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2021年5月の4件の記事

2021年5月27日 (木)

しし座

Blog_20210527190601  写真は、トレミーの48星座のひとつで、かに座とうみへび座に続いて昇ってくる春の代表的な星座しし座です。しし座は古代からとても有名で、へルクレスに退治された人食いライオンをイメージしています。5月下旬の夜10時頃には、すっかり西の空に傾いてしまいます。晴れた夜には、ライオンの頭や前足、後ろ足やお尻のあたりの形に、星が並んでいるのがよく分かります。星座の形を示す星座線は、全く決まりがないので、勝手に結んで自分だけの星座をつくることもできます。でも、やはりこの結び方がいちばん似合うし、最もそれらしく見えるようです。星座線の引き方は、日本、アメリカ、あるいはヨーロッパなどで、少しだけ違うようです。日本でも、出版社や天文書によっても、若干違いがあります。そんな訳で、星座線を引くときは、自分の好みの星座線を選んでいます……適当ですが。

 ところで、しし座には1等星レグルスがあります。レグルスは、ちょうどライオンの胸というか、心臓当たりなのでしょうか……うまい具合にそこにあったんですね。2等星デネボラは、ライオンの尻尾のあたりです。固有名のデネボラというのは、アラビア語で尻尾を意味するそうです。このデネボラは、うしかい座の1等星アルクトゥールスとおとめ座の1等星スピカと共に、春の大三角形をつくっています。この三角形は、正三角形に近く、明るい星が少ない夜空では結構目立ちます。この大三角形が天頂付近に昇ると、東の空から天の川が昇ってきます。

 今年は、どういう訳か梅雨入りが1カ月近くも早くなりました。予想通り、昨夜の皆既月食も、雨降りで何もなしでした。本当は5月の今頃は春の星座がとてもよく見えるのですが……。今年は特別で、5月になってから、澄み切った星空を眺めたことがまだ一度もありません。湿度80%以上のジメジメの毎日です。雨のち曇りのち雨……なんていう天候の中、先週に続いて、またまたレンズ1本にカビ発生です。それも、優秀なレンズ、バリオ・ゾナーでした。という訳で、スーパーで〈なんでも除湿・シリカゲル〉なんていうのを大量に買ってきました。本当に効果があるのかどうかは、分かりませんが……。

 という訳で、よく分からない雑用に追われています。ささやかな楽しみですが、のんびり星空を眺めてみたいものです。という訳で、コーヒーブレイクでーす。

データ/ケンコースカイメモS・トキナー11~20ミリF2.8・EOSKissX8i・ISO1600・20ミリf5.6・30秒・ソフトフィルター使用・2021年4月8日20時40分

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2021年5月20日 (木)

かみのけ座のM53

M53blog  薩摩半島は梅雨入りして10日程たちましたが、毎日雨くもり雨という状態で、梅雨らしい梅雨になりました。4月後半から、こういう湿気の多い状態が続いていたので、心配だったのは、レンズに発生するカビです。……と思って調べてみると、予想通りソニーα用のズームレンズにカビが発生していました。まだ目立たない程度なのですが、分解しないと処理できない場所なので、ほとんど諦めかけています。こちらに引っ越してきて、もう5,6本のレンズにカビが発生したのでは、と思います。それなりに、カビ防止には気を付けているのですが、またしても敗北です。まあ、少しのカビならば、使えるようですが……なんて、言い訳しています。

 ところで、写真は、かみのけ座の球状星団M53です。かみのけ座のα星の隣なのですが、このα星は5等星に近い暗い星です。肉眼では、場所を特定するのは少々無理でした。前回の撮影は、ビクセンのGP2赤道儀で何とか探せたのですが、時間の関係で、今回は自動導入を使いました。さすがに自動導入は便利で、一発でOKでした。結構トリミングしていますが、球状星団の感じは少しは出ているのでは、と思います。双眼鏡で眺めても、このM53は、ぼやーっとした感じの恒星に見えます。明るさは8等級で、とても暗い輝きです。地球からの距離が60000光年程なので、天の川銀河周辺部の遥か彼方にある球状星団のようです。中心部付近の星の密集度は高いようですが、この写真からはそれ以上のことは分かりません。星の数が何十万個か何百万個か分かりませんが、こんなに球状に密集していたら、その星々の惑星系はどんな風になっているのだろうか……そんなことを眺めるたびに思います。宇宙の神秘、そのものです。不思議で仕方ありません。

 このかみのけ座には、かみのけ座銀河団という系外銀河がたくさんあります。メロッテ111という青白く美しい散開星団もあります。今年はまだ、撮影も見ることも出来ていません。ほとんど1ヶ月近く、まともに星空を眺めていません。来週の26日は、珍しく皆既月食なのですが、それもなかなか難しいのでは……そんな感じもします。まあ、天気のことだからどうしようもありませんが、気長に、のんびり待つことにします。

 また、雨が降ってきました。部屋の中は、水蒸気が飽和に近づいているような状態です。という訳で、コーヒータイムにします、です。

データ/ビクセンSX2・ビクセンED70SS・EOSKissX8i・ISO1600・90秒・2021年4月11日22時20分

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2021年5月13日 (木)

夜21時過ぎの青空

Blog_20210513192201  写真は、いつも星空を眺めている我が家の裏庭です。先月4月26日の夜、月齢14.0の月が東の空やや高く昇っていました。以前撮影したこともある夜の青空に挑戦しました。と言っても、10分間ほど撮影しただけでしたが、予想通りの澄み切ったきれいな青空になりました。ちょうど真正面が北方向で、北極星も見えています。もう少し空が入っていたら北斗七星も見えているはずです。画面左方向が北西方向ですが、ちょうど沈みかけたぎょしゃ座の1等星カペラも写っています。冬の星座のふたご座やこいぬ座、さらにはペテルギウスも西の空に見えていました。さすが明るい1等星カペラです。ソフトフィルターなしですが、結構はっきり写っています。北極星の左には、きりん座も写っているのでしょうが、4等星以下の暗い星ばかりなので、拡大しないと見えてこないのでは、と思います。

 それにしても、とてもクリヤーな青空です。月もくっきりしていたので、薩摩半島では珍しく水蒸気の少ない夜だったのでしょう。左手の小山の向こうには、東シナ海があります。次回は、東シナ海の夜の青空を撮ってみます……いつになるのか分かりませんが。

 この我が家の裏庭は、夜は暗黒に近い闇です。ソーラーライトが明るく光っていますが、本当は頼りない夜の明かりです。裏庭は、広さ400平方メートルほどあり、オートキャンプなら4,5組ぐらいは可能かな、と思います。手前にある水道の蛇口は、水道ではなく、井戸水の蛇口です……都市部ではほとんど見かけませんが……。ただ、この庭でひとりテントなら、夜の闇の怖さを少々感じます。それは、今では人間が忘れてしまった遥かな昔の野生の怖さかな……という感じもします。夜には、タヌキやキツネ、アナグマやイタチ、時にはイノシシの活動の場になっています。周辺一帯がほとんど無人という訳ではないのですが、裏庭に近い西に2軒、東に3軒は無人の廃屋になっています。人間がいないというのも、時には寂しいもので……いろいろ考えてしまいます。過疎化が進行する薩摩半島の片田舎は、どこもこういう状態かも知れません。

 という訳で、ちょっと休憩。2日前に梅雨入りした薩摩半島なので(?)、今夜から少しだけ冷たいYEBISUビールにします。

データ/トキナー11~20ミリF2.8・EOSKissX8i・ISO1600・f5.6・13秒・3コマ合成・2021年4月26日21時40分

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2021年5月 6日 (木)

からす座とコップ座

Blog_20210506185701  春の星空でいちばん目立つのは北斗七星としし座ですが、そのしし座の少し南側にあるのが、からす座とコップ座です。どちらの星座も、これが最初の撮影でした。からす座は、4個の3等星を結んだだけの四角形です。どう考えてもカラスの形ではありませんが、低空の南の空では目立つ四角形です。ちょうど今頃(5月上旬の頃)の21時頃に南中します。この周辺には明るい星がほとんどないので、分かりやすい小さな四角形で、探すのもとても楽です。3等星と言っても、結構明るい3等星のような気もします。このカラスは、ギリシャ神話に登場する太陽神アポロンの召使だったようで、美しい銀色の羽目をもち、人間の言葉を話すことが出来たそうです。そうです……が、おしゃべりが過ぎたのか、いたずらが過ぎたのか、やがてアポロンの怒りを買って殺されてしまいます。羽根も黒く塗られて天にピン留めされたのが今の姿だそうです。4個の星が、ピンなんでしょうか……。本当は、海蛇の身体に止まっているのでしょうが、カラスの形は見えません。

 隣のコップ座も、太陽神アポロンが使っていた盃という設定ですが、他にもいろいろな説があって確かなことは分かりません。このコップ座をつくる星々は、4等星以下の暗い星ばかりなので、星座の位置を探すのも大変です。実際に、少しだけ時間をかけて探したのですが、肉眼では確認することはできませんでした。コップ座も海蛇の身体に乗っかっているようです。それにしても、コップ座の暗い星がよく見えたものです。さらに、コップの形になるようにうまく結んだものだと、いつものことですが感心しています。暗い4等星や、さらに5等星や6等星まで見えたとすれば、視力1.0の人から見ると、星空に見える星々の数は100倍ほど増えるかも知れません。空の透明度も良かったことを考えれば、星が降るような星空だったんでしょうねえ……。

 ところで、からす座もコップ座もあまり話題にならないようですが、ただ、このからす座から真南へ40度ほど行くと、ちょうど南十字星があります。薩摩半島の枕崎からは、南十字星のγ星が見えるということでした。一度確かめたいと思っているのですが……。

 という訳で、曇り空の今夜は、〈香る〉エールで乾杯しまーす。

データ/ケンコースカイメモS・トキナー11~20ミリF2.8・EOSKissX8i・ISO1600・40秒・ソフトフィルター使用・2021年4月8日21時50分

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