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2022年9月の5件の記事

2022年9月29日 (木)

月面アリアデウス谷

7blog  写真は、月齢7.2の月面中央部やや北の、静かの海の西岸付近です。左方向が、月面での北方向です。起伏の少ない晴れの海から、クレーターが目立つ荒涼地帯への入り口です。海と言っても、平坦な地形ではなく、ごつごつの岩だらけの大地のようです。この写真を見ると、静かの海や晴れの海は、サッカーでもできそうな、平たい球場のような感じに見えるのですが、全く違っていて、器用な月面車が走るのも、とても大変だそうですね。

 写真の右上隅に、アポロ11号の着陸地点が見えます。着陸船が降り立つのでしょうから、NASAもとても気を使ったはずです。それでも、多分岩だらけの荒れ地だったはずです。月面の海と言うのは、どこも岩ゴツゴツの場所だそうです。

 静かの海の西海岸から、アリアデウス谷が始まっています。海岸近くにある小さなクレーターが、アリアデウス・クレーターです。アリアデウス谷は、そこから西方向に延びている長さ220㎞もある巨大な谷です。幅は4~5㎞、深さは800mもあります。谷の中央部で、南北に5㎞程ずれています。溶岩台地をつくった、地殻変動が激しい39億年前の、産物なんでしょうか……。

 もっといろいろな月面地形を撮影したいと思っていますが、拡大するのがとても大変です。この撮影は、8インチのシュミカセにASI183MCのCMOSカメラを接続して撮影しています。焦点距離は、1インチのCMOSカメラなので、およそ5200ミリでしょうか。クレーターをもう少し拡大するには、焦点距離を2倍から3倍程延ばす必要があります。2.5倍のバローレンズを持っているので、次回はそれを使っての撮影に挑戦してみます。この画像は、70コマ合成です。もっと多く撮る必要があるのかも、です。動画の方がうまくいくのか、まだまだ不勉強で、よく分かりません。そうは言っても、実際はなかなか大変な作業なんですが……まあ、ノンビリ考えて、準備をしてみます。

 今夜の薩摩半島の天気は、曇りの予報なのですが、晴れるかも、というかすかな望みもありそうで、昼下がりの今、Blogを書いています。という訳で、星空を期待して待つことにします、です。

データ/ビクセンSX2・セレストロンC8・ASI183MC・ゲイン130・18㎳・70コマ合成・2022年6月6日21時30分

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2022年9月22日 (木)

天の川 M8周辺

M8blog  夏の星雲星団と言えば、先ず、散光星雲M8の干潟(ひがた)星雲でしょうか……。天の川の星々の中にあって、肉眼でもよく見えるというのが最大の理由です。写真中央の赤い星雲がM8です。干潟という愛称は、星雲内を暗黒帯が走っていて、干潟に似ているところから、付けられたそうです。毎年撮影をしていますが、今年は、ボーグの55FLでの撮影でした。アップで撮るとすごい迫力ですが、こんな感じで撮ると、天の川と調和して、とてもいい感じになります。

 ボーグの55FLに専用レデューサーを付けると、200ミリF3.6になります。それを、EOSのAPS-Cにつけると、320ミリF3.6です。適当な中望遠になって、明るさは3.6です。明るいので、撮影がとても楽ちんですね。

 M8までの距離は、4000光年程です。直径10万光年の天の川銀河全体から見ると、太陽系にとても近いということが分かります。このM8 を近くで眺めると、どんな迫力なんでしょうか……想像もつきません……。

 M8の上部に小さな散光星雲が見えています。三裂(さんれつ)星雲と呼ばれている、M20です。星雲内を暗黒星雲が走っていて、3つに分裂しているように見えるところから、愛称が付けられたようです。地球からの距離は5600光年程で、M8よりは少しだけ遠いようです。やや暗いので、肉眼では勿論見えないし、6、7倍の双眼鏡でも見えないのでは、と思います。

 それにしても、周辺の星々の海の美しいこと……。天の川の中心部方向だけあって、星の密度は異常なんですね……。その中に浮かぶ散光星雲……とてもいい眺めかな、と思っています。人間(生命体)の故郷でもある星の世界、死後は、また、星の海に〈原子・分子〉の姿で還っていくのでしょうか……。

 という訳で、まだまだ暑いので、今夜は少しだけ冷たいYEBISUビールを頂きます。

データ/ケンコースカイメモS・ボーグ55FL・EOS60D(改造)・ISO1600・50秒・2022年8月2日21時40分

 

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2022年9月15日 (木)

はくちょう座の北の空

Blog_20220915133801  今夜も晴れそうなので、Blogを昼過ぎの今、書いています。Blogを昼間書くというのは、何となく気分が乗らないのですが、仕方ありません。このところ、雲が多くて、まともに天の川を見ていません。昨夜も夜裏庭で、三脚を出して、空が晴れるのを待っていました。流れる雲の合間に、天の川が少しだけ見えるのですが、ほとんど迫力のない眺めでした。いて座周辺の星の海を、標準レンズで撮影する予定でした。雲の流れの隙間を狙って、少しだけ撮影できました。と、言っても、一時間半の間に撮影できたのは、僅か10コマ程でした。時間に直せば、たった15分間ほどです。こんなにも星空が見えない夏というか秋も、とても珍しい感じがします。

 写真は、はくちょう座の北の空です。この日の撮影も、慌ただしく、大変でした。雲の合間のわずかな時間での撮影です。はくちょう座の後ろ側の北の空です。はくちょう座のデネブの隣に、北アメリカ星雲とペリカン星雲がかすかに写っています。空の状態が良ければ、普通のデジカメでも写るのですね。その北側にも、散光星雲らしきものも写っているようです。

 さらにその先にも、天の川がずーっと続いていて、秋の空に向かって流れています。星の密度も高く、なかなか賑やかな星空になっています。天の川は、この先、ケフェウス座をかすめて、カシオペヤ座、ペルセウス座に繋がっています。11月ごるには、秋の天の川となって、北の空を真横に流れるという訳です。この秋の天の川も、なかなかの見ごたえがあって、毎年撮影をしています。

 天の川は、一年中眺めることが出来ます。太陽系が天の川銀河の中にあるので、当たり前と言えば当たり前なんですが……。

 もうすっかり、星空は秋なんですね。東の空には、ペガススの四角形が昇ってきました。みなみのうお座の1等星フォーマルハウトも、低い南東の空に昇っています。今年は、土星と木星が明るく輝いています。秋には、CMOSカメラで、木星と土星の撮影に挑戦しようと思っていますが、初めてなので、どうなることやら……。

 という訳で、今夜の晴れた星空を期待して待つことにします。

データ/ケンコースカイメモS・トキナー11~20ミリF2.8・EOSKissX8i・20ミリf4・ISO1600・25秒・2022年8月3日21時50分

 

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2022年9月 8日 (木)

はくちょう座γ星サドル周辺部

Blog_20220908130101  今夜は晴れそうなので、昼下がりの今、Blogを書いています。今日の夜は、月齢11.8の月と土星が接近するので、それを眺めようと思っています。本当は、真夜中の方が最接近なので最適だそうですが……。

 それにしても、今年は晴れた日が少なくて、星見観望会や天文イベントが軒並み中止になったようです。梅雨が終わると、お盆前から今度は秋雨前線による雨でした。9月に入ってからも、まともな星空を見ていません。10年前と比べて、星空が見える夜が3分の1に減ったという情報もあります。確かに、薩摩半島でもそんな感じがしています。温暖化が異常に進んで、大気は水蒸気だらけになりかけているのかも、です。気候変動がとても気になります……ですね。

 ところで、写真は、初めて撮影した、はくちょう座のγ(ガンマー)星サドル周辺部です。はくちょう座のα星は、尻尾のデネブです。その隣の胴体部分の、明るい2等星(写真中央付近)がサドルです。γ星になっていますが、本当ははくちょう座で2番目に明るい星だそうです。このサドルを取り囲むように、赤い散光星雲が広範囲に広がっています。さらに暗黒星雲やら散開星団らしきものも見えていて、とても複雑な構成です。赤い星雲は、肉眼では見えないということですが、晴れた夜には双眼鏡で明るい部分が見えることもあるそうです。サドルの東側(左側)の明るい散光星雲は、バタフライ星雲という愛称で呼ばれているそうですが……う~ん……そう言われると、そんな感じもしますけれど……。

 まだ9月上旬なんですが、夜10時頃には、さそり座やいて座、夏の大三角も子午線を越えて、西空に傾き始めています。東の空には、秋の星座が次々と昇ってきます。アンドロメダ星雲M31も、つい最近双眼鏡で眺めることが出来ました。もうすっかり、星空は秋なんですね。土星も木星も、この秋が一番の見頃なので、またゆっくり眺めてみようと思います。

 という訳で、すっきりとした星空を楽しみにしています。

データ/ビクセンAP・ボーグ55FL・専用レデューサー・EOS60D(改造)・QBPフィルター使用・ISO1600・120秒・2022年7月28日21時20分

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2022年9月 1日 (木)

北天の星の軌跡

Nblog 久し振りの、快晴の空でした。先週の木曜日、夜は晴れそうなので、昼間にBlogをUPしました。予想通り、日没頃から晴れて、満天の星空でした。3週間ぶりの、懐かしい星明りです。こういう時は、ワイドレンズで星座を撮るか、星の軌跡を撮るか……です。

 という訳で、19時半ごろから、準備開始です。とは言っても、西側の空は、まだまだ夕空の明かりが残っていました。実際、撮影を開始したのは20時過ぎです。撮影の準備はとても簡単で、撮影はもっと簡単です。三脚に広角レンズ付きデジカメをセットして、ピントを合わせて、対象方向を決めて、タイマーリモートコントローラーのスイッチを押せばいい訳で、10分もかかりません。ここは、薩摩半島の片田舎なので、とても暗い所です。感度を上げて、露光時間を長くしないと、近景が全く写りません。

 露光時間1分、感度1600、60コマです。という訳で、上手くいけば、星々が天の北極を中心に15度ほどの弧を描くはずでした。……が、そう上手くはいきませんでした。最初の部分と最後の部分が、雲によってとぎれとぎれになっていました。薄い雲ならば、星の光が途切れることはないのですが、想定外でした。

 そういう訳で、三十数コマだけが使えるコマでした。それが、この写真です。まあ、何とか星の軌跡になっているのでは、と思います。左部分には、森に沈みかけた北斗七星のひしゃくの一部が見えます。右端上部には、少し明るい天の川とはくちょう座の明るい輝きが見えているようです。

 この夜は、満天の星空に欲が出て、南の空も撮影しました。三脚の隣に小さな赤道儀をセットしての、撮影でした。撮影対象は天の川のいて座の周辺です。最近話題になっていた、いて座Aスター近傍で、天の川銀河の中心部、ブラックホールがあると言われている場所です。50ミリレンズで、南斗六星とAスターあたりが写っていればいいのですが、まだ画像を確認していないので、詳細は分かりません。のんびり画像処理をしてみます。

 という訳で、今夜は久し振りに、DHCの(少しだけ)冷たいビールを頂きます、です。

データ/EOSKissX8i・トキナー11~20ミリF2.8・ISO1600・f5.6・60秒・三十数コマ・2022年8月25日20時40分

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