« いて座の散光星雲 M8とM20 | トップページ | はくちょう座の北アメリカ星雲とペリカン星雲 »

2021年9月16日 (木)

わし座の暗黒星雲B142とB143

Blog_20210916192101  9月の中旬ですが、天の川はまだまだ天頂付近で、明るく輝いています。薩摩半島の西側では、西の空が最も暗くて、星見にはとても適しています。東の方向は、錦江湾周辺の街明かりが結構目立つので、空の暗さはイマイチです。という訳で、子午線を越えて、西側の東シナ海方向に傾きかけた星空を、最適としています。

 写真は、わし座の1等星アルタイルの近くにある暗黒星雲です。この撮影も、ちょうどアルタイルが子午線を越えて、西側に傾き始めた頃です。わし座は天の川の中にあるので、星々の海の中で輝いています。アルタイルの北西3,4度のところにある暗黒星雲です。上(北側)の方がB142、下(南側)がB143です。このBナンバーというのは、アメリカの天文学者バーナードがつくった天体カタログなので、Bナンバーになっているようです。ちなみに、バーナードカタログには、暗黒星雲などが、300個以上登録されています。暗黒星雲というのも、19世紀の頃には、星々の隙間から遠い暗黒の彼方が見える、といった意見が多かったようです。確かに、初めて眺めるとそんな感じもします、ですね……。何故か不思議で、隙間から遠くが見えているようにも見えます。その当時は、宇宙の覗き穴……なんていう人もいたそうです。しかし、それは星々がない隙間ではなく、星間ガスや塵があって、後ろの星の光を隠しているということが分かったようです。

 ところで、撮影の後、6倍の双眼鏡でこの周辺を眺めてみたのですが、この暗黒星雲は確認できませんでした。双眼鏡でも見えるらしいのですが、またの機会に覗いてみます。暗黒星雲で有名なオリオン座の馬頭星雲などは、何となくガスと塵の塊のように見えますが、このB142とB143などは、何も知識がなければ、やはり〈宇宙の覗き穴〉に見えてしまいます。そういう意味では、宇宙はとても不思議なもの……だったようです。今でも、不思議だらけ、ですが……。

 今夜は月が見えていて、快晴とは言いませんが、木星と土星も見えています。昨日も今日も雨と曇りの予報だったのですが、天気予報は全く当たらず、今日一日雨なしの晴れの天気でした。まあ、その内に雨も降るでしょうが……。

 という訳で、今夜はYEBISUビールを飲みながら、のんびり月でも眺めてみます。

データ/ケンコースカイメモS・ボーグFL55・EOS60D(改造)・ISO3200・20~30秒・トリミング・2021年9月9日21時50分

|

« いて座の散光星雲 M8とM20 | トップページ | はくちょう座の北アメリカ星雲とペリカン星雲 »

趣味」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« いて座の散光星雲 M8とM20 | トップページ | はくちょう座の北アメリカ星雲とペリカン星雲 »