皆既月食と天王星食
写真は、11月8日夜の、皆既月食中の赤銅色の月です。皆既月食中に起こった、とても珍しい天王星食も同時に眺めることが出来ました。天気がとても心配でしたが、快晴の夜空で、気持ちよく観望することが出来、感動モノでした。
この夜、撮影に使ったのは、ES社のED102屈折鏡です。少々重いのですが、柔らかい描写が気に入っています。これに、笠井の等倍マルチフラットナーを接続すると、APS-CのEOSKissなので、焦点距離が1100ミリほどになります。ちょうど、月面が大きくもなく、小さくもない感じかな、という計算でした。
皆既に入ってから、のんびり撮影という予定でした。風呂上がりに、上着を多めに着て、観望・撮影の準備をしていた時には、月が半分近く欠けていました。少々慌てて、赤道儀の極軸合わせをして、月の導入です。どういう訳か、月にピントを合わせようとしても合いませんでした。手違いで2インチのスリーブ延長筒が長すぎたようで、慌てて短い延長筒に交換です。この辺で、19時を過ぎていました。
暗い月面でのピント合わせの難しさを、忘れていました。ここからが、大変でした。暗い月面でのピント合わせです。海と陸の境界部分を拡大して、何回もピント合わせ……行ったり来たり……です。最後に、月の輪郭のピントを確認して、何とか、やっとOK です。その頃には、月の左15分ほどのところに、天王星を確認。6等級にしては、明るい輝きでした。
デジカメの液晶モニターを眺め、シャッターを切りながら、天王星が月に接近するのを眺めていればいい訳で、やっとノンビリできました。天王星の動きの速いこと……というよりは、月の動きの速いこと速いこと……。赤道儀が月追尾モードになっているので、星の方が動いていることになります。そして、天王星が月に潜入する瞬間までモニター画面にくぎ付けです……これが天王星食ですから。
日本で見られる惑星食は、1580年7月26日の土星食以来、442年ぶりのことです。次の惑星食は、322年後の2344年7月26日の、これも土星食です。次の天王星食は、遥かな未来になるようで、何千年も先になるかも、です。
今、東の空に、月齢15.7の明るい月が昇っています。地球のただ一つの衛星である月があってよかった、そんな感想です。という訳で、今夜は、〈香るエール〉で乾杯しま~す。
データ/ビクセンSX2・ES102ED・笠井等倍マルチフラットナー・ISO1600・A・二分の一秒・露出補正-1・2022年11月8日20時19分5秒
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