夏の大三角
先週は4日連続で晴天が続き、素晴らしい夜空を楽しめました。が……、8日日曜日に、台風9号が枕崎に上陸してから、天候が一変しました。曇り空が2,3日続いた後、真夏の秋雨前線の登場です。曇りのち雨、雨のち雨なんていう真夏の梅雨になりました。西日本は至る所、大雨洪水警報だらけです。こんな天気がお盆の頃にあったような、なかったような、よく分からない異常気象です。新型コロナの感染拡大とのダブルパンチです。世界的な温暖化と異常気象で、この先の21世紀の地球はどうなるのか、何となく不気味です。
ところで、夏の夜空と言えば、やはり天の川と夏の大三角でしょうか。お盆の頃、夜10時頃には、夏の大三角が天頂付近に昇ります。秋の星座カシオペヤ座も北東の空に昇り、そこから西空に傾きかけたさそり座方向に流れる天の川を、のんびりと眺めることが出来ます。その流れの中にある、夏の大三角はとても見ごたえがあります。写真は東向きに撮影した大三角です。こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブ、この3つの星でつくられる三角形は特別に目立つ存在です。中でも、ベガはとても明るい1等星なので、非常に目立ちます。写真でも確認できますが、ベガのすぐ南東側にある平行四辺形が見えます。南寄りの2つは3等星で、北よりの2つは4等星です。この平行四辺形を眺めると、その日の大気の状態が分かります。4個の星がくっきり見えるときは、大気の状態がとても良い、ということです。と同時に、自分の視力検査にも使っています。暗い4等星の2つが見えるときは、視力は1.0以上はあるということです。両目の適当な視力検査ですが、結構確からしいというのを、どこかで聞いたことがあります。
はくちょう座だけ、星座線を引いています。白鳥が羽を広げて天の川を南に向かって飛んでいる姿です。はくちょう座はトレミーの48星座のひとつですが、上手いこと羽根を広げている姿に作り上げたものです。何百年という時間がかかったのでしょうが、人間の想像力のすごさに、いつも感心しています。α星はデネブで、アラビア語で鳥の尻尾を意味する言葉だそうです。β星のアルビレオは、白鳥の頭の先にあります。このアルビレオは、二重星として有名です。二重星と言いても、偶然同じ方向に見える見かけの二重星です。オレンジ色の3等星のすぐそばに青白い5等星の星がくっついています。昨年は、この二重星を撮影しました。さすがに小さな口径では確認できませんでした。8インチのシュミカセでの撮影でした。写真を眺めても、なかなか美しい光景です。この二重星をさらに有名にしたのが、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」です。〈……青宝玉(サファイアと黄玉(トパーズ)の大きなすきとおった球が、輪になってしずかにくるくるとまわっていました……〉。銀河鉄道というのは。天国(?)に向かう夜行列車が走る鉄道なんでしょうか……。本当は悲しい物語なのですが、何故か、悲しさを感じさせない物語になっています。この夏に、また「銀河鉄道の夜」を読んでみます。
外は、生暖かい風が吹いています。また、雨が降りそうな感じです。秋雨が、いつまで続くのか分かりません。まだまだ天の川を楽しみたいのですが、どうなることか……。
という訳で、曇り空を眺めながら、またまた独りで、YEBISUビールで乾杯します。
データ/ビクセンGP2ガイドパック・トキナー11~20ミリF2.8・EOS60Da・ISO1600・f4・30秒・2021年8月3日21時30分
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