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2021年8月19日 (木)

へびつかい座の双子の球状星団 M10とM12

M10-m12blog  写真は、へびつかい座にある球状星団M10とM12です。へびつかい座は、さそり座のすぐ北側にあります。天の川をかすめていますが、特別に目立つ星の並びがないので、星座の形を探すには、とても苦労します。さそり座がとても目立つので、夏の星座としては、脇役かも、です。へびつかい座の、へびつかいオジサンのお腹のあたりにあるのが、この二つの球状星団です。 

 写真左下(南東側)がM10で、右上(西北側)がM12です。長方形視野の対角線が8度ほどなので、今使っている日の出光学製のヒノデ6×30という双眼鏡で眺めた感じになっています。双眼鏡で眺めると、写真のようにクリヤーではないのですが、球状星団がぼんやりとした雲のような光に見えます。双眼鏡では、星々が分離したようには見えませんが、写真では、周辺部がわずかに分離しているように見えます。双眼鏡の方がやはり臨場感がありますが、写真は写真で、球状星団の様子が分かります。撮影したレンズは、ボーグの55FLです。APS-Cに換算すると、300ミリほどです。この感じだと、それぞれを拡大しようと思えば、どうしても800ミリ以上が必要な感じです。

 ところで、この二つの球状星団は、大きさ、明るさがとても似ていて、双子のように見えます。地球からの距離も、M10が14000光年で、M12が16000光年程です。おまけにM10とM12の距離が、3500光年程ととても近いので、同じ町内会同士というイメージです。やはり双子かも……です。そうなると、二つの球状星団ができたのも、同じ時期で、同じ過程でできたような……想像ですが、そんな考え方も出来ます。もちろん、二つとも我が銀河系内の星団なので、太陽系にも少しは影響を与えたのかも知れません。

 6、7倍の双眼鏡で眺めて、球状星団が二つ同じ視野に入るというのも、とても珍しいのでは、と思います。他にそういう経験がないので分かりませんが、多分へびつかい座のこの双子だけかも知れません。その意味では、双眼鏡で楽しめる、とても素敵で貴重な光景でしょうか……。このM10もM12もシャルル・メシエの発見ですが、それが何と1764年の発見というから、最後に驚いてしまいます。1764年と言えば、日本では明治維新からさらに100年も前ということです。そんな時代に、望遠鏡で星団を眺めて、天空の座標を記録していたというのが……とても凄いことです。ヨーロッパがどんなに先進国だったか、というのが想像できますが、同時に強烈な驚きです。

 という訳で、麦茶で小休止しますが、麦茶の次は、YEBISUビールなんですね、いつも。

データ/ケンコースカイメモS・ボーグ55FL・EOSKissX8i・ISO1600・55秒・2021年7月28日21時

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