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2022年6月の5件の記事

2022年6月30日 (木)

りょうけん座のM51

M51blog_20220630184401  3日前の6月27日に、九州南部が梅雨明けしました。今年は異常に早い梅雨明けでした。その翌日から、ガンガンの日差しで、真夏のような気温になりました。とは言っても、この薩摩半島の片田舎では、最高気温が32度程度が限界のようですね。海が近いので、それ以上は上がらないのかも、です。おかげで、真夏のような澄み切った星空になりました。湿度がやや高いのですが、まあ、星々だけはきらきらと輝いていました。今夜もすっきりした夕空です。BlogをUPした後に、星空を眺める予定です。

 写真は、りょうけん座の渦巻銀河M51です。子持ち銀河の愛称で有名な、とても人気のあるメシエ天体です。本体の大きな渦巻銀河をM51A、伴銀河の方をM51Bなどと呼ばれることがあります。子持ち銀河としての発見(シャルル・メシエの発見)は、1781年のことだそうです。渦巻銀河としては大きな方で、10倍程度の双眼鏡でも何とか見えるそうでね。6,7倍では少々難しいかも、です。それにしても、240年ほど前の発見ですが、ヨーロッパ諸国がどんなに先進国だったかがよく分かります。

 これだけ2つの銀河が近いと、すごい重力の影響が考えられます。大きい方が直径10万光年程で、天の川銀河ほどあるようです。やがて2つが合体してしまうのかどうかは知りませんが、とても活発に星々が生まれている場所かも、です。なかなか見飽きない眺めですね。

 ところで、この撮影はZWOのCMOSカメラで撮影しました。まだまだCMOSカメラの扱い方に慣れていないので、結構苦労しています。ピント合わせだけでも、まだまだ大変です。PC画面とにらめっこしながら、ドタバタしています。CMOSカメラはとても感度が良いので、露出時間を短くできます。その分、コマ数を稼げるので、能率がとても良い感じです。まあ、その内に能率がもっと良くなるかも、です。

 我が家の経度は、およそ東経130度ほどなので、日没の遅いこと遅いこと。6月下旬の今頃は、20時頃にならないと、北極星が見えてきません。という訳で、21時頃からが、本当の星空時間です。

 そんな訳で、そろそろ観望と撮影の準備をします、です。

データ/ビクセンSX2・ES102ED・笠井等倍マルチフラットナー使用・ASI183MC・ゲイン120(?)・60秒・40コマ合成・2022年5月21日21時20分

 

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2022年6月23日 (木)

うしかい座

Blog_20220623192001  薩摩半島も梅雨明けがもう直ぐのようなんですが、その為に、この2,3日蒸し暑いこと……蒸し暑いこと。異常というべき蒸し暑さです。湿度も90%近くで、汗かき人間には、とても大変な時期です。早く、カラッとした夏が来て欲しいですね。

 ところで、UP写真は久しぶりに星座写真です。春の星座の最後尾、うしかい座です。左方向が天の北極方向です。東の空からうしかい座が昇るときは、こんな感じで昇ってきます。少し左には、おおぐまの尻尾が見えています。北斗七星の柄の曲線部から、アルクトゥールスへ向かって、春の大曲線が伸びています。さらにおとめ座のスピカまで伸びているのですが、残念ながら、スピカはもう少し南側なので、写っていません。

 ここ薩摩半島から見える、春の星々の中で一番明るい星は、うしかい座のアルクトゥールスです。アルクトゥールスは、全天で4番目に明るい星です。春の南天の空には、もっと明るいケンタウルス座のα星リゲル・ケンタウルス(全天で3番目に明るい星)がありますが、ほんのわずかの緯度の差で、薩摩半島からは残念ながら見えません(多分)。

 うしかい座の形は、ちょうどネクタイを横にした感じですが、明るい星が少ないので、なかなか形が見えてきません。うしかい座の東には、小さな星座のかんむり座がありますが、この星座も形を確認するのが、結構大変です。その東側には、夏の星座のヘルクレス座が見えています。ヘルクレス座の南には、へび座が見えます。このへび座は、蛇使いが両手で抱えている蛇の頭部に近い部分だけです。へび座は、頭部と尾部に分かれている珍しい星座です。その中央にへびつかい座があります。元々へびつかい座というひとつの星座だったのですが、プトレマイオスが二つの星座に分けてトレミーの48星座の中に入れたということだそうです。2000年ほど前のはるか大昔のことですが、なかなか面白いですね。

 6月の下旬の夜9時頃には、夏の星座が東の空に勢ぞろいしています。南にはさそり座が、その北側には夏の大三角も昇っています。天の川も夜が更けると、天高く目立つ存在になりますが、まだまだ梅雨空で、今年の天の川はまだ見ていません。今年は梅雨明けが早そうなので、夏の夜空も、もうすぐのような感じかも、です。

 という訳で、今夜は、どう考えても、冷たいYEBISU(個人的には)ですよね。

データ/ケンコースカイメモS・トキナー11~20F2.8・16ミリf4・30秒・ソフトフィルターとスターリーナイトフィルター使用・2022年5月2日21時頃

 

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2022年6月16日 (木)

おとめ座のM104ソンブレロ銀河

M104cmosblog  M104ソンブレロ銀河を、初めてCMOSカメラで撮影しました。いつもなら、8インチのシュミカセ+デジカメなんですが、さすがCMOSは感度がとても高くて、30秒ほどの露光時間で済みます。その分コマ数を多めに撮ることになりますが、まあ、今のところ便利に使っています。

 ただし、このACI183MCという非冷却の機種は、アンプグローというノイズが目立つ感じです。右隅から放射線状入ってくる感じです。こんなノイズが出るのも初めて知りました。ゲイン(感度)が高くて、露光時間が長いと出るそうです。最初は、どこかで入射光が乱反射しているのかな、と思い、遮光クロス(国際光器から取り寄せた植毛紙)をあちこちに張りました。Tリングまで張ったのですが、効果なし。当たり前でした……そんな問題ではなかったのですね。大変でしたが……いろいろと勉強になりました。

 という感じで、苦労しながらの撮影でした。このソンブレロというのは、西部劇に出てくるメキシコ人が被る帽子のことです。それを上下に組み合わせると、こんな感じの銀河になります。宇宙空間をUFOが飛んでいる眺めですね。M104は、渦巻銀河に分類されていたらしいのですが、最近では、楕円銀河に近いと分類されているようです。地球から4000万光年ほどのはるか彼方ですが、大きさが天の川銀河よりも大きいそうで、小さな望遠鏡でも撮影できるのかも、です。中央部が異常に盛り上がっていて、暗黒帯もはっきり確認でき、とてもユニークな形です。もう少し露光時間を長くすれば、淡い光をもっと取り込めたかも、です。この淡い光の領域には、球状星団が異常に多く、数千個もあるそうです。

 いろいろな形の銀河や星雲・星団があって、この宇宙はとても楽しい場所です。天の川銀河の中心部にあるブラックホールが、確実に存在することが明らかになりました。5月12日発表のブラックホールシャドーの写真は、とても衝撃的でした。観測技術がすごいスピードで進歩している、そんな感じがします。

 今夜の空は、梅雨空らしく、ドンヨリドンヨリで~す。という訳で、一休みで~す。

データ/ビクセンSX2・ES102ED・等倍フラットナー・ASI183MC・30秒・60コマ合成・2022年5月22日21時10分

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2022年6月 9日 (木)

月齢8.2 アペニン山脈周辺

82blog  九州南部も梅雨入り目前だそうですが、それにしても、蒸し暑いこと……蒸す暑いこと。ほとんど亜熱帯気候のような薩摩半島は、大変です。汗かき人間には、(少しだけですが……)応えますね。やはり乾燥した冬の方が、好きですね。

 写真は、月齢8.2の月面です。この日は、ちょうど上弦だったようです。上弦の月の前後が、クレーターの様子もよく分かり、迫力満点です。それでも、撮影となると、結構大変だということが分かってきました。ほんの少しだけ拡大しただけなのですが、ピント合わせはもちろんですが、大気の状態というか、空気の流れに異常なほど敏感になります。8インチのシュミカセに、1インチのASI183MCのCMOS カメラを接続して撮影しました。5200ミリほどの超望遠になっているはずです。月面の眺めが、揺れること揺れること……。その日によって少しは違うのですが……みんなどんな風に撮影しているんだろうか、と……いろいろと考えること多かりき、です。まあ、何とかいつものように、画像にはなっていますが、結構な(少しだけの)重労働です。 

 写真の左方向が北方向です。中央部のやや北側のアペニン山脈の周辺部です。上弦の頃のアペニン山脈は、アイピースで覗くとすごい迫力で、立体感が満点の眺めです。晴れの海と雨の海の境界部には、アペニン山脈、コーカサス山脈、アルプス山脈などの山脈が連なり、月面でも一番目立つ起伏です。朝日を浴びて、海に落ちる山々の影がとても美しいですね。アルプス山脈には、アルプス谷と呼ばれている長さ140㎞程の谷も見えています。溶岩流でできたらしいのですが、詳しいことは知りません。月面には、いろいろな地形があって、眺めるのもまた楽しみです。

 この写真を2倍程UPして撮りたいのですが、バローレンズを使うしかないような気がします。毎回、試行錯誤でやっています。その内、いろいろ準備して、挑戦してみます。

 という訳で、今夜は冷たい〈香るエール〉で乾杯します、です。

データ/ビクセンSX2・8インチシュミカセ・ASI183MC・ゲイン140・15ms・50コマ合成・2022年4月9日21時

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2022年6月 1日 (水)

おとめ座のマルカリアンチェーン

Blog_20220601135001  いつの間にか、6月になりました。6月一日の昼下がりです。昨日の天気予報では、今日は晴れだったのですが、どういう訳か、予報が全く外れて、梅雨のようなビチャビチャ雨です。九州南部の梅雨入りがいつになるのか、予想がつかないみたいですね。……まあ、薩摩半島に住んでいる者としての個人的な意見ですが、もうとっくに梅雨入りしていると思われます……というのが正解です。

 ところで、ブログをUPするのは、いつもなら木曜日の夜なんですが、明日は晴れそうなので、今日の昼間にUPしています。写真は、おとめ座のマルカリアンチェーンと呼ばれる、系外銀河の連なりです。ちょうど弧を描くように並んでいます。おとめ座とかみのけ座の周辺部では、とてもたくさんの系外銀河を見ることが出来ます。およそ6000万光年の距離のところに、2500個近い銀河があるそうです。渦巻銀河や楕円銀河の系外銀河の集団は、かみのけ座銀河団と呼ばれています。M(メシエ天体のM)のつく銀河もあります。どの銀河も結構明るくて、小さな望遠鏡でも撮影できそうです。この写真は、ビクセンの口径7センチの400ミリED屈折望遠鏡です。

 いつもと違って、今年は横位置で撮影しました。写真左下に写っているのがM87です。この銀河は、2019年にブラックホールシャドーが撮影された楕円銀河です。それまでは、ウルトラマンの故郷の星があるということで有名だったようですが、今では、ブラックホールシャドーのM87でとても有名です。どの銀河も中心部が明るくて、この写真でもそうですが、中心部がやや(画像処理があまり上手くなので……)飽和気味になっています。春と秋の星空は、天の川銀河の星々の明かりに邪魔されないので、はるか遠くの銀河を眺めることが出来ます。

 話は変わりますが、コーヒーを飲みながら昼間キーボードに向かって文章を書くというのも、またオツなものですね。今日は、平原綾香の歌を聴きながら作業をしています。いつもの夜時間ならば、チャーリーミンガスやMJQのジャズ、姫神や加賀谷玲なんですが、現代的な日本語の歌もまたいい感じです。ある時代を思い出してしまいます。

 という訳で、小休止して、一服します、で~す。

データ/ビクセンSX2・ビクセンED70SS・EOSKissX8i・ISO1600・80秒・等倍フラットナー・2022年5月2日21時10分

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