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2022年7月の4件の記事

2022年7月28日 (木)

さそり座の散光星雲NGC6357

Ngc6357blog  写真は、さそり座にある散光星雲NGC6357です。初めて撮影したのでは、と思います。形に特徴がないので、イマイチですが、日本では、別名彼岸花星雲と呼ばれているそうです。そういえば何となく右上に向かって咲いているような、そんな形です。それにしても、この星雲は特に暗いので、ISO3200で、1分半ほどかかりました。本当は、もっと露光時間が必要な気がします。1.5倍ほど時間をかけると、安物の赤道儀なので、間違いなく追尾エラーを起こしているところです。まあ、彼岸花を想像してみると、花らしく見えるので、まあ、いいことにします。

 この散光星雲は、高度が30度ほどなので、撮影も大変でした。いつも水蒸気が多い薩摩半島なのですが、今年は特別に多く、晴れているのに霞んだような空でした。今年は、日本国中至る所異常気象で、すっきりした星空に出会えないのかも、です。こんな夏もあっていいのですが、時には、気持ちの良い星空が見たいですね。

 散光星雲NGC6357は、天の川銀河の中心方向に近く、地球からの距離は6500光年です。星が非常に多い領域です。すぐ北隣りがいて座です。つい最近、いて座Aスターにある大質量のブラックホールシャドーの映像が公開されました。すごい衝撃でした。天の川銀河の中心にも、予想された通りにブラックホールがあることが明白になりました。天体観測の進歩は、すごいスピードです。さらなる発見が、期待できそうですね。

 天気がイマイチなんですが、次は、いて座方向の天の川を撮影する予定です。標準のカメラレンズで撮影できるので、楽々の作業です。もう少し高度が上がれば、賑やかな夏の星空です。くっきりとした天の川の流れを見たいですね。

 ところで、明後日の30日は、私的な記念日です。2012年7月30日に、ビクセンの80sf屈折鏡で初めて星を眺めました。忘れもしない……感動モノでした。でも本当は、1994年の12月が、ファーストライトです。しかし、正月明けすぐに、阪神淡路大震災に遭遇。友人から譲ってもらったビクセンのニュートン鏡は、破壊されました。昔のことですが、いろいろありました……ですね。

データ/ビクセンSX2・ビクセンED70SS・EOS60D (改造)・QBPフィルター使用・等倍マルチフラットナー・ISO3200・95秒・2022年7月22日21時30分

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2022年7月21日 (木)

さそり座のアンタレス周辺

Blog_20220721191201  今年の梅雨は6月下旬に一度明けたのですが、また2度目の梅雨が来た、そんな感じです。もうこうなると、梅雨というのではなく、雨季と呼んだ方がいいような感じがします。日本列島は、南に向かって、10度ほど緯度が南下したのでは、という印象です。もうすっかり亜熱帯なんですね。

 写真は、夏の星、さそり座の1等星アンタレスの周辺部です。天気が悪いので、まだまだ星空は無理ですが、その内に夏になるかも、という感じです……多分……。この写真は、最初の梅雨明けの翌日、6月28日に撮影したものです。いつもよりは早く梅雨明けして、夏が……来た……来た……なんて喜んだのですが、7月の初日から、異常に蒸し暑い日が始まりました。再びジメジメの毎日でした。それが3週間ほど続き、限界に近いムシムシとジメジメの日々はなかなか終わりそうにありません……という訳で、もう少し我慢我慢です。

 写真中央のアンタレスの赤い輝きは、異様な感じがします。表面温度は、3500度くらいでしょうか、終末が近い赤色超巨星です。元々寿命が短いので、余命は数千万年ほどかも、です。アンタレスの西側には、球状星団M4があります。この撮影は、中望遠カメラレンズを使っています。そのために、星の分離がイマイチです。もう少し口径が大きいと、満月に近い大きさの球状星団らしく見えるのですが……。アンタレスのすぐそばには、もう一つの球状星団NGC6144が見えています。地球からの距離が、M4に比べて4倍ほど遠いので、こんな感じでしょうか。

 この周辺は天の川銀河の中心部方向なので、星の密宗度が高い領域で、星々の海のように見えます。写真上部周辺には、巨大な暗黒星雲らしきものも見えています。なかなか賑やかなところで、天の川が天高く昇れば、真夏の素晴らしい星空が楽しめます。そんな夜空を、楽しみに待つことにします。

 という訳で、今夜はDHCの(少しだけ)冷たいビールにしま~す。

データ/ケンコースカイメモS・180ミリF3.5 マクロ・EOS60D(改造)・ISO1600・f4・60秒・2022年6月28日21時20分・我が家の裏庭

 

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2022年7月14日 (木)

月齢10.7の月面 ティコとクラビウス

107blog  写真は、月齢10.7の月面南部です。もう一日早ければ、この周辺のクレーターが朝日を浴びて、輪郭がはっきりしたのかも、です。中央に見えているのが、光条で有名なティコ・クレーターです。結構新しいクレーターで、深さ4800mもあり、形がとてもはっきりしている感じです。その右側(南側)の大きなクレーターがクラビウスで、直径220㎞ほどあり、月面で最大級のクレーターのひとつです。このクラビウス・クレーター内部には、小さなクレーターが大きい方から小さい順に6個、反時計回りで並んでいます。偶然にしては、上手くできています。不思議ですね。

 ところで、このティコとクラビウスのクレーターには、何故か思い入れあります。もう昔のことですが、いつ頃その映画を観たのかはっきりしません。スタンリー・キューブリック監督の映画「2001年宇宙の旅」という1968年公開のSF映画です。SF作家アーサー・C・クラークの原作ですが、まだ物語を書き終えていない頃、二人で脚本を書いたと言われています。その後何回か、日本でもロードショーが行われたと思います。多分2001年にも、世界で再上映された記憶があります。その当時としては、先進的なSF映画だったような思い出があります。人類の月面着陸の前だったし、コンピューターなんてまだまだ実用化されていない時代だったはずです。月面写真だけは、アポロ計画で撮影されているはずです。

 その映画の中での話です。月面基地がおかれていたのが、クラビウス・クレーターです。その基地から北に500㎞ほど行ったところに、ティコ・クレーターがあります。そのティコで、あの有名な謎の物体モノリスが発見されます。いろいろ探索中に、ティコで、異常な磁気というか磁性を発見したのでしょう。モノリス=TMA・1(Tycho Magnetic Anomaly) ティコ磁気異常1号。月面の深さ6メートルの地中からの発見です。これだけで、歴史上最大の発見になり、非常に大きな問題提起になります。このモノリスが、映画の最初から最後までを貫く「モノ」になります。とても記憶に残る映画でした。映画評論家ではないので、これ以上は書けません。

 多分部屋のどこかに映画のDVDがあるはずなので、近いうちにまた観てみます。という訳で、今夜も蒸し暑い夜なので、冷たい〈香るエール〉にします、です。

データ/ビクセンAP・ビクセンED80sf・パワーメイト2.5倍・ASI183MC・(3900ミリ相当?)・ゲイン140・1000分の18秒・100コマ合成・2022年4月12日21時頃

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2022年7月 7日 (木)

りょうけん座のM3

M3-blog  薩摩半島も、梅雨が明けて1週間が経ちます。梅雨明け後、2日間は快晴で、夏の星空が始まったのかと思ったのですが、そんなにはうまくはいきませんでした。梅雨明けが早すぎたようで、梅雨時期同様のムシムシの毎日に戻りました。おまけに台風4号が南から暖湿気流を運んできたので、異常な熱風と高温の毎日になりました。今年も異常気象で、変な夏が来るかも、です。

 写真は、りょうけん座の球状星団M3です。大きさも明るさも、球状星団としては5本指に入る見応えでは、と思います。満月よりは少し小さいですが、明るいので、6,7倍の双眼鏡でも確認できます。うしかい座のα星アルクトゥールスを視野に入れて、ほんの少しだけ(10度程)北西に動かせば、明るい光が見えるはずです。くっきりと晴れていれば、恒星とは違く輝きに見えます。この周辺は星が少ないので、結構目立ちます。口径8cm程度の望遠鏡で眺めれば、周辺部の星が分離して、迫力ある眺めになります。

 このM3は、地球からの距離が33000光年程です。天の川銀河の半径が5万光年ということを考えると、遥か彼方の領域です。球状星団をつくっている恒星の数は、50 万個以上だそうで、いかに巨大かが分かります。メシエ番号が3なので、シャルル・メシエが観測を始めた最も初期の頃の発見です。1764年から観測を初めて、M103まで20年間観測を続けるんですね。それだけではなく、彼は、40個以上の彗星も発見しています。天文機器がまだまだ十分ではない18世紀のことですから……超人的というか……すごいことなんですよね。

 それはそれとして、春の星座は、すっかり西空に移動してしまいました。夜10時頃には、しし座もおおぐま座も仲良く西の水平線に沈みかけています。うしかい座の1等星アルクトゥールスも、天頂を越えて西の空です。この球状星団M3が、春の星空の締めくくり……ですね。

 という訳で、今夜は、冷たいYEBISUで~す(それでも、40分ほど前に冷蔵庫から出して、温めるんですよね……変なの)。

データ/ビクセンSX2・ES102ED・CMOS ASI183MC・等倍マルチフラットナー・30秒・ゲインは不明・2022年5月22日21時20分

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