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2021年12月の5件の記事

2021年12月30日 (木)

ヒヤデス星団

Blog_20211230184901  明日で、今年も終わりです。一年が経つのが速かったような、そんな気がします。ある人が言うには、毎日ドタバタしていると、時間の過ぎるのが速いそうです……本当なんでしょうか……。という訳で、今年最後のブログUPです。

 写真は、おうし座の散開星団ヒヤデスです。冬の星座で、一番早く東の空に昇ってくるのが、おうし座とぎょしゃ座です。そういう理由で、いつものことながら、冬の星座は、おうし座から始まります。ヒヤデス星団は、満月の十数倍もある大きな散開星団です。あまりにも大きすぎて、肉眼で眺めると、迫力に欠けるような気がします。同じおうし座のスバルと違って、星が集中していないので、明るさはイマイチかも……です。それでも、低倍率の双眼鏡で眺めると、結構な星の集まりで、20個ほどの青白い光が見えます。黄色っぽい特別に明るい星は、ヒヤデス星団に属する星ではなく、ずーっと手前の星アルデバランです。とても明るい一等星で、ビント合わせによく使わせてもらっている星です。このヒヤデス星団は、メシエ天体でもなく、NGCカタログにも記載されていません。調べてみると、Mel.25というメロッテ番号が付いています。初めて知りました。メロッテカタログの作成が1915年なので、とても新しいカタログ記載星団ですね。

 このヒヤデス星団は、ちょうどV字型に星が並んでいます。双眼鏡で眺めると、その形がとてもよく分かります。日本では、釣鐘星と呼ばれていたそうで、逆立ちしていますが、その形になっています。地球からの距離が、散開星団スバルよりもはるかに近い150光年程なので、ほんのすぐ近くなんでしょうか。この写真は、カメラレンズの100ミリマクロ(フルサイズでは160ミリ相当)での撮影ですが、結構簡単に撮影できます。デジカメは、とても感度が良いので、便利です。もっとカメラレンズを使ってもいいような気がします……開放絞りが明るいので……。

 冬の夜は結構寒いのですが、晴れれば、星空は最高の透明度です。薩摩半島でも、水蒸気が少なく、とてもクリヤーです。その中でも、おうし座のスバルやこのヒヤデス星団の青白い輝きは、最高に素晴らしい眺めになります。

 今夜から寒波襲来の予報ですが、薩摩半島の12月は、雪が降りそうにありません。空はドンヨリ……ドンヨリです。時々突風が吹き抜けていきます。少しだけ、外は冷えてきました。という訳で、毎年のことですが、少しだけ部屋の掃除をしま~す。

データ/ケンコースカイメモS・100ミリマクロF2.8・KissX8i・ISO1600・f4・40秒・ソフトフィルター使用・2021年11月28日20時50分頃

 

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2021年12月23日 (木)

おうし座のスバル

Blog_20211223184501  やっと、冬の星座になりました。北東の空が明るいので、12月の上旬頃にならないと、光害の影響で、東の空に昇った星がくっきりと見えてきません。スバルを撮影をしたこの夜は、とてもクリヤーな空でした。青い輝きがなかなか撮れなかったのですが、この夜は何とかうまくできた方です。

 写真が、スバルの全景です。スバルというのは、日本での呼び名です。正式名は、プレアデス星団と言う散開星団で、メシエ番号は45番です。とても明るいので、肉眼でもくっきりと見えます。大きさは、満月の3,4倍はあるので、とても目立つ存在です。結構明るいのですが、星が何個見えるかは、見るときによって全く違うようです。何個か全くわからない時もあるし、3,4個は数えられるということもあります。7個ほどは何とか見える、と昔から言われているそうですが……。ブルーの輝きがとても美しく、見ごたえ充分です。ギリシャ神話では、明るい7個の星は、巨人アトラスとプレイオネとの間に生まれた7姉妹だそうで、その7人が天上で踊っている姿だと言われています。とてもロマンに満ちた、見飽きない眺めですね。

 この散開星団スバルは、およそ120個ほどの星の集団のようです。1億年ほど前にできた若い星ばかりで、高温のために青白く輝いています。地球からの距離は400光年程なので、天の川銀河の直径が10万光年ということを考えると、とても近いというか、すぐ近所という感じがします。その内、人間も宇宙船に乗って、こんな光景を間近に眺めるのでしょうかねえ……まあ、運が良ければですが……。

 今夜の空は、何となく霞んでいるような、そんな感じです。PM2.5の影響でしょうか……イマイチですね。明日から年末にかけて寒波がやってくるそうで、少しは寒い夜になりそうです。さっき東の空に見えていたペテルギウスが、今はもう見えなくなりました。今夜は生温い、くもり時々くもりの天気のようです。

 冬は、寒い方が快晴の夜空になります。まあ、のんびり晴れた夜を待つことにします。という訳で、撮影済みの画像の処理と整理をします、です。

 追伸 さっきアナグマ兄弟(?)が、窓の外の庭を歩いていきました。夕食がまだだったのかも、です。

データ/ビクセンAP・ビクセンED70SS・EOSKissX8i・ISO3200・30コマ合成・2021年12月5日21時40分

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2021年12月16日 (木)

12月の天の川

12blog  今日は、暖かい一日でした。南から湿った風が入ってくると、こんな感じの、生暖かい日和になります。夜になっても寒くはない、変な感じの12月中旬です。雨が降っていますが、この雨が止むと、突然冬になるという予報ですが、あまり信用できません。この薩摩半島は、裏日本に属するのでしょうが、気候的には亜熱帯のような気がします。一年中湿度が高いので、夏は無茶苦茶に気温は上がらないし、冬は湿気ているから凍えるような寒さはない、そんな印象です。汗かきの人間にとっては、時にはツライこともありますが……。

 写真は、12月上旬の北の空です。カシオペヤ座が、ちょうど北極星の上に昇っています。秋の星座の、ケフェウス座、カシオペヤ座、ペルセウス座が西から東へ並んでいます。それでも、夏の星座のはくちょう座は、西空でまだ健在です。東の空には、ぎょしゃ座が見えていて、オリオン座も昇ってきているはずです。その北の空を西から東に向かって、天の川が流れています。ぎょしゃ座を通り、オリオン座とおおいぬ座をかすめて東の空に延びています。薩摩半島の見晴らしの良い場所では、一年中天の川が見えるそうです。と言いても、春の天の川は、地平線をギリギリにかすめて流れているので、とても難しいという話もよく聞きます。そう考えると、冬は天の川が結構見える季節のような、そんな気がします。

 ところで、星座には星座線を引いています。カシオペヤ座の星座線は、少々分かりにくい感じもします。それでも、古代エチオピア王の奥さんを表すと考えると、これが一番似合っているような感じがします。両手両足があって、おまけに頭までついています。遥か昔の時代には、4等星・5等星まで見えていたので、こういう形になったようです。今の時代は、どう考えても無理なようで、英文字のW(少しだけ太い線で描いています)の文字をつくる5個の星だけの星座になっています。薩摩半島の片田舎で4等星の星を見つけるには、澄み切った夜空でもかなり苦労します。光害もひどいし、水蒸気も多いし……それよりも、視力が悪くなったのが一番の理由のような気もします。

 追伸 我が家の裏庭での撮影ですが、北東の空が明るくなっています。この明かりは、鹿児島湾周辺の人口およそ100万人が住む街明かりでしょうか……。

データ/ケンコースカイメモS・トキナー11~20ミリ2.8・EOSKissX8i・ISO1600・30秒・ソフトフィルター使用・2021年12月5日21時頃

 

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2021年12月 9日 (木)

コペルニクスクレーター周辺部

Newaaa3blog96  上弦過ぎの月面画像です。先月の14日の夜の撮影です。コペルニクスクレーターの周辺部がやっと、それらしく撮れた感じがします。ZWOのASI183カラーCMOSカメラでの撮影でした。センサーサイズが対角線=1インチなので、APS-Cサイズで、およそ5400ミリほどになって、今までよりはぐっと拡大できました。こんなにも拡大できて、とても驚きでした。20コマ合成ですが、まあまあピンが来ているようで、ある程度は満足です。

 右側にある大きなクレーターが、コペルニクスクレーターです。直径が100キロ近くあり、規模の大きなクレーターです。クレーターの深さは3800mほどだそうで、月面自体の巨大さが分かります。クレーターの中央部に見えるのが中央丘で、小さく見えますが、高さ1200mほどあるそうです。これまた、驚きです。コペルニクスクレーターのすぐ左上が、エラトステネスです。そこから連なる山脈がアペニン山脈、さらに弧を描いて、左隅のアルプス山脈に繋がっています。それらの山脈に囲まれているのが雨の海です。左上の隅にあるのが、プラトークレーターです。プラトーというのはプラトンのことですが……。画面左方向が、北です。北半球のクレーターには、古い時代の科学者や哲学者の名前が優先的に付けられているそうです。クレーターの名前を付けたのは、17世紀のイタリアの天文学者リチオリと弟子のグルマルディーという人だそうです。およそ300個のクレーターに名前を付けて、月面図を発表しています。珍しくて、発行部数もとても多かったと言われています。そういえば、月面のクレーターには、アリストテレスやアルキメデス、ケプラーなど、有名な科学者の名前を見つけることが出来ます。そして、月面図を作ったリチオリとグルマルディーは、クレーターに自分たちの名前も付けています。さすが、先進国のヨーロッパ諸国ですね。17世紀と言えば、日本では、江戸幕府が出来て間もない頃です。

 月面図を眺めていると、何となくほのぼのとしてきます。クレーターや海、山脈、渓谷などに、アルファベットや数字ではなく、それなりの分かりやすい名前が付いているからでしょうか……。これらの名称は、星座もそうですが、現在でも使われています。思えば、人間も、結構楽しく、夢がある種族というか、生命体のような気がしてきます。

 月面のいろいろな地形を眺めて、また撮影をしてみます。今夜は薄曇りで、ぼんやりした月です。こんなひんやりした夜でも、外では季節外れのヌエが鳴いています。

データ/ビクセンSX2・C8・EOSKissX8i・1000分の10秒・ゲイン130・ZWO ASI183カラー・2021年11月14日20時30分

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2021年12月 2日 (木)

ペルセウス座の二重星団

Blog_20211202191101  写真は、ペルセウス座にある二重星団と呼ばれている有名な散開星団です。二つの散開星団がくっついて見える、珍しい光景です。明るさは、ともに4等級ですが、周辺に星が少ないので、結構明るく見えます。12月がいちばん見頃のような気がします。ペルセウス座に属していますが、探すのであれば、カシオペヤ座から探す方が分かりやすいようです。晴れた夜なら、ぼんやりとした雲のような感じで、肉眼でもはっきり見ることが出来ます。6倍の双眼鏡ならば、写真のように、二つが並んでいる眺めになります。もう少し倍率の高い双眼鏡なら、視野いっぱいに、やや青っぽい色合いの星々が散らばって見えると思います。

 写真右側(西側)が、NGC869、左側(東側)がNGC884です。12月の上旬の22時頃ならば、北極星の真上に来るのでは……。紀元前の古代ギリシャ時代から知られていたようで、星ではなく、かすかな光として見えていたのでしょう。その頃の夜空は、現在と比べれば多分恐ろしいほどの暗さだったのでは、と想像しています。この二つの散開星団はメシエ天体には登録されていないのですが、それがとても不思議な感じです。

 二つの散開星団は、地球からの距離がともに7500光年ほどで、実際にすぐ隣にある星団ということになります。巨大な星団が隣り合わせになっているという風景がどんなものか、想像してみたくなります。こういう姿を眺めると、宇宙のとてつもない巨大さや、時間と空間の不思議さを感じてしまいます。こんな宇宙に、少しは知的(多分)な人間がいるというのも、また、とても不思議なんですが……。

 薩摩半島も、やっと冬らしくなってきました。まだ暖房は使っていませんが、クリスマス前には必要になるかも、です。今年も残り4週間ほどです。1年が過ぎるのも、速いこと速いこと……実感しています。

 今夜は、寒気の影響で曇り空です。明るい1等星がいくつか見えるようですが……。という訳で、今夜もYEBISUビールで、独り乾杯でーす。

データ/ビクセンAP・ビクセンED70SS・EOSKissX8i・ISO1600・30秒・15コマ合成・2021年10月26日21時50分

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