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2021年11月の4件の記事

2021年11月24日 (水)

アンドロメダ星雲M31

M31blog_20211124133901  秋の星雲と言えば、アンドロメダ星雲M31でしょう。星雲といっても、M31は、系外銀河のひとつで、天の川銀河を二回りほど大きくした渦巻銀河です。アンドロメダ座が見える8月頃から3月頃まで眺めることが出来ます。満月を5,6個並べた大きさの、巨大な銀河です。何と言っても、肉眼で見ることが出来るので、とても貴重な系外銀河です。以前住んでいた神戸では、1等星しか見えない星空だったので、M31を眺めたことはありません。薩摩半島に引っ越してきてから、M31の雲のようなぼんやりとした光を眺めることが出来ました。特別に視力がいいという訳ではないので、はっきり見えるときは、空の状態がとても良いということでしょう。230万光年の彼方の光が見えるというのは、驚異的なことで、リアリティーというか、臨場感に興奮してしまいます。230万年前に出た光を見ていることで、宇宙の神秘的な姿に驚愕してしまいます。

 写真の上方が天の北極方向です。渦巻銀河の左斜め下から眺めている状態です。本当はもう少し淡い光の渦が外側に広がっているようですが、それを画像にするのがとても難しいですね。M31には、伴銀河が2個あります。右上に見える光が楕円銀河M110で、M31の下部の渦巻外部に重なって見える光が楕円銀河M32です。2個の伴銀河も結構な大きさなのですが、M31の巨大さに負けて、完全に脇役です。左隅に見える星は、アンドロメダ座のν(にゅー)星です。

 M31は毎年何回も撮影していますが、大気の状態が良くないと、なかなか上手くいきません。ちょうど11月後半から12月頃が天頂付近に昇るので、いちばん条件がいいような気がします。まだまだ撮影できそうですね。この撮影は、ビクセンのED400ミリの屈折鏡です。明るい光なので、カメラレンズでも撮れそうな気もします。

 この3、4日は薩摩半島にも寒気が流入して、雨が降り、肌寒い天気でした。冬らしさを感じさせるような寒さでしたが、明日からは少しは暖かくなりそうです。冬の方が水蒸気が少なくて、撮影には最適なので、またM31の撮影に挑戦してみます。

 という訳で、今夜の夜空がどうなるのか分かりませんが、いつものように撮影の準備だけはしておくつもりです。

 追伸 先週の19日の皆既に近い部分月食の撮影はうまくいきませんでした。月の出が遅く、なかなか雲が消えませんでした。高度が低すぎて撮影には、少々無理……。

データ/ビクセンAP・ED70SS・KissX8i・笠井マルチフラットナー・ISO3200・30コマ合成・2021年10月9日21時

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2021年11月18日 (木)

アンドロメダ座とペガスス座

Blog_20211118191101  秋(10月下旬の21時頃)の天頂付近の星座です。アンドロメダ座とペガスス座は肉眼でもよく見えるのですが、その周辺の星座はなかなか形を確認出来ません。秋の星空自体が暗いということもありますが、強烈に目立つ星座がないからでしょう。秋の1等星は、南の空の隅っこにある、みなみのうお座のフォーマルハウトだけです。このフォーマルハウトも1等星の中ではとても暗い星です。少し寂しい気もしますが、まあ仕方ないでしょう……。天頂付近に昇ったペガススの大四辺形は、秋の星空の象徴ですが、真上に来ると、眺めるのにとても苦労します。まともに眺めることは、とても大変です。寝転んで見るしかないのですが、秋が深まると、そんなことは出来そうにもありません……何か良い方法はないものでしょうか……いろいろ考えているのですが……。おまけに南を向いて眺めると、飛馬ペガススが逆立ちしている姿になります。それならば、北を向いて天頂付近を眺めればいいような気もしますが、そうなると、さらにノケゾルことになって、限界をはるかに超えてしまいます。まあ、そんなことを何年も考え続けています……。

 秋の星座の話なんですが、ペガスス座の周辺を調べると、結構賑やかな感じもします。隣のアンドロメダ座は、2等星と3等星が多いので何とか形が分かる星座です。おまけに、アンドロメダ星雲M31も肉眼ではっきり(夜空に状態にもよりますが)見えます。周辺には、とかげ座、さんかく座、おひつじ座、うお座。そしてみずがめ座などがあります。みずがめ座の水瓶を表している三ツ矢のマークの4つの星を、初めて確認しました。三ツ矢と呼ばれているのは、日本だけなんでしょう。三ツ矢サイダーの三ツ矢なんですね。ギリシャ神話では、水瓶から流れるのは、神酒とか聖水とか、他に不老長寿のエキスだとか言われているそうですが、三ツ矢サイダーの名前もそういう意味で付けたのかも、です。ちなみに、三ツ矢サイダーは明治17年発売開始ということだそうで、少々驚きでした。西南戦争終結から、僅か7年しか経っていません。商魂たくましきかな、という感じです。

 写真の右上隅に、明るい星が写っていますが、はくちょう座の一部です。一番明るい星が、はくちょう座の1等星デネブです。11月下旬の頃には、夏の星座は西空低く、沈みかけています。夏の星々の明るいこと明るいこと……。

 明日19日の日暮れ頃には、皆既に近い部分月食が始まります。晴れれば、のんびり眺める予定ですが、空の状態がどうなるのか、全く分かりません。薩摩半島は月の出が遅いので、少々無理な感じもします。という訳で、一休みでーす。

データ/ケンコースカイメモS・トキナー11~20ミリF2.8・EOSKissX8i・ISO1600・f4・30秒・ソフトフィルター使用・2021年10月27日21時30分

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2021年11月11日 (木)

ペガスス座のM15

M15blog_20211111185801  写真は、ペガスス座の球状星団M15です。撮影したのは、10月2日です。この日は、みずがめ座の球状星団M2も撮影しましたが、M2もM15もとても分かりにくい場所で、目立つ星もなく、探すのが大変でした。いつもは、星々を辿って、探し当てるのですが、確認できる星がない領域でした。デジカメの液晶画面上では、3等星までは何とか確認できるのですが、それより暗い星は、確かめることが少々無理な感じです。という訳で、自動導入に頼ることにしました。極軸をある程度きちんと合わせると、とても正確に星を導入できます。その後は、東西南北にわずかに動かせば、ほとんど視野の中央に確保することが来ます。とても便利なもので、最後はこれに頼っています。ただし、この自動導入を利用すると、星探しの楽しみが半減してしまうので、最後の手段にしています。8インチのシュミカセでも、割と楽に導入できました。

 写真のM15は、みずがめ座のM2と大変良く似た球状星団のような気がします。大きさもそうですが、星の密集度もとてもよく似ています。このM15の方が、わずかに明るく、少しだけ大きいかな……という感じです。ペガスス座の馬の頭の近くですが、この周辺で目立つ星は、ペガスス座の暗い3等星ε星だけです。天の川のはずれの星がとても少ない領域です。暗い宇宙をバックに、ポツンと球状星団が輝いている……そんな眺めです。これもまた迫力があって、いろいろ想像できる星風景のような気がします。

 今週は、ずーっと雨と曇りの日々です。寒気が入ってきて、薩摩半島も少しだけ冬に近づいたようです。しかし、晴れた日には、車の中はアツアツでエヤコンを入れています。今夜は月が見えませんが、上弦の月です。三日月からあっという間に上弦の月になりました。来週金曜日は満月で、月の出に部分月食(ほとんど皆既月食に近い……)が始まります。天気が良ければ、眺めてみようと思います。……が、果たして見えるかどうか……です。その日にならないと、天気だけはどうなるのか、分かりません。

 という訳で、小休止です。また雨が降ってきました、でーす。

データ/ビクセンSX2・セレストロンC8・EOSKissX8i・ISO3200・45秒・20コマ合成・2021年10月2日21時

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2021年11月 4日 (木)

ケフェウス座のIC1396

Ic1396blog_20211104185101  先週UPしたケフェウス座にある散光星雲です。ガーネットスターの南側に大きく広がっている赤い星雲です。IC1396というカタログ番号が付けられています。とても淡い星雲でISO3200で露出時間120秒ほどでした。ボーグの55FLは、絞り3.6で、とても明るいレンズなんですが、結構長い露出時間です。相当暗い星雲なんですね。ビクセンのAP赤道儀は一軸で使っていますが、追尾の安定度はイマイチのようです。軽いレンズの方が追尾不良で流れるコマが多いような気がします。レンズが軽すぎるので、不安定なのでしょうか……よく分かりません。

 写真の明るい星ガーネットスターも、派手に赤みを帯びていて、きれいに輝いています。IC1396は、とても大きな散光星雲で、大きさは、満月の6倍はありそうです。とても巨大です。暗黒星雲があちこちにたくさん広がっていて、とても複雑な構造のようです。大口径で覗くと、すごい迫力なんでしょうねえ。散光星雲の背後には、たくさんの星が写っています。このケフェウス座自体が、天の川銀河の近くなので、賑やかなのでしょう。これほど巨大ならば、カメラレンズでも簡単に撮影できそうです。また、一度試してみます。

 ところで、今夜の天気は、今(19時30分)の空は、少しだけ雲が流れています。21時ごろには晴れてきそうな感じがするのですが……でも、分かりません……です。このところPM2.5の影響が大きくて、何となく空が白っぽい印象です。秋から冬にかけて、移動性高気圧が東シナ海を移動するときは、頻繁に起こります。冬は冬で、雲が多い日が続きます。鹿児島県の薩摩半島は、太平洋側ではなく、裏日本側なんですね。こちらに引っ越してきて気が付きました。まあ、贅沢は言えませんが、時々秋晴れの夜空が見たいですね。冬は寒くてもいいから、透き通った星空が見たいですね。

 という訳で、裏庭で星々の明るさを見てきます。今夜もアナグマたちが遊んでいるかも、です。

データ/ビクセンAP・ボーグ55FL・EOS60D(改造)・QBフィルター使用・ISO3200・120秒・25コマ合成・2021年9月9日21時40分

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