からす座とコップ座
春の星空でいちばん目立つのは北斗七星としし座ですが、そのしし座の少し南側にあるのが、からす座とコップ座です。どちらの星座も、これが最初の撮影でした。からす座は、4個の3等星を結んだだけの四角形です。どう考えてもカラスの形ではありませんが、低空の南の空では目立つ四角形です。ちょうど今頃(5月上旬の頃)の21時頃に南中します。この周辺には明るい星がほとんどないので、分かりやすい小さな四角形で、探すのもとても楽です。3等星と言っても、結構明るい3等星のような気もします。このカラスは、ギリシャ神話に登場する太陽神アポロンの召使だったようで、美しい銀色の羽目をもち、人間の言葉を話すことが出来たそうです。そうです……が、おしゃべりが過ぎたのか、いたずらが過ぎたのか、やがてアポロンの怒りを買って殺されてしまいます。羽根も黒く塗られて天にピン留めされたのが今の姿だそうです。4個の星が、ピンなんでしょうか……。本当は、海蛇の身体に止まっているのでしょうが、カラスの形は見えません。
隣のコップ座も、太陽神アポロンが使っていた盃という設定ですが、他にもいろいろな説があって確かなことは分かりません。このコップ座をつくる星々は、4等星以下の暗い星ばかりなので、星座の位置を探すのも大変です。実際に、少しだけ時間をかけて探したのですが、肉眼では確認することはできませんでした。コップ座も海蛇の身体に乗っかっているようです。それにしても、コップ座の暗い星がよく見えたものです。さらに、コップの形になるようにうまく結んだものだと、いつものことですが感心しています。暗い4等星や、さらに5等星や6等星まで見えたとすれば、視力1.0の人から見ると、星空に見える星々の数は100倍ほど増えるかも知れません。空の透明度も良かったことを考えれば、星が降るような星空だったんでしょうねえ……。
ところで、からす座もコップ座もあまり話題にならないようですが、ただ、このからす座から真南へ40度ほど行くと、ちょうど南十字星があります。薩摩半島の枕崎からは、南十字星のγ星が見えるということでした。一度確かめたいと思っているのですが……。
という訳で、曇り空の今夜は、〈香る〉エールで乾杯しまーす。
データ/ケンコースカイメモS・トキナー11~20ミリF2.8・EOSKissX8i・ISO1600・40秒・ソフトフィルター使用・2021年4月8日21時50分
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