおいぬ座のM41やオリオン座のM42なども撮影しました。ポータブル赤道儀も出して、星座写真も同時撮影です。設営は大したことはないのですが、問題はバッテリーです。星見をする人はお分かりでしょうが、5個も6個もUSB電源やAC電源が必要になります。そうすると、手元が明るくないので、電源コードがどこかでもつれて予期しない事態になることもあります。そうなると、ノンビリ……なんていうものではなく、あまり経験したくないような時間になります。

 ところで、馬頭星雲というのは、中央部付近に見える馬の頭の形をした暗黒星雲のことです。この馬頭星雲の撮影はいつもならガイド撮影をするのですが、この夜に限ってノーマル撮影でした。中央付近に輝くの明るい星は、三ツ星のいちばん東側の2等星です。この星の周辺は、肉眼では見えない淡い赤っぽい光で満ち満ちています。濃度の高い水素ガスが、後ろの恒星の紫外線を受けて輝いているのですが、この淡い輝きを捉えるのが結構難しいんですね。3分ほど星を追尾するのですが、赤道儀だけに頼ると、星が流れているコマが多くてとても大変でした。やはり、ガイド撮影をすべきだったかな、なんていつものことですが思っています。安物の赤道儀ですが、まあ、何とか画像になっているようで、少しは満足しています。

 オリオン座周辺には、こういう光景がたくさんあります。何時間でも楽しく遊べる領域かも知れません。次の撮影は、的を絞ってノンビリやる方がいいのかも、というのが今の感想です。……という訳で、少しだけ明るいシリウスが輝いているので、ちょって眺めてきます。

データ/ビクセンGP2・ビクセンED70SS・EOS60D(改造)・ISO1600・220秒・20コマ合成・Quad BPフィルター使用・2021年1月14日22時20分

 

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