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2022年4月の4件の記事

2022年4月28日 (木)

しし座の系外銀河トリオ

Blog_20220428185701  写真は、先週の木曜日に撮影した、しし座の3つの系外銀河です。右下がM65、左下がM66、左上がNGC3628です。地球からの距離が3500万光年程で、小さな銀河群をつくっているようです。実際は、どれも巨大な銀河です。しし座からかみのけ座、おとめ座に至る領域には、系外銀河群がたくさん確認できます。これらの銀河群は、おとめ座方向にある超巨大な銀河団の一部なのでしょう。

 写真の銀河トリオは、しし座の後ろ足のつけ根あたりにあって、小さな望遠鏡でも容易に撮影できる、初心者には貴重な系外銀河です。5、600ミリのレンズで、直焦点撮影すると、こんな感じになります。結構明るいので、撮りやすい銀河でしょうか……。上方を北に向けると、構図もよく、何となくサマになっている感じがします。

 ところで、この日は晴れると予想して、夜7時前から玄関前に機材を出して、準備をしました。適当に暗くなった夜8時頃から、撮影の前の設定です。しし座の形もくっきり確認できました。極軸合わせ、ピント合わせ、そして導入です。時間があれば、星図を見ながら星々を辿って銀河を探すのですが、この夜は便利な自動導入です。

 試し撮りをして、位置の微調整です。そして、本撮影です。10コマ+10コマ程撮ったところで小休止。生暖かい風が吹いてきて、何となく空の怪しさを感じて見上げると、しし座の姿がありませんでした。時々、星空を確認していたつもりでしたが……いやいや天気の変わり方の速いこと……。きれいな星空だったのですが、1等星のレグルスさえほとんど見えなくなりました。撮影時間は、20分少しでした。最後の5、6コマは、雲で霞んでよく分からないコマでした。

 その後、暗い裏庭を散歩して、晴れるのを待っていましたが……。1時間しても、西空の明るいシリウスもプロキオンも、ぎょしゃ座の1等星カペラも見えず……です。まあ、こんなモノかも、です……天気というのは。最近の3、4年、毎回こんな感じで星見・撮影をしているような気がします。水蒸気が多いというのか、雲が多いというのか、これも異常気象の一部かも知れません。

 今年は、3月後半から、曇りの日がとても多かったような気がします。4月になると、さらに曇りの日が増えて、薩摩半島はもう梅雨に入ったのではないかと思えるほど、雨の日・曇りの日が多くなりました。この調子でいくと、五月晴れなんて、期待できそうもないかも、です。

 今夜も雨のち曇りのち雨という天気です。まあ、のんびり星空を待つことにします。ということで、今夜は、DHCのビールで、独り乾杯で~す。

データ/ビクセンSX2・ES102ED・笠井0.8倍レデューサー・EOSKissX8i・ISO1600・55秒・13コマ合成・2022年4月21日20時20分

 

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2022年4月21日 (木)

しし座の周辺

Blog_20220421131501  写真は、春の星座しし座の周辺部です。明るい星が少なく、星座の形もなかなかはっきりしないので、何となく寂しい感じもします。それでも、しし座やかに座、うみへび座など、古代から知られているトレミーの48星座に属する星座が多く、それなりに歴史を感じさせる星座です。天頂付近から南の空の星々です。

 しし座の近くには、かに座やうみへび座、おとめ座やかみのけ座があります。うみへびの背中には、小さな星座のコップ座と小さな4角形のカラス座がくっついています。この小さな星座も、紀元前2千年頃には広く知られていた星座で、どちらも格調高き星座だそうです。

 コップといっても、高価なワインを水で割って飲む器だそうで、特別なものなんでしょうね。カラス座のカラスは、ギリシャ神話によると、音楽の神アポロンに仕えていたカラスだそうです。嘘つきで、おしゃべりで、怠け者だったそうで、ある時大きな罪を犯してしまったので、天に釘付けされた姿だそうです。今でも、カラスというのはそんなイメージがあって、昔と変わらないんですね。

 ところで、春の星々の中で、最初に昇ってくる1等星は、しし座のα星レグルスです。しし座は黄道12星座の1つで、春の代表的な星座です。星々を星座線で結んでみると、ライオンの形に見えてきます。このライオンは、ヘルクレスに退治された人食いライオンだそうです。よく晴れた夜ならば、写真のような形に見え、結構はな迫力です。α星レグルス、β星デネボラ、γ星アルギエバの3つは結構明るいので、目立つはずです。レグルスとアルギエバは、ともに連星系をつくっていて、小さな望遠鏡でもすぐ近くの暗い伴星を確認できます。

 この写真には写っていませんが、おとめ座の東半分、うしかい座、りょうけん座、おおぐま座など、まだまだ春の星座があります。南の地平線あたりには、ケンタウルス座もありますが、全景を見るには南の地方に行くしかありません。

 春は天気の変化が大きく、穏やかに晴れる日も少ないかも、です。今度晴れたら、系外銀河を撮影したいと思っています。おとめ座銀河団、かみのけ座銀河団ですが、いつになるか、ほとんど未定です。薩摩半島は、今昼下がりですが、梅雨のような雨が降っています。今夜は、多分晴れる感じではなさそうです……ね。

データ/ケンコースカイメモS・トキナー11~20ミリ・F2.8・ISO1600・f4・25秒・ソフトフィルター使用・2022年4月4日21時

 

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2022年4月14日 (木)

月齢7.2 静かの海からアルタイの崖

72blog-new  先週から夏日が続いていて、初夏の陽気です。少しは涼しい日があっても、ヒンヤリするよう日は、もうなさそうです。というよりも、すぐそこまで、夏がきているような気がします。薩摩半島では紫陽花が咲いているそうで、季節が異常に進んでいるのかも、です。2日前にも、月面撮影をしましたが、その夜の暑かったこと……。どう考えても異常でした、夜の7時ごろから、作業を始めましたが、夏でもないのに蚊が寄ってきて、大変でした。まだ4月なのに、こんなことは初めてでした。我が家の裏庭では、クロアゲハが飛んでいます。これは、どう考えても、異常も異常です。何事も、なければいいのですが……。

 写真は、先週撮影した月齢7.2の月面です。このところ、ASIのCMOSカメラで少しだけ拡大した月面の撮影をしています。まだまだテスト撮影みたいなものですが、少しだけ慣れてきました。上弦1日前の月面です。静かの海からアルタイの崖に至る、少しだけ平坦に見える領域です。

 アルタイの崖が、朝日を浴びて明るく輝いています。この崖は500㎞ほどの長さで、高さは1500m~3000mだそうです。すべて巨大なんですが、そんな風には全く見えないところが不思議です。アルタイの崖の北側に連なる、カタリナ、キリルス、テオフィルスの3つのクレーターも巨大で、直径100㎞ほどの大きさです。すぐ近くの神酒の海も広くて、九州がすっぽり入る大きさです。海と呼ばれる地表も、写真で見る限り、何となく起伏の少ない平地らしく見えますが、実際は岩がゴロゴロしている岩場のはずです。

 写真の左側には、静かの海が見えています。やや黒っぽい感じがします。玄武岩の溶岩台地なのでしょうか……。この静かの海は、1969年7月20日に、アポロ11号の月着陸船が月面に到着して、人類が初めて月面に立ったところです。この静かの海は、他にも月面探査船が着陸しています。静かの海は、写真でもそうですが、地球から見ても暗い色合いです。月で餅つきをしているウサギの顔の部分のようです。月面も、いろいろと面白そうなところがありますね。

 もう少し拡大写真に出来たらいいのですが……。当分は、まだまだ勉強中で、試行錯誤しています。という訳で、今夜は、冷たいYEBISUビールで~す。昨夜から冷蔵庫で冷やして、少しだけ温めて飲んでします……何故か変ですが……。

データ/ビクセンSX2・セレストロンC8・ASI183MC・20ms・ゲイン140・70コマ合成・トリミング・2022年4月8日21時

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2022年4月 7日 (木)

うみへび座の頭部

Blog_20220407140601  春の星座は、冬の星座に比べてやや暗く、特別に明るい星も少ないので、地味な感じがします。おおぐま座の北斗七星やしし座の形が少しは目立つのですが、それでも星々の輝きはそれほど強烈ではありません。

 春の星々の中で一番明るい星は、うしかい座の1等星アルクトゥールスで、全天で4番目に明るい星です。4月の今頃、東の空やや高く昇っています。おとめ座のスピカとしし座のレグルスも1等星ですが、やや暗い1等星です。春の星空は、天の川銀河から少し離れているため、星の数も少ない感じです。それでも、星空がやや暗いため、遥か彼方の系外銀河もたくさん見えるというよい所もあります。かみのけ座銀河団やおとめ座銀河団、そしてうみへび座銀河団などがあって、遥かに遠い銀河の姿を眺めることが出来ます。

 写真は、うみへび座の頭部です。300ミリの望遠レンズで、眺めた感じです。このうみへび座は、巨大な星座で、全天で一番長い星座です。東西に長く、頭部が南中しても、尻尾の先はまだ東の空に昇っていないのでは、というほど大きな星座です。星座の形は、ほとんど目立たないので、イマイチな星座かも、です。それでも、ウミヘビの頭部には、狭い所に少しだけ明るい星が集まっていて、口を大きく開いた頭という感じです。

 写真の中では、ζ(ゼータ)星だけが3等星で、他は4等星以下の星のようです。少しだけ視線をずらすと、2,3個の星が見えてきます。個々人の視力のほどにもよりますが、「視力が1.2の人は4等星までが見える」と、どこかのブログに書かれていました。正解かも、です。「視力が1.5の人は5等星までが見える」ということも書かれていました。古代の人は、6等星、7等星までも見えたかも、です。暗い星ほど、星の数が飛躍的に増えるので、晴れた夜は、満天の星明りだったのでしょう……。写真の星々のつながりと眺めると、何となく大きく口を開いた動物を想像してしまいます。この蛇は、ギリシャ神話によると、ヘルクレスに退治された怪物ヒュドラだそうです。

 まだ夕方前ですが、空は白っぽく薄雲が広がっています。今夜は月も見えないような感じです。春霞というか、PM2.5というのか、暖かくなると、こんな感じの天気になります。まあ、そんな訳で、一休みします、です。

データ/ケンコースカイメモS・180ミリマクロF3.5・EOSKissX8i・ISO1600・f4・25秒・ソフトフィルター使用・2022年3月8日21時頃

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