おおいぬ座のカモメ星雲
2月に撮影した散光星雲がひとつ残っていたので、その画像をUPします。おおいぬ座といっかくじゅう座の境界付近なのですが、まあ、おおいぬ座の散光星雲と書いておきます。カモメ星雲というのはアメリカ風で、日本ではわし星雲というのが一般的だそうです。まあ、愛称だから、どちらでもいいのですが……画像で見る限り、少々怖そうな感じなので、わしの方がいいのかも、です。怖そうな感じというのは、口が開いている風に見える……それだけですが……。
ところで、このカモメ星雲はIC2177というカタログ番号が付いているのですが、頭の部分はまた違ったNGC2327という別のカタログ番号が付いているそうです。詳しいことは、よく分かりませんが……。この星雲を撮影した夜はとても良い天気で、おおいぬ座の散開星団41が肉眼ではっきり見えた夜でした。シーイングは5段階の5で、最高レベルのようでした。明るいシルウスから星々を辿っていくと、割と楽に行きつきます。そしてワンカット試し撮りして、星図を見ながら、微調整を何回か繰り返して準備完了です。
この日使った赤道儀は、ビクセンのGP2でした。もうすっかり昔の機械で、中古品で探すのも今は大変なようです。このGP2ですが、9年前に星見を始めた時に購入した中古の品でした。ウエイト軸表面はサビ付いていて、ウエイトがなかなか上下移動してくれなくて、苦労しています。いろいろ手を加えながら、いまだに使っています。自動導入なんて付いていないし、一軸使用だけで使っています。ところがこのGP2赤道儀は、ウエイトの位置をきちんと調整すると、追尾を非常に正確にやってくれます。ウエイトの調整は、デジカメの液晶画面を10倍拡大して、星の移動がほとんどなくなる状態まで追い込んでいます。そうすると、5,6分まで露光時間を延ばすことが出来ます。時には、それがとても大変なので、最近は感度を3200程度に上げて、撮影しています……少々サボっていますが……。まあ、現在いちばん役に立っている赤道儀です。
このカモメ星雲は冬の天の川の中なので、周辺は星が結構密集しています。写真上方にはM50、左下にはNGC2345という散開星団も確認できます。カモメの羽根部分にも、散開星団らしき星の集団も見えます。この冬の天の川を南東方向にたどれば、南十字星やケンタウルス座に向かいます。さらに、さそり座やいて座の天の川のいちばん明るい部分に行きつきます。日本からは見えないのですが、南天の素晴らしい星空があるのでしょう……一度は見たいのですが……。
という訳で、南天の賑やかな星空を想像しながら、常温のYEBISUビールでひとり乾杯しまーす。
データ/ビクセンGP2・ボーグ55FL・専用レデューサー使用・EOS60D(改造)・ISO3200・90秒・20コマ合成・2021年2月9日21時40分頃
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