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2021年3月の4件の記事

2021年3月25日 (木)

冬のダイヤモンド

Blog_20210325205101  今夜は、久し振りの晴天の夜空です。ただ、月齢11.4の明るい月が天頂近くに昇り始めているので、外は明るく、遠くの山の稜線が見えています。こんな夜は、アナグマやタヌキが活発に活動しているような気がします。つい最近、二匹のタヌキが昼間から玄関先を徘徊していました。2週間ほど前から、ツバメも群れで飛んでいるのをよく見かけます。薩摩半島は、もうすっかり春になったのかも知れません。

 写真は、我が家の裏庭から魚眼8ミリレンズで撮影した冬のダイヤモンドです。家の屋根と北側の大木の一部が写っていますが、冬のダイヤモンドの小さいこと……小さいこと……。普通に見上げると、ダイヤモンドは結構大きく見えるのですが、さすが魚眼で撮ると予想以上に小さく写っています。写真の長辺は150度前後のようです。星座線を書き込んでいませんが、本当は小さすぎて書き込めませんでした。それでもオリオン座の三ツ星と小三ツ星は、明るい光なのでリゲルの北側にはっきりと見えます。写真右隅の北極星は2等星なので、明るい輝きです。スバルもくっきり写っていて、その近くには東に移動中の火星も見えます。火星のおかげで今年のダイヤモンドは、とても賑やかだったようです。写真右側の木々の明かりは、漁港につながる小道の途中にある暗い水銀灯の光です。星見を始めた頃には、この明かりが邪魔になっていたのですが、この明かりがないと、とても不便だということがその内に分かりました。というのも、この明かりがないと、我が家の裏庭は漆黒の闇になってしまいます。月のない夜は、足元さえ全く見えない暗黒の世界になっていたはずです。暗闇の中の光は、時には非常にありがたい輝きのよう感じがします。

 ところで、この撮影は3月8日の夜9時近くですが、冬のダイヤモンドの6個の星はすべて子午線を越えて西側の空に移動しているように見えます。もうこの時から春になっていたのかも、です。太陽も月も季節を教えてくれますが、星空はさらに正確にそれを教えてくれます。

 という訳で、小休止して、少しだけ月夜の散歩をしてきます。

データ/サムヤン魚眼8ミリ・F3.5・ソニーα6000・ISO1600・F5.6・25秒・2021年3月8日20時50分・2コマ合成

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2021年3月18日 (木)

いっかくじゅう座のバラ星雲

 Blog_20210318190701 バラ星雲というのは、いっかくじゅう(一角獣)座にある散光星雲です。散光星雲の中心付近には散開星団もあり、とても有名な星雲です。オリオンン座のペテルギウスの東5,6度のところ、一角獣の頭にある二つの4等星が確認できれば、場所はすぐ分かります。それでも長めの鏡筒だと結構位置がずれるので、少しは難しいのかも、です。この撮影は、ボーグ55FL(専用レデューサー使用)で撮影しました。焦点距離はAPS-Cサイズで300ミリ相当なので、結構トリミングしています。トリミングすると情報量が減って、画像としてはイマイチかも知れません。まあそれよりも、大気の状態の方が影響するような気もします。

 この夜は、近くにあるおおいぬ座のカモメ星雲なども撮影したので、とても忙しい時間でした。こんな時は、のんびりする休憩時間を意図的に入れて、座って星を眺めることにしています。そんな時に役立つのが双眼鏡です。バラ星雲周辺は冬の天の川が流れているので、双眼鏡で眺めると星々がとても賑やかです。バラ星雲の中心部の散開星団の3,4個の星も何とか確認できます。散光星雲の赤っぽい輝きが見えないのが、残念ですが……(双眼鏡でも、赤い輝きが少しは見えるそうですが、本当なのでしょうか。暗い夜空の薩摩半島で見えたことはありませんが)……。バラ星雲というのは愛称ですが、いちばんgooな感じです。花びらの重なり具合を何となく想像してしまいます。この呼び名は、世界共通なのでしょうか……。いつも使っている星図のポケットアトラスにも、Rosette Nebula って書いていますので、多分そうなのでしょうねえ。

 ところで、このバラ星雲も、3月の今頃、夜10時頃になると、すっかり西の空に傾いてしまいました。明るい冬の星々が輝く西空の何と賑やかなことか、そんな感じです。桜が咲き、昼間は初夏のような気候で、このところ車は毎日エアコンを使っています。飲み物は、いつの間にかアイスになりました。薩摩半島は、5月から夏です。どんな夏になるのか、少々気になるところです。という訳で、まだまだ常温のビールですが、いつものことながら、ひとりで乾杯します、です。

データ/ビクセンGP2・ボーグ55FL・専用レデューサー使用・Quad BPフィルター使用・EOS60D(改造)・ISO3200・50秒・20コマ合成・2021年2月9日22時10分頃・自宅裏庭

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2021年3月11日 (木)

サイバーショットで撮ったスバルと火星

Blog_20210311190501  サイバーショットというのは、ソニーのコンパクトデジカメの名称ですが、DSC-RX10M3というのは決してコンパクトという感じではありません。というよりは、一眼デジカメよりも重さが1.5倍ほどあり、片手で持ち歩くとなかなかの重みで、慣れていないと肩こりがする感じです。重さ1㎏以上で、ずっしりとした金属らしき重みです。価格は中古品ならば、最新のソニーの標準レンズ付き一眼デジカメの15分の1以下で買えるようです。このコンパクトデジカメを星の撮影に使えるかも、という思いで、昨夜はあまりシーイングが良くなかったのですが、初めてコンパクトデジカメで星空撮影に挑戦しました。

 ちょうどスバルの近くを赤い火星が通り過ぎたところなので、これが撮影対象です。このデジカメのレンズは、バリオ・ゾナーという24ミリ~600ミリのズームレンズが付いています。開放F値は、F2.4~4です。望遠600ミリでF4というのが、このデジカメの最大の特徴ですが、もう一つあります。モバイルバッテリーで充電しながら撮影もできるという機能もあります。この機能は日常的に使っていましたが、重い専用ACアダプターを使わずに済みます。

 という訳で、裏庭で撮影開始です。赤道儀はケンコーのスカイメモSです。頼りないコンパクト赤道儀ですが、片手で持ち運べるのでとても便利です。200ミリほどで、まずマニュアルでピント合わせです。シリウスを視野に入れてピンのリングを回すのですが、ピンの山がほとんど分からない感じでした。それならばという訳でバーティノフマスクを使ったところ、短望遠で拡大率が低いので、これまたダメでした。仕方ないので、大まかにピンを決めました。次がまた難問でした。タイマーリモートコントローラーの端子とモバイルバッテリーからの充電端子はともにマイクロUSBで、本体の差込口は一か所なので二つ差し込むことが出来ませんでした。撮影しながらの充電は諦めて、容量の小さいいつものバッテリー使用です。これまた準備不足でした。他にもいろいろ問題ありでした。上下しか角度調整ができない液晶モニターは、縦位置の場合は非常に覗きにくいのもそのひとつです。まあこちらの勉強不足がいちばん大きいのですが……。

 写真が、西空に傾きかけたスバルと火星の画像です。スバルのブルーっぽい色合いも火星のわずかな赤みも少しは出ているようです。ピンはマニュアルなので適当なのですが、何とか決まっているような気もします。ズームレンズの便利さを生かすのならば、もう少し勉強と準備が必要かも……。という訳で、次の時は何とかうまく使えるようにします。

データ/ケンコースカイメモS・ソニーサイバーショットDSC-RX10M3・ISO1250・200ミリ・f5.6・45秒・10コマ合成・2021年3月10日21時

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2021年3月 4日 (木)

エンゼルフィッシュ星雲

Blog_20210304184801  写真は、オリオン座にあるエンゼルフィッシュ星雲と呼ばれている散光星雲です。とても大きな星雲で、狩人オリオンの頭全体という広さの光の雲です。満月なら、およそ100個ほど円形に並べた感じなんでしょうか……。これが肉眼で見えたなら、冬の星空もすごい眺めになっていたはずです。確かに、金魚のエンゼルフィッシュにそっくりだということで、この名前がついたようです。写真下左の赤い星は、オリオンの右肩(こちら向きのオリオンと考えて)の1等星ペテルギウスです。ペテルギウスは、直径が太陽500倍以上もある赤色超巨星で、超新星爆発が近いと言われている(もう新星爆発してしまっているかも……)年老いた星です。写真下右の星は、オリオンの左肩の2等星ベラトリックスで、ラテン語で女戦士を意味するそうですが、詳しいことは分かりません。という訳で、この散光星雲はオリオンの肩幅ほどの大きさなので、50ミリほどのレンズでも撮れそうな感じもします。以前は、400ミリや500ミリほどの望遠レンズで撮影したこともありました。画面全体が赤カブリで〈これは一体何だ……何で、何で、なんて〉不思議でしたが、こんなに巨大なものならば、画面全体が赤カブリするのが当たり前です。今でも時々思い出しては、笑っていますが……。

 このエンゼルフィッシュですが、眼もあり、エラらしきものも見えて、確かに右を向いて、口元の餌を食べようとしている金魚らしく見えます。背ビレらしきものもあって、最初に愛称を付けた人は、正解でエライですね。とても淡い星雲なので、露出時間を長くしないと、赤い光がなかなか出てきません。この赤い領域は、星間ガスが後方の恒星の紫外線を受けて輝いているそうですが、その星間ガス領域の広いこと広いこと……。想像することも感じることも、とても無理のような感じがします。それがまた、宇宙の魅力かも知れません……。

 今夜は、弱い雨が降っています。一足早く、菜種梅雨のような感じでしょうか。春が、より早く来そうな気もします。薩摩半島では、2週間ほど前にウグイスの初鳴きでした。モズの姿もいつの間にか見えなくなりました。3月中旬には、南からツバメがやって来ます。今年は、ツバメも少しだけ早いかも、です。という訳で、小休止します、です。

データ/ビクセンGP2ガイドパック・100ミリマクロF2.8・EOS60D(改造)・Quad BPフィルター使用・f3.5・ISO3200・80秒・2021年2月8日21時頃

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