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2022年1月の4件の記事

2022年1月27日 (木)

オリオン座のM42

M42blog_20220127193401  冬の星雲・星団と言えば、やはり、オリオン座の散光星雲M42でしょう……か。オリオン座自体が冬空で一番目立つ存在で、おまけにオリオン大星雲M42の輝きが肉眼で見えることです。オリオン座には、ペテルギウスとリゲルという明るい1等星が2つあり、明るい2等星が5個もあります。オリオン座の4角形と中央斜めに並ぶ三ツ星、さらにその南の小三ツ星、どれもとても目立つ存在です。オリオン大星雲は、その小三ツ星の真ん中の輝きです。

 肉眼で見える星雲・星団は、ほんの少ししかありません。春の星空では、カニ座の散開星団M44とケンタウルス座のオメガ星団です。夏は、いて座の球状星団M22と干潟星雲M8でしょうか。秋の空では、アンドロメダ銀河とペルセウス座の二重星団ぐらいです。そして、冬には、おうし座の散開星団ヒヤデスとスバル、おおいぬ座の散開星団M41、それと、このオリオン大星雲と呼ばれている散光星雲M42です。南天の夜空は見たことがない(一度は眺めてみたいのですが……)ので、よく分かりません。

 見える見えないは、それぞれの視力の問題が結構大きいので、もちろん個人的な見解です。さらに言えば、光害と呼ばれている都市部の夜の街明かりも、かなり大きな問題です。以前住んでいた神戸では、これらの星雲・星団は、どんなに晴れていても、ひとつも見ることが出来ませんでした。でも、この薩摩半島では、自分の視力で、この10個の輝きを眺めることが出来ます。夜空の光を眺めることは、日常生活にはほとんど影響を及ぼさないのですが、でも、人間の歴史を考えれば、とても大きな刺激と影響を与えてきたような気なします。星座の歴史も、もう2500年以上の長きにわたって、遥かに続いていて、今でも使われています。まあ、いろいろと感じるところ……多かりき……です。

 ところで、この写真撮影は、正月明けの6日でした。珍しく晴れた夜空で、澄み切った大気のようでした。それでも、薄雲が流れてくるのを観察しながらなので、結構気を使ったロケでした。オリオン星雲M42は、満月の2倍以上の大きさがあって、ファインダーで探すのもとても簡単です。おまけにとても明るく、露出時間が短くていいので、楽勝でした。双眼鏡で眺めても、臨場感満点で、なかなかの眺めです。写真の赤っぽい光は肉眼では見えませんが、中央部分が異常に明るく輝いているので、見ごたえ充分です。

 という訳で、今夜も、YEBISUビールで、いつものように、独りで乾杯します~で~す。

データ/ビクセンSX2・ビクセンED70SS・EOS60D(改造)・ISO3200・50秒・45コマ合成・Quad BPフィルター使用・2022年1月6日21時30分

 

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2022年1月20日 (木)

ぎょしゃ座の散開星団M37

M37blog  ぎょしゃ座には、メシエ番号のついた散開星団が3つあります。M36、M37、M38の3つですが、その中でも、いちばん明るくて、よく見える散開星団がこのM37です。M37は、ぎょしゃ座をつくっている5角形の外側ですが、M36、M38のすぐ(?)近くです。前々回UPしたぎょしゃ座の星座写真を見てもらえば、位置関係が分かると思います。このM37は、6,7倍の双眼鏡で眺めると、ぼんやりした淡い光に見えますが、写真のような星の集まりという感じではありません。8cmの望遠鏡で40倍ほどなら、星が密集している様子がとてもよく分かります。このM37の見かけの大きさは、満月大なんですが、遥かな遥かな彼方なので、その巨大さは想像を絶するものです。

 散開星団の眺めも、結構楽しめます。というのも、じっくり眺めてみると、暗い星というか、微光星のかすかな光も見えてくるからです。写真では200個ほどは確認できそうですが、本当は500個以上の星の集団だそうですね。この星のひとつひとつが太陽なんですが、それだけでも、宇宙の不思議を感じることが出来ます。多分惑星も存在しているのでしょう。それがどんな惑星なのか……眺めながら、想像してしまいます。

 ところで、散開星団の撮影ですが、とても簡単な感じで、今まで撮影をしてきました。でも、いろいろ撮影をするうちに、結構難しいということが分かってきました。少し多めに露出をかけると、暗い星もたくさん写るのですが、星が少しだけ密集した部分は露出オーバーで白トビに近くなります。これは、球状星団の撮影にも言えることで、簡単そうに見えてそんなに簡単なものではないということが、最近分かってきました。考えると、いろいろな問題があるのですね。画像処理の問題もあるのでしょうが、また、ひとつ課題ができました。

 この撮影は、12月の上旬です。その後3週間ほど星空を観ることが出来ませんでした。正月明けに2回星空を眺めて、その後曇り空が昨日まで続きました。明るくなりかけた月も、雲間に少し眺めただけです。この冬は何回も寒波が襲来して、この薩摩半島も、いつもとは違う冬になっています。まだ雪は降りませんが、2,3日前にこの冬初めて薄氷が張りました。それも2ミリほどだった記憶です。目に見えない異常気象が続いているのかも知れません。そういえば、我が家の周辺から、あるいは近所からスズメの姿が消えてしまいました。おまけに、冬鳥のヒヨドリの数も激減です。どこに行ったのでしょうか……ねえ。

 という訳で、今夜は久しぶりの晴天ですが、もう東の空にまだまだ明るいオレンジ色の月が昇ってきました。小休止して、双眼鏡で17日目の月を眺めてきます。

データ/ビクセンSX2・ビクセンED80sf・EOSKissX8i・ISO3200・35秒・2021年12月8日22時頃

 

 

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2022年1月13日 (木)

ぎょしゃ座の散光星雲

Ic405410blog  先週UPしたぎゃしょ座にある、二つの散光星雲です。赤い輝きが印象的ですが、肉眼では見えない光です。右側のオタマジャクシに似たような散光星雲が、勾玉(まがたま)星雲と呼ばれていて、カタログ番号はIC405です。その左下にあるやや小さめの赤っぽい光が、どくろ星雲と呼ばれている散光星雲IC410です。どこがどくろに似ているのか、いまだによく分かりませんが……。

 二つの散光星雲の間に、青っぽい輝きの星が見えていますが、手探りで探すときは、この5,6個の星を探せば何とか視野に入ります。この5,6個の星の集団は、散開星団のようです。調べてみると、Mel(メロッテ)31というカタログ番号が付いていました。初めて知りました。その中央の4個の星は、上手いこと平行四辺形の形に並んでいます。こと座のベガの隣の4個もそうですが、探せばたくさんの平行四辺形が見つかるかも、です。

 散光星雲の中心部付近は結構派手な色合いで、とても見ごたえがあります。ただ、その周辺部はとても淡い輝きなので、撮影も大変でした。この時使ったビクセンのAP赤道儀は、追尾性能がイマイチで、3分を超えると、星が流れてしまうコマが急に多くなります。この撮影の時は、露出時間は160秒でした。初心者向きの赤道儀の限界かも……か……それとも、使う側の未熟さかも、です。

 ところで、写真左上隅に散開星団M38も写っています。ぎょしゃ座には、3つの散開星団が、寄り添うように並んでいます。その一番西側にあるのが、このM38です。3つの中では、一番まばらな星団で、迫力を求めるならば、大口径の望遠鏡が必要な感じがします。それでも、写真にすると、何とか散開星団に見えます。この周辺は、天の川の通り道で、星の数もとても多い領域です。写真では、いくつか星団・星雲らしきものが見えますが、もっと大口径の望遠鏡ならば、たくさん見つけることが出来そうですね。

 今週は、月面撮影をする予定でしたが、今日も寒波襲来中です。日本海側は猛吹雪で、大雪・暴風のようです。薩摩半島でも風がやや強く、少しだけですが、大荒れでした。明日は、雨風が収まりそうなので、上弦過ぎの月を眺めることができるかも、で~す。

データ/ビクセンAP(1軸)・ボーグ55FL・専用レデュサー・EOS60D(改造)・ISO1600・160秒・Quad BPフィルター使用・2021年12月9日21時30分頃

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2022年1月 6日 (木)

ぎょしゃ座

Blog_20220106130701  2022年の、Blog事始めです。いつもなら、BlogのUPは夜なんですが、今夜は晴れそうだと予想して、昼下がりの今書くことにします。1月4日の夕方、どんよりの曇り空だったのですが、暗くなった19時頃から、急に快晴の空になりました。という訳で、急いで機材を庭先に出して、撮影の準備に取り掛かりました。撮影対象は、ぎょしゃ座とオリオン座の星座写真です。とても楽な撮影なんですが、雲がない星空は、この3週間程眺めることも出来ませんでした。寒波が来ると、どれほど曇り空が続くかがよく分かります。

 写真が、ぎょしゃ座の全景です。ちょうど5角形の形をしているので、見つけるのもとても簡単です。一番明るい星が、1等星カペラです。地球からの距離が40光年程で、とても近い星ということになります。黄白色の輝きで、太陽にとてもよく似た恒星のようです。2重、4重の連星系を作っているようで、複雑な連星のようです。冬の星空では、シルウスやカノープスの次に明るいのでは……というほど目立つ星です。左方向が、天の北極方向です。東の空やや高く昇って頃、デジカメを横に構えると、この構図になります。このぎょしゃ座には、散開星団や散光星雲があって、とても賑やかな星座です。写真のM36、M37、M38が、散開星団です。6,7倍の双眼鏡で眺めると、とても小さな雲のように見えますが、星の集まりというほどには見えません。40倍ほどなら、星々が少しは分離して、散開星団らしく見えるのでは、と思います。散光星雲は、写真中央右寄りに見えるはずなんですが、改造デジカメではないので、赤っぽい輝きはほとんど写っていません。散開星団M37 と散光星雲は、12月に撮影済みなので、次回にUP する予定です。

 ぎょしゃ座周辺は、冬の天の川が流れているので、星々の密度がとても高い領域です。双眼鏡で眺めると、星々の海のような眺めで、結構見ごたえがあります。大口径の望遠鏡で撮影すると、遠い散開星団や散光星雲がたくさん写っているはずです。

 今夜晴れれば、オリオン座の散光星雲M42(オリオン大星雲)を撮影する予定です。まあ、天気次第ですが……なかなか上手くいかないのですよね。薩摩半島も、例年よりは低温のようで、少し寒々感じです。という訳で、小休止して、ホットコーヒーにします。

データ/ケンコースカイメモS・タムロン45ミリF1.8・EOSKissX8i・ISO1600・f4・20秒・20コマ合成・ソフトフィルター使用・2022年1月4日20時50分 

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