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2021年8月の4件の記事

2021年8月26日 (木)

りゅう座

Blog_20210826190201  私事ですが、昨日新しいノートパソコンを買いました。8年ほど使っていたノートPCがWindows8.1で、2,3日前から、強制終了も出来なくなってしまいましたので、仕方なく買い替えでした。電気店で、性能と値段を考えると、まあこのPCかな、というのを見つけました。電源が入っていなかったので、お店の人に電源を入れるように頼んだところ、電源を入れると、所有者の個人認証画面になるので、入れられません、と言われました。そういうことか……確かにリカバリー済、展示品、現品限りと書いてありました。まあ、仕方ないか、という思いで購入しました。定価は20万円以上でしたが、購入価格は4割引きでした。レジカウンターで、店員の人が丁寧にホコリを払い、本体をきれいに掃除しているのが、何故かとても印象的でした。

 ノートPC も時の流れで、どんどん変わっていくんですね。新しいノートPC で驚いたのが、先ず外部インターフェイスで、(昔から使い慣れていた)USB-Aタイプの挿入口が1か所しかありません。他はほとんどUSB-Cタイプです。次が重さとバッテリー駆動時間です。13.3インチですが、重さは900グラムほどで、駆動時間は20時間余りです。これにはとても驚きました。これならば、夜に外に持ち出すのがとても楽になるかも、というのが最初の希望でした。まあ、そういう訳で、世の中の進歩も時にはとてもいいこともある、というのが感想です。

 話は変わりますが、写真は北の空。北極星の上というか、南方向に、りゅう座があります。2等星が1つだけで、他は暗い星ばかりで、肉眼では、星座の形は全く見当もつきません。夏の星座で、トレミーの48星座のひとつです。こんなに暗い星が、よく見えたものです。おまけに竜の形に星々をつなげて、星座にしています。ちょうどこぐま座を取り囲むような形です。ギリシャ神話では、百の頭をもつ竜ラドンだと言われています。この竜も、勇者ヘルクレスに殺されてしまったのでしたか……。

 ところで、このりゅう座には、毎年1月に極大を迎えるしぶんぎ座流星群の放射点があることで有名です。しぶんぎ座流星群のことを、りゅう座流星群と呼ぶこともあるようです。しぶんぎ座というのは、100年ほど前になくなってしまって、今はありません。それにしても、暗い星座で、晴れた夜でも、りゅう座の全体像を見ることは出来ません。肉眼で見える星は、たった1つだけですが、実際は、6等星より明るい星が、150個以上もあるそうで、昔の人はそれらの星が全部見えたのでしょう。何と明るい北の空だったことか……想像も出来ません。

 今夜も曇り空で、見えるのは南東の空に昇っている木星だけかも、です。この3週間は、ほとんど星空を眺めていません。晴れた星空を、のんびり待つことにします。という訳で、小休止して、裏庭散歩でーす。

データ/ケンコースカイメモS・トキナー11~20ミリ・F2.8・EOSKissX8i・f4.5・30秒・ソフトフィルター使用・2021年7月26日21時

 

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2021年8月19日 (木)

へびつかい座の双子の球状星団 M10とM12

M10-m12blog  写真は、へびつかい座にある球状星団M10とM12です。へびつかい座は、さそり座のすぐ北側にあります。天の川をかすめていますが、特別に目立つ星の並びがないので、星座の形を探すには、とても苦労します。さそり座がとても目立つので、夏の星座としては、脇役かも、です。へびつかい座の、へびつかいオジサンのお腹のあたりにあるのが、この二つの球状星団です。 

 写真左下(南東側)がM10で、右上(西北側)がM12です。長方形視野の対角線が8度ほどなので、今使っている日の出光学製のヒノデ6×30という双眼鏡で眺めた感じになっています。双眼鏡で眺めると、写真のようにクリヤーではないのですが、球状星団がぼんやりとした雲のような光に見えます。双眼鏡では、星々が分離したようには見えませんが、写真では、周辺部がわずかに分離しているように見えます。双眼鏡の方がやはり臨場感がありますが、写真は写真で、球状星団の様子が分かります。撮影したレンズは、ボーグの55FLです。APS-Cに換算すると、300ミリほどです。この感じだと、それぞれを拡大しようと思えば、どうしても800ミリ以上が必要な感じです。

 ところで、この二つの球状星団は、大きさ、明るさがとても似ていて、双子のように見えます。地球からの距離も、M10が14000光年で、M12が16000光年程です。おまけにM10とM12の距離が、3500光年程ととても近いので、同じ町内会同士というイメージです。やはり双子かも……です。そうなると、二つの球状星団ができたのも、同じ時期で、同じ過程でできたような……想像ですが、そんな考え方も出来ます。もちろん、二つとも我が銀河系内の星団なので、太陽系にも少しは影響を与えたのかも知れません。

 6、7倍の双眼鏡で眺めて、球状星団が二つ同じ視野に入るというのも、とても珍しいのでは、と思います。他にそういう経験がないので分かりませんが、多分へびつかい座のこの双子だけかも知れません。その意味では、双眼鏡で楽しめる、とても素敵で貴重な光景でしょうか……。このM10もM12もシャルル・メシエの発見ですが、それが何と1764年の発見というから、最後に驚いてしまいます。1764年と言えば、日本では明治維新からさらに100年も前ということです。そんな時代に、望遠鏡で星団を眺めて、天空の座標を記録していたというのが……とても凄いことです。ヨーロッパがどんなに先進国だったか、というのが想像できますが、同時に強烈な驚きです。

 という訳で、麦茶で小休止しますが、麦茶の次は、YEBISUビールなんですね、いつも。

データ/ケンコースカイメモS・ボーグ55FL・EOSKissX8i・ISO1600・55秒・2021年7月28日21時

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2021年8月12日 (木)

夏の大三角

Blog_20210812185101  先週は4日連続で晴天が続き、素晴らしい夜空を楽しめました。が……、8日日曜日に、台風9号が枕崎に上陸してから、天候が一変しました。曇り空が2,3日続いた後、真夏の秋雨前線の登場です。曇りのち雨、雨のち雨なんていう真夏の梅雨になりました。西日本は至る所、大雨洪水警報だらけです。こんな天気がお盆の頃にあったような、なかったような、よく分からない異常気象です。新型コロナの感染拡大とのダブルパンチです。世界的な温暖化と異常気象で、この先の21世紀の地球はどうなるのか、何となく不気味です。

 ところで、夏の夜空と言えば、やはり天の川と夏の大三角でしょうか。お盆の頃、夜10時頃には、夏の大三角が天頂付近に昇ります。秋の星座カシオペヤ座も北東の空に昇り、そこから西空に傾きかけたさそり座方向に流れる天の川を、のんびりと眺めることが出来ます。その流れの中にある、夏の大三角はとても見ごたえがあります。写真は東向きに撮影した大三角です。こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブ、この3つの星でつくられる三角形は特別に目立つ存在です。中でも、ベガはとても明るい1等星なので、非常に目立ちます。写真でも確認できますが、ベガのすぐ南東側にある平行四辺形が見えます。南寄りの2つは3等星で、北よりの2つは4等星です。この平行四辺形を眺めると、その日の大気の状態が分かります。4個の星がくっきり見えるときは、大気の状態がとても良い、ということです。と同時に、自分の視力検査にも使っています。暗い4等星の2つが見えるときは、視力は1.0以上はあるということです。両目の適当な視力検査ですが、結構確からしいというのを、どこかで聞いたことがあります。

 はくちょう座だけ、星座線を引いています。白鳥が羽を広げて天の川を南に向かって飛んでいる姿です。はくちょう座はトレミーの48星座のひとつですが、上手いこと羽根を広げている姿に作り上げたものです。何百年という時間がかかったのでしょうが、人間の想像力のすごさに、いつも感心しています。α星はデネブで、アラビア語で鳥の尻尾を意味する言葉だそうです。β星のアルビレオは、白鳥の頭の先にあります。このアルビレオは、二重星として有名です。二重星と言いても、偶然同じ方向に見える見かけの二重星です。オレンジ色の3等星のすぐそばに青白い5等星の星がくっついています。昨年は、この二重星を撮影しました。さすがに小さな口径では確認できませんでした。8インチのシュミカセでの撮影でした。写真を眺めても、なかなか美しい光景です。この二重星をさらに有名にしたのが、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」です。〈……青宝玉(サファイアと黄玉(トパーズ)の大きなすきとおった球が、輪になってしずかにくるくるとまわっていました……〉。銀河鉄道というのは。天国(?)に向かう夜行列車が走る鉄道なんでしょうか……。本当は悲しい物語なのですが、何故か、悲しさを感じさせない物語になっています。この夏に、また「銀河鉄道の夜」を読んでみます。

 外は、生暖かい風が吹いています。また、雨が降りそうな感じです。秋雨が、いつまで続くのか分かりません。まだまだ天の川を楽しみたいのですが、どうなることか……。

 という訳で、曇り空を眺めながら、またまた独りで、YEBISUビールで乾杯します。

データ/ビクセンGP2ガイドパック・トキナー11~20ミリF2.8・EOS60Da・ISO1600・f4・30秒・2021年8月3日21時30分

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2021年8月 5日 (木)

ヘルクレス座のM13

Blog_20210805185301  私的なことですが、先週の7月30日は、星見を始めた記念日でした。もう9年も前のことですが、いまだにその記憶をかすかに覚えています。天体望遠鏡を買って、最初の観望(ファーストライト)で眺めたのが、ヘルクレス座の球状星団M13だったように思います。ファインダーと星図を頼りに、星々を辿り、やっとヘルクレス座の球状星団を見つけました。低倍率でしたが、とても感動的でした。その夜は、星々の海をあちこち彷徨いながら、星々の輝きを眺めるだけで、感動モノでした。

 写真が、その球状星団M13です。天体望遠鏡では、ここまでくっきり見えませんが、臨場感は100%です。このM13は、天の川から離れているので、密集した星々のコントラストは最高です。数十万個の恒星が密集していて、とても不思議な光景で、この世の不思議そのものです。大気の状態が良ければ、肉眼でも見えると言われていますが、薩摩半島の暗い夜空でも、いまだ見たことはありません。明るさが5.7等級ほどなので、肉眼では、少々無理のような気がします。今まで肉眼で見えた球状星団は、いて座のM22とケンタウルス座のオメガ星団だけです。8月の上旬の夜9時ごろには、天頂付近に昇るので、とてもくっきりなんでしょうが……。双眼鏡で眺めるのであれば、どうしても寝転んで眺めるしかありません。

 真夏の猛暑が続いていますが、東シナ海に近いこの薩摩半島も夏真っ盛りという感じです。それでも、夕方ごろには、わずかな涼風が吹くので、何とか我慢できています……。今夜も晴天です。全天、雲の気配がないので、夜は……快晴のち快晴のようです。20時を過ぎないと暗くならないので、少々時間待ちしています。このところ、晴天が続いていて、星見をするには、最適な天候です。夜空の透明感もとてもよく、気分はGOOです。しかし、時々突然雲が流れてくるので、要注意です。週末は台風が近づくので、曇り空かも、です。

 という訳で、裏庭で、星空散歩をしてきます。

データ/ビクセンSX2・ES102ED・EOSKissx8i・ISO1600・40秒・2021年7月26日21時50分

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