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2022年5月の4件の記事

2022年5月26日 (木)

かみのけ座の球状星団M53

M53-blog  予定通り、ジメジメの季節がやって来ました。薩摩半島はまだ梅雨入りしていませんが、雲が異常に多く、暖湿気流と呼ばれる生暖かい風が吹いています。南西諸島からというよりも、もっともっと南の台湾・フィリピン周辺の海から吹いてくる風のようです。湿度が80%を超えるような日が度々です。今のところ気温が低めなので何とかなりますが、これが30度近くまで上がると大変です。カビの心配もありますが、それよりも、結露の方がとても気になります。外で作業していても、いつの間にか機材がビチョビチョになります。結露は、この湿気の多い5月から7月頃までが一番ひどいような気がします。三脚からカメラ、鏡筒・赤道儀まですべてです。まるで霧雨が降ったような感じになります……異常も異常です。薩摩半島は、やはり南の国なんですね。

 ところで、写真は、かみのけ座の球状星団M53です。ビクセンのED70ssで撮影しました。もう少し長めのレンズで撮影すればよかったのですが……選択を間違えました。焦点距離400ミリ(EOSなので640ミリ)では少々物足りない感じです。微光星が、くっきりシマッていないのが気になります。この大きさが、トリミングの限界です。それでも、球状星団らしくはなっていて、まだ救われているかも、です。

 このM53までの距離は、58000光年です。天の川銀河の直径が10万光年なので、いかに遠いかが分かります。視直径は、3分ほどです。もしも、この球状星団までの距離が十分の一ほどならば、満月よりもはるかに大きな輝きになります。ということは、この球状星団が如何に超巨大な星の集団かが分かります。

 このM53は、ドイツの天文学者ヨハン・ボーデの発見です。それも、1775年という、今から250年ほど昔のことです。ヨハン・ボーデは、おおぐま座の有名な渦巻銀河M81も発見しています。その頃のヨーロッパがどんなに先進国だったか、ということもわかるし、いつものことですが、とても驚きです。

 また弱い雨が、降ってきました。という訳で、小休止します、です。

データ/ビクセンSX2・ビクセンED70SS・等倍フラットナー・EOSKissX8i・ISO1600・40秒・20コマ合成・2022年5月2日21時10分

 

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2022年5月19日 (木)

かみのけ座の渦巻銀河NGC4565

Ngc4565blog_20220519190501  写真は、かみのけ座の渦巻銀河NGC4565です。先週UPしたかみのけ座のメロッテ111のすぐ近くにあります。この銀河の撮影は2度目です。4年前の5月に撮影して、BLOGにUPしています。撮影鏡筒は違うのですが、その時と同じような感じに写っています(当たり前ですが)。本当はもっと露光時間を長くすべきでしょうか……ねえ。

 とても小さいので、いざ撮影となると、少しだけ根性が必要なんですね……。小さいと言っても、満月の半分ほどはあるので、6倍の双眼鏡でも見えるそうです。ただし、とても暗いので、銀河に見えるかどうかです。10等級の明るさなので、結構大変だと思うのですが……。

 この銀河は、天の川銀河と同じような渦巻銀河だそうですが、渦巻を真横から見ている感じです。こういう銀河は、エッジオン銀河と呼ばれています。1785年に、ウイリアム・ハーシェルが発見しています。このNGC4565銀河は、メシエ天体の中に入っていないということは、あまりにも暗かったので、メシエさんも見逃したのでは、と思いますが……本当のところは知りません。

 メシエ天体ではないのですが、とても人気というか、とても有名な銀河だそうです。「ニードル(針)銀河」という愛称で呼ばれているそうです。つい最近知りました。真横からの眺めとしては最高かも、です。小さい画像ですが、中央に暗黒帯も確認できます。他にも、とても暗いのですが、いくつかの銀河らしきかすかな光も見えています。地球からの距離は、4000光年程です。それを近くで眺めると、超すごい迫力の銀河なんでしょう……。次回は、CMOSカメラで、もう少し長焦点にして、迫力のある写真に挑戦してみます。また、課題がひとつ増えました。

 今夜は、ドンヨリドンヨリの曇り空です。最近は月の満ち欠けも、なかなか見ることが出来ません。梅雨前特有の天候です。梅雨入りも、まだまだなんですが、明日からまた雨のようです。薩摩半島は湿度がとても高いので、レンズにカビが生えるのが、少々心配です。

 という訳で、小休止して、裏庭散歩してきま~す。さっき窓の外を通って行ったアナグマ兄弟が遊んでいるかも、です。

データ/ビクセンSX2・ES102ED・等倍フラットナー・EOSKissX8i・ISO3200・50~80秒・20コマ合成・2022年5月3日21時頃・我が家の裏庭

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2022年5月12日 (木)

かみのけ座のメロッテ111

Mel111blog_20220512185801  写真は、かみのけ座にある散開星団メロッテ111です。撮影は、4月の下旬です。かみのけ座は、5月の今頃が天頂付近まで昇るので、観望や撮影に最適なんですが、梅雨が近づくので、早めに撮影をしました。

 散開星団をつくっている星は、4等級よりも暗い星ばかりです。それでも、暗い星が20個も30個も集まると、雲のような淡い輝きになります。肉眼でも、晴れた夜には、ぼんやりと星明りに見えます。双眼鏡で眺めると、視野いっぱいに星が集まっていて、感動モノです。ブルーの輝きの、美しい眺めです。写真は、その中心部だけをアップしています。写真の右側(西側)にも、下側(南側)にも、もう少し青白い星々が広がっています。

 かみのけ座というのは、明るい目印の星がないので、あまり話題にはならないのかも、です。この方向は、天の川銀河の北極方向なので、星々が一番少ない方向というか領域です。そのおかげで、はるか遠い系外銀河が、とてもたくさん見えるところです。このかみのけ座からおとめ座にかけて、おとめ座銀河団という巨大な銀河団があります。6000万光年離れたところに、この銀河団の中心があって、およそ3000個ほどの銀河があるそうです。この天の川銀河やアンドロメダ銀河もその内のひとつだそうですね。……イヤイヤ、とても恐ろしいというか、想像を絶する世界なんですね……。

 星を眺めていると、この宇宙の不思議さを感じてしまいます。どうして星が生まれるんだろか、どうして時間があるんだろうか、な~んてね……。さらに言えば、この自分の存在も不思議ですね……とっても。

 今夜は、くもりのち雨という感じです。明日も雨のようで、この薩摩半島は、もうとっくに梅雨に入っているのでは、と思いますが……どういう訳か、まだまだ梅雨入り宣言が出ませんね。

 そういう訳で、今夜も、DHCのビールで乾杯します、です。

データ/ケンコースカイメモS・180ミリF3.5・EOSKissX8i・ISO1600・f4.5・45秒・ソフトフィルター使用・2022年4月22日21時30分

 

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2022年5月 5日 (木)

しし座の4連星レグルス

Ab-blog  しし座の連星レグルスを初めて撮影しました。今までは、連星系にそれほど関心がなかったのですが、このレグルスは、ダブルダブルの連星系だということを知って、急に撮影したくなりました。連星というのは、太陽のような恒星がお互いの周りを回っている恒星系です。2個なら2連星、4個なら4連星と呼ぶそうです。このレグルスの場合は、4連星だそうです。

 このしし座の白く輝くα星レグルスは、1等星の中でも一番暗い星ですが、実際は、とても明るく巨大な恒星のようです。写真中央の明るい星がレグルス本体です。これを、主星と言います。この主星は、明るさ1.4等級なので、春の星空では、あまり目立たない星です。これがレグルスAです。この主星の北西方向に3分程離れたところに、とても暗いもう一つの恒星があります。これが、レグルスBです。暗い方の星Bは、主星に対して伴星と呼ばれています。写真のBは、明るさは8.0等級ほどなので、もちろん肉眼では見えないし、双眼鏡では見えるそうですが、まだ見たことはありません。8倍ぐらいの双眼鏡で、見えるのでしょうか……ねえ。

 ところで、レグルスAとレグルスBは、12万年ほどで相手の周りを一周するそうです。ところが、レグルスAもレグルスBも 、それぞれ小さな恒星を従えているということだそうです。大小4個の太陽が、とても複雑な軌道で回っていることを考えると、宇宙の神秘さがよく分かります。そいう訳で、ダブルダブルの4連星系と呼ばれています。連星と言うのは、宇宙にはありふれた恒星系だと言われています。太陽系でも、木星や土星の質量が百倍ほど大きかったら、連星になっていたのでは……と、どこかで聞いたことがあります。

 こんな4連星系の中の一つの恒星の、その周りを回っている惑星がもしもあったとしたら、いったいどんな軌道を描くのでしょうか……それがとても気になります。宇宙の物理法則に従うのは当たり前ですが……とても不思議な世界です……宇宙は。

 今夜は、ドンヨリドンヨリの空です。薩摩半島は、すぐそこまで梅雨が近づいている、そんな感じがします。外の温度計は、夜21時現在、22度です。もう初夏なんですね。という訳で、小休止で~す。

データ/ビクセンSX2・ES102ED・0.8倍レデューサー・EOSKissX8i・ISO1600・2022年2月25日20時40分

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