うしかい座とかんむり座
うしかい座とその隣のかんむり座は、7月上旬の今頃、天頂付近に昇ります。うしかい座は春の星座で、かんむり座は夏の星座になっています。共に、トレミーの48星座に入っています。この周辺部で目立つのは、何と言っても、うしかい座のα星アルクトゥールスです。春の星空では一番明るく、夏の星々が昇ってきている今の頃でも、さそり座のアンタレスやこと座のベガよりも明るい恒星です。全天で4番目か5番目に明るい恒星だと思いますが……。このアルクトゥールスは毎年お世話になっている星なのですが、今年はほとんど眺めることがありませんでした。いつもなら星空観望や撮影のための、ピント合わせに使わせてもらっている大切な星です。でも今年は、早々と梅雨入りしたため、ピント合わせをする機会もほとんどナシでした。そのうしかい座も夜10時ごろには、子午線を越えて西の空に傾き始めます。
写真が、うしかい座の全景です。星座線も書いていますが、暗い星が多いので、ここまで星座の形ははっきりと確認できません。北斗七星の柄の並びから、アルクトゥールスを通り、おとめ座のスピカまで伸びる曲線を、春の大曲線と呼びます。その大曲線を支えているのが、このうしかい座のアルクトゥールスでしょうか……。ギリシャ神話によれば、アルクトゥールスという言葉には、クマの番人という意味もあるそうです。そう言えば、西側に連れている猟犬で、北の空の大熊(おおぐま座)を監視している感じもします。長い時代の中で、上手くつくられた物語なのでしょう。なるほど……なるほどと感心しています。
このうしかい座の東隣にある小さな星座が、かんむり座です。かんむり座もトレミーの48星座のひとつです。このかんむり座から東側が、夏の星座ということになっています。かんむり座の隣にはヘルクレス座、その東隣がこと座です。7月の上旬の9時ごろには、夏の星座すべてが昇ってきています。夏の星空には、いて座の南隣りに、みなみのかんむり座という星座もあります。間違いやすいので、かんむり座を北のかんむり座と呼ぶときもあるようです。かんむり座は、2等星がひとつだけ目立つのですが、くっきり晴れた夜には、かんむりの形に3,4個の星が、きれいに円弧を描いているように見えます。日本では、かんむり座のことを太鼓星と呼んでいたそうです。このかんむり座も、ギリシャ神話にその由来があるのでしょうが、詳しいことはまた調べておきます。
うしかい座もかんむり座も、のんびり眺めるには、どう考えても寝転んでみるしかありません。夏キャンプ向きの星座でしょうか……。できることなら、この夏に裏庭で眺めたいのですが、暑さと湿度と天気の条件が揃えばの話ですが……。早く、すっきりした夏空を眺めてみたいものです。という訳で、小休止して、雲間の星を眺めてきます。
データ/ケンコースカイメモS・トキナー11~20ミリF2.8・EOSKissX8i・ISO1600・f5.6・40秒・ソフトフィルター使用・2021年4月19日10時20分頃
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