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2021年4月の5件の記事

2021年4月29日 (木)

りょうけん座のM106

M106blog  写真は、りょうけん座の渦巻銀河M106です。初めて撮影しました。りょうけん座と言えば、子持ち銀河のM51が有名ですが、このM106も結構見劣りしない銀河です。渦巻銀河として、少しはアンドロメダ銀河M31に似ているような気がします。中央部は特に明るく、周辺部の淡い広がりもM31にそっくりのような印象です。ただし、地球からの距離が2100万光年ほどなので、双眼鏡で眺めても、その光を確認することは出来そうにありません。もしも距離が10分の1ほどならば、多分アンドロメダ銀河のように、肉眼で見えたのでは、と思いますが……。

 このM106はりょうけん座にあるのですが、りょうけん座を見つけるのがとても大変です。コル・カロリという固有名の3等星の星だけが肉眼で見えるだけで、星座の形も全く分かりません。探すのには、北斗七星のひしゃくの底のγ(ガンマー)星から辿って、南東に7,8度のあたりのようですが、めぼしい星もないので等倍ファインダーで探すことは少々無理でした。という訳で、久し振りに自動導入に助けてもらいました。この便利な機能を使うとあっという間にその場所に行きつくのですが、お世話になった枕崎の天文台長のN氏の言われた通り……星を探して眺めるという楽しみがなくなってしまう……ということになってしまいました。まあ「時には便利さを利用するのも、また可なり」なんて、自分に言い聞かせています。

 ところで、写真には、系外銀河らしきものがいくつか写っています。とても小さいのですが、NGCナンバーの渦巻銀河なのか楕円銀河なのか分かりませんが、かすかな光の雲らしきものです。超大口径の望遠鏡ならば、多分何十、何百という系外銀河が写っていたのでは、と思います。このりょうけん座の南には、かみのけ座が、さらにはおとめ座があり、M106もかみのけ座銀河団・おとめ座銀河団に繋がっているのでは、と思います。5月には、かみのけ座やおとめ座周辺の系外銀河団を撮影してみます。

 という訳で、曇り空なので、裏庭のアナグマたちを観察してきます、です。追伸……数日前から、ビールは冷やして飲むことにしましたが、当分は2時間前に冷蔵庫から出して常温で温めて飲むことにしています。先日このことを友人に話したところ、エーエー、さらにエー……なんて言われましたが、何が、エーエーなのか全く分かりませんでした。

データ/ビクセンSX2・ES102ED屈折・EOSKissX8i・ISO3200・60秒・20コマ合成・2021年4月6日22時頃

 

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2021年4月22日 (木)

月面✕

 7-x 写真は、三日前4月19日の20時20分頃の月面です。前回は2月でしたが、時刻が少し遅かったので、上手く英文字✕になっていませんでした。今回は、1時間以上遅かった方が良かったのかも、です。画面下の矢印が、月面✕ですが、何とかそれらしく見えるような気もします。月齢は、正午でいうと7.0、夜8時頃では7.3ぐらいかなという感じです。月齢というのも、結構適当な感じです。同じ夜でも時間によって少しずれるので、正確な月齢を知るには計算しなければなりません。それでも、月の日の出や日の入りは、スピードが地球の30分の1なので、30分程ならずれても、月面にそれほどの変化はないのではと思いますが……研究者の人は別ですが……。

 ところで、写真最上部の矢印は、月面Ⅴです……??……。この英文字Vも、もう3時間ほど後の方が良かった感じです。夜の間ずーっと月面を眺めているわけではないので、実際のところは分かりませんが……。このV字は、月面の「蒸気の海」のいちばん南側の境界当たりのようです。ただし、一ヵ所、渓谷が途切れているところがあるようで、かすれた英文字Vになるかも、です。まあ、そういう訳で、ただただ月面を眺めるよりは、少しは目的があって探す方が楽しいような気もします。夢中になり過ぎると、一度だけの私的な経験でしたが、異様なものを見る怖さがあって要注意です。宇宙は怖い、という気持ちも少しはあるので、逆に好奇心をそそるのでしょう。

 まあそういう訳で、月面は眺めるのに最適な対象物です。双眼鏡や望遠鏡で簡単に眺めることが出来るし、おまけに毎日姿が変わるので、その変化を楽しむことが出来ます。30日もある月の一日を、もう少し眺めてみます。

 今夜も月が出ていますが、月齢10に近い月が天頂近くに昇っています。今夜は4月こと座流星群の極大ですが、月が明るすぎて見えにくいのでは、と思いますが……どうなんでしょか……。という訳で、裏庭に出て、ちょっと月見の散歩をしてきます。2,3日前から、ヌエが鳴き始めました。3週間ほど、ヌエの初鳴きが早かったような気がします。ヌエというのは、横溝正史原作の『悪霊島』に出てくる「ヌエの鳴く夜は恐ろしい」という、あのヌエです。昼間なら別に怖くはないのでしょうが、夜鳴かれると、結構怖い響きです。死にかけた老婆が最期に喉から絞り出す声だと言われていますが……。

データ/ビクセンGP2・セレストロンC8・専用レデューサー使用・EOSKissX8i・ISO1600・1000分の1・2021年4月19日20時20分頃

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2021年4月15日 (木)

かに座とプレセペ星団

Blog_20210415191301  このところ、暖かい日が続いていて、野生動物がより活発に活動しているような感じがします。つい最近、暗くなった頃に部屋の前をキツネが通っていきました。こちらをちらっと見て、のんびり・ゆうゆうと歩いていきました。近くの公園で、キツネは何回か見かけたことがあります。犬のような体つきですが、耳がやや大きく、尻尾が体に比べて少し太く長めです。大人のキツネは、尻尾の先が白っぽいのでは、と思います。キツネだけではなく、明るい昼間、イタチやタヌキ、アナグマたちが頻繁に姿を見せます。ちょっとした野生動物公園のような気もします。薩摩半島の田舎は、どこもこんな感じなのでしょうか……。

 ところで、写真は、かに座の全景です。中央の四角形がかにの甲羅の部分でしょうか。この甲羅の中にある星の集団がプレセペ星団と呼ばれている散開星団M44です。くっきりと晴れた夜には、4個の星も見え、プレセペ星団も雲のようにぼーっと見えます。この甲羅から3本の手か足かは分かりませんが、周りに延びています。かに座で一番明るい星は、β星で、明るさは3.5等級です。その他の星は4等星以下なので、すぐに見つけることは少々難しいのでは、と思います。こういう時は、やっぱり双眼鏡ですね。7,8倍の双眼鏡で眺めると、星々が視野いっぱいに散らばっている様子が、とてもよく分かります。生(なま)の星の光を眺めるので、臨場感は特別です。さらに、瞬きを眺められれば、リアルそのものです。

 このかに座には、もう一つのメシエ番号のついた星団があります。写真左下のα星のすぐ右(西側)隣の6等星の、その隣にある暗い光の、メシエカタログに乗っているM67です。これも散開星団ですが、プレセペ星団と比べると、地球からの距離が5倍ほど遠いので、まあ、こんな感じでしょうか……。これは、望遠鏡で眺めるしかありません。春は、全体的に地味で暗い星座が多く、探したり、眺めるたりするのに苦労します。それでも、それぞれ特徴があり、個性豊かな星座もたくさんあります。おまけに、天の川銀河に邪魔されず暗いので、遥かな遠くの宇宙が見えるという素晴らしい利点もあります。この春は、遠い銀河を眺めてみます。

 という訳で、今夜もYEBISUビールで乾杯しまーす。まだまだ常温のままで飲んでいるのですが、以前とても親しい人から、えーえー、えーえー……なんて言われました。夏でなければ常温なんですが、みなさん真冬でも冷えたビールだそうですね。えーえーと、こちらが言いたいです……。どちらが正解なんでしょうか?……。

データ/ケンコースカイメモS・タムロン45ミリ・F1.8・EOSKissX8i・ISO1600・f3.5・25秒・ソフトフィルター使用・2021年3月3日20時50分

 

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2021年4月 8日 (木)

うみへび座

Blog_20210408195101   うみへび座は全天一の大きな星座で、頭部が昇って来てから尻尾の先が昇りきるまで、およそ6時間ほどかかります。おまけに明るい星がないので、探すのにとても苦労します。頭は、春の星座のかに座の南側、尻尾の先は 夏の星座のてんびん座の近くです。どれほど細長いかがよく分かります。頭部近くの星は、暗い3等星4等星が3つ4つありますが、この星々が見えれば、大体の位置が分かります。薩摩半島は、夜空が暗いので何とか見つけることが出来ます。ただし、明るい市街地では少々難しい感じでは、と思います。それにしても、この口を開いている様子を、上手く蛇に結び付けたものだと、感心しています。

 写真が、うみへび座の頭の部分です。この海蛇は、ギリシャ神話に登場するギリシャのアルゴス地方の沼に住む怪獣ヒュドラだそうです。このヒュドラは、9つの首を持ち、ひとつは不死身で、他の首は切られてもまた生えてくるという、恐ろしい化け物のようです。これを退治したのが勇者ヘルクレスで、彼の12の冒険・試練のひとつになっています。その退治の仕方も、ギリシャ神話に書かれていますが、読むのが大変なので、今は「マンガでわかるギリシャ神話」(誠文堂新光社)を参考にしています。この本はマンガですが、ギリシャ神話がとても分かりやすく説明されていて、ギリシャ神話が楽しめる、そんな感じの本です。

 ところで、やっと春の星座と星々の始まりです。冬のダイヤモンドは西空で健在ですが、東の空から次々と春の星座が昇ってきました。春の大曲線も、眺めやすくなりました。しし座も夜10時頃には天頂近くに昇っています。春は、何と言っても、しし座とおおぐま座が目立ちます。春の夜空は、天の川銀河から一番遠いので少々暗い感じもします。しかし、遠くの系外銀河がいちばん良く見える季節かも、です。おとめ座銀河団やかみのけ座銀河団など、たくさんの系外銀河を見ることが出来ます。それも、楽しみのひとつです。

 今夜は、もう数時間もすればすっきり晴れるような気がします。後で、暗い夜空をのんびり眺めてきます。という訳で、小休止します、です。

データ/ケンコースカイメモS・タムロン45ミリF1.8・EOSKissX8i・ソフトフィルター使用・ISO1600・30秒・2021年3月3日21時

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2021年4月 1日 (木)

おおいぬ座のカモメ星雲

Ic2177blog  2月に撮影した散光星雲がひとつ残っていたので、その画像をUPします。おおいぬ座といっかくじゅう座の境界付近なのですが、まあ、おおいぬ座の散光星雲と書いておきます。カモメ星雲というのはアメリカ風で、日本ではわし星雲というのが一般的だそうです。まあ、愛称だから、どちらでもいいのですが……画像で見る限り、少々怖そうな感じなので、わしの方がいいのかも、です。怖そうな感じというのは、口が開いている風に見える……それだけですが……。

 ところで、このカモメ星雲はIC2177というカタログ番号が付いているのですが、頭の部分はまた違ったNGC2327という別のカタログ番号が付いているそうです。詳しいことは、よく分かりませんが……。この星雲を撮影した夜はとても良い天気で、おおいぬ座の散開星団41が肉眼ではっきり見えた夜でした。シーイングは5段階の5で、最高レベルのようでした。明るいシルウスから星々を辿っていくと、割と楽に行きつきます。そしてワンカット試し撮りして、星図を見ながら、微調整を何回か繰り返して準備完了です。

 この日使った赤道儀は、ビクセンのGP2でした。もうすっかり昔の機械で、中古品で探すのも今は大変なようです。このGP2ですが、9年前に星見を始めた時に購入した中古の品でした。ウエイト軸表面はサビ付いていて、ウエイトがなかなか上下移動してくれなくて、苦労しています。いろいろ手を加えながら、いまだに使っています。自動導入なんて付いていないし、一軸使用だけで使っています。ところがこのGP2赤道儀は、ウエイトの位置をきちんと調整すると、追尾を非常に正確にやってくれます。ウエイトの調整は、デジカメの液晶画面を10倍拡大して、星の移動がほとんどなくなる状態まで追い込んでいます。そうすると、5,6分まで露光時間を延ばすことが出来ます。時には、それがとても大変なので、最近は感度を3200程度に上げて、撮影しています……少々サボっていますが……。まあ、現在いちばん役に立っている赤道儀です。

 このカモメ星雲は冬の天の川の中なので、周辺は星が結構密集しています。写真上方にはM50、左下にはNGC2345という散開星団も確認できます。カモメの羽根部分にも、散開星団らしき星の集団も見えます。この冬の天の川を南東方向にたどれば、南十字星やケンタウルス座に向かいます。さらに、さそり座やいて座の天の川のいちばん明るい部分に行きつきます。日本からは見えないのですが、南天の素晴らしい星空があるのでしょう……一度は見たいのですが……。

 という訳で、南天の賑やかな星空を想像しながら、常温のYEBISUビールでひとり乾杯しまーす。

データ/ビクセンGP2・ボーグ55FL・専用レデューサー使用・EOS60D(改造)・ISO3200・90秒・20コマ合成・2021年2月9日21時40分頃  

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