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2022年12月の5件の記事

2022年12月29日 (木)

おうし座のヒヤデス星団

Blog_20221229184601  写真は、おうし座のヒヤデス星団です。先週UPしたM45スバルと同じ散開星団で、一等星アルデバランの近くに集まっている星の集団です。7倍の双眼鏡で眺めると、視野いっぱいに青白い星が広がっているのが見えます。なかなかの見ごたえで、宇宙の神秘さを感じてしまいます。明るい黄色っぽい色合いの星がアルデバランですが、ヒヤデス星団とは関係なく、同じ方向に見えているだけです。肉眼でもいくつかの星が、V字型に広がっているのが見えます。

 ヒヤデス星団が東南東の空高く昇ると、本格的な冬の星空になります。年末の夜8時頃になると、冬のダイヤモンドの全景を見ることが出来ます。アルデバランも6個の星のひとつです。寒い夜の星々ですが、たくさんの1等星、2等星の輝きは、それだけで感動モノです。

 このヒヤデス星団を構成する巨星のひとつに、巨大な惑星が発見されたそうです。この発見は、日本の国立天文台と大学の研究グループの観測データから導かれた結果だそうです。惑星が見つかったのは、おうし座のε(イプシロン)星だということです。ε星は、写真の中央最上部の星です。地球からの距離が150光年程なので、太陽系のすぐ近くという感じです。

 散開星団での系外惑星の発見は、世界で初めてのことだそうです。なかなか興味ある、ニュース・情報です。天文科学の進歩によって、系外惑星がどんどん発見されています。今でも何千個という星に、系外惑星があるということだそうで、これからも増え続けていくのでしょう。

 それにしても、宇宙は途方もなく巨大です。宇宙の1パーセントを理解するにも、何万年、何十万年もかかるような気がします。本当は、もっと長い時間軸が必要かも知れません。人間にとっては、永遠のような感じもしてきます、ですね。

 という訳で、2022年も、明日と明後日だけになりました。2023年がどういう年になるのか、全く予想もできません。というよりも、来年の今頃は生きているのだろうか……何て……ふと思ってしまいます。

 追伸・この写真は、オリンパスOM-1Ⅲで撮影しました。レンズは、ズーム40~150ミリF4(卵の1個分ほどの重さで、おもちゃのようなレンズです)、焦点距離は、100ミリです。初めて星AFを使いました。ところが、結構きちんとピンがきていて、非常にシャープです……スゴイ……。こういう技術も発達したのですね……日本もエライ……。

データ/ケンコースカイメモS・OM-1Ⅲ・40~150ミリF4・ISO1600・100ミリf4.8・40秒・ソフトフィルター使用・2022年11月26日21時20分

 

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2022年12月22日 (木)

おうし座のM45スバル

M45blog  冬の始まりは、やはり〈スバル〉のような気がします。冬の星座で、東の空から最初に昇ってくるのが、おうし座とぎょしゃ座です。その星座の中でも、いちばん目立つのが、おうし座の散開星団スバルとぎょしゃ座の一等星カペラです。11月の中旬、ひんやりとした日没後の空に輝き始めます。

 写真が、散開星団スバルです。満月の4,5個分ほどの大きさがあります。正式には、プレアデス星団と言い、メシエカタログには、M45として掲載されています。清少納言の随筆『枕草子』に、〈星はすばる。ひこぼし……〉と書かれている通り、肉眼で見える星々の中で、とても目立つ星明りなのでしょう。視力の良い人は、4,5個の星が確認できるそうです。青白い輝きは、冬の寒さをより一層感じてしまいますが、とても珍しい眺めだったようです。

 平安時代の人々は、東山の稜線の上に昇ったスバルを、冬ごとに眺めていたのでしょうか……。その当時の夜空と言えば、多分漆黒の闇に近かったはずです。乾燥した冬の冷気の中で、今よりもはるかに明るい輝きだったはずです。それにしても、寒い冬の都で、障子窓を開けて星空を眺めるには、それなりの好奇心というか、深い思い入れがあったはずです。その想いや気持ちは、今の時代にもつながっている、そんな気がします。本当は、紀元前3000年も4000年も前から、人々は星々を眺め続けてきたはずで、人類の歴史と共に続いているのでしょう。そう考えると、遥かな歴史の重みを感じてしまいます。

 M45スバルは、太陽系からの距離が400光年程で、比較的に近い、というよりもすぐ近所といった方がいいのかも知れません。散開星団は、若い星が多く、惑星も生まれ始めている、かもです。実際は、何百という星の集団でしょうか……。ギリシャ神話から推測すると、巨人アトラスの7人の娘たちが踊っている姿になるそうですね……詳しいことは知れませんが……。

 ところで、今夜は雨で、スバルも何も見えません。時々突風が吹いて、真冬らしくなりました。明日から、南国薩摩半島も雪が積もるかも、という天気予報でした。という訳で、一休みしま~す。

 データ/ビクセンAP・ビクセンED70SS・等倍マルチフラットナー・EOSKissX8i・ISO1600・100秒・2022年12月15日20時20分頃

 

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2022年12月14日 (水)

天の川 冬へ

Blog_20221214192401  薩摩半島も、やっと冬本番になりました。東シナ海では寒気の流れ込みが始まり、雪は降りませんが、北西の風の冷たさを思い出しています。例年よりも少しだけ早い、冬らしい天気です。それでも、日差しが強い日には、12月でも車の中が暑いのでエヤコンを使っています。変な感じですが……。

 写真は、11月末の夜9時頃の北の空です。秋の天の川が西に傾き始めています。こんな感じになると、毎年のことですが、体感的に冬が始まります。カシオペヤ座もアンドロメダ座も子午線を越えて、西に傾き初めています。ペガススの四辺形は、もうすっかり西空です。アンドロメダ座のM31が中央付近に見えています。肉眼でもよく見えるので、広角レンズでも、とてもはっきり写っています。

 写真右上隅に、おうし座の散開星団スバルが見えます。とても明るく、冬を象徴する派手な輝きです。青白いので、少々寒々しいのですが、なかなかの見ごたえです。スバルの下、画面ギリギリのところには、ぎょしゃ座の1等星カペラが見えています。全天で、6番目に明るい1等星です。ソフトフィルターを使っているので、さらに明るい輝きです。

 天の川は、夏ほどではありませんが、それなりに、星々の流れる川のように見えます。天の川は、ペルセウス座からぎょしゃ座を通り、ふたご座とオリオン座とおおいぬ座をかすめて、とも座、南十字星、ケンタウルス座へ繋がっています。薩摩半島の南部からは、とも座とケンタウルス座の一部しか見えません……残念ながら。石垣島よりも南の星空は、見たことはありません。南天の天の川は、一生の憧れですが……。

 明日の夜は晴れそう(個人的な天気予報ですが)なので、水曜日の今夜、Blogを書いています。12月に入って、まだ一度もまともな星空を見ていません……というよりも3週間近く、ほとんど曇り空でした……。明日の夜は何とか晴れて欲しいものです……ね。という訳で、小休止して、明日の撮影の準備をしておきま~す。

データ/ケンコースカイメモS・トキナー11~20ミリF2.8・EOSKissX8i・ソフトフィルター使用・ISO1600・f4・30秒・2022年11月26日20時50分

 

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2022年12月 8日 (木)

月齢16.2の危機の海

Blog_20221208191201  写真は、月面の危機の海と呼ばれているところです。月面の東の端にあり、新月過ぎか、月齢16日前後でしか詳しく観察できないような場所です。直径450㎞ほどの円形のような形の海です。危難の海とも呼ばれていて、特別に黒っぽい色をしています。月面の海というのは、ほとんど周辺の海とどこかで繋がっているのですが、この海は、どの海とも繋がっていません。最初は大きなクレーターかな、と思っていましたが、そうではなく、外輪山のような険しい山に囲まれた海でした。少しだけですが、何となく不気味な感じの海に見えました。名前も、そんなところから付けられたのでは、と推測しています。

 この危機の海は、月面ではもっとも深い海で、平均標高よりも4000mほど深い海のようです。黒っぽい色は流れ出た玄武岩の色で、やや暗い巨大な平原のようです。望遠鏡で低倍率で覗くと、特別に目立つ場所かも、です。

 この写真は、CMOSカメラで撮影しました。テスト撮影も兼ねていたので、静止画と動画も撮りました。100コマほどですが、動画100フレームの合成よりも、静止画像の100コマ合成の方がはるかにクッキリでした。フレームをもっと多くすれば、動画の方がいいのかも知れませんが、経験がないので分かりません。

 月面をCMOSカメラで撮影するのは、とても楽しく、いろいろと勉強になります。解像度を少し落として拡大したりしています。ピント合わせがいまだに上手くなりません。もう少しUPするには、バローレンズを使えばいいのでしょうが、まだまだ自信がありません。まあ、以前に比べれば、少しはUPできているのかな、というのが今の感想です。

 今夜は満月ですが、月は雲の間を移動しています。すっきりした夜空を、このところ見ていません。月の西側近くの光は、火星なんでしょうねえ、多分。という訳で、少々寒いですが、裏庭に出て、満月を少しだけ眺めてきます、で~す。

データ/ビクセンSX2・セレストロンC8・ASI183MC・ゲイン135・10ms・100コマ合成・2022年10月12日22時頃

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2022年12月 1日 (木)

ペルセウス座のカリフォルニア星雲

Blog_20221201192101  写真は、先週撮影した、ペルセウス座のカリフォルニア星雲です。NGC番号は、1499です。アメリカのカリフォルニア州に似ているところから、名前が付けられたそうです。確かに、細長い所が似ている感じもします。大きさは満月5個分ほどの、巨大な星雲です。とても淡い散光星雲ですが、淡い割には撮りやすいかも、です。というのも、この周辺は天の川から少しだけ外れたところなので、後ろの星空がやや暗く、赤い輝きがとても目立からかも知れません。

 カリフォルニア星雲のすぐ下(南)に見える、ペルセウス座のξ(くしー)星からの強烈な光を受けて、星間ガスが輝いているような感じですが……詳しいことは知りません。散光星雲の輝きは派手なものが多いのですが、このカリフォルニア星雲はとても地味で、とても柔らかい感じの光です。

 ペルセウス座は秋の星座ですが、星座の位置は、冬との境界線あたりです。すぐ南に、冬の星座のおうし座があります。探すときは、おうし座の散開星団スバルから北方向に辿っていく方が楽なのかも、です。しかし、この散光星雲は、肉眼でも双眼鏡でも見えないようで、探すのも少し大変ですね。

 ところで、星空は、秋から冬に変わりつつあります。九州でも、この冬初めての寒波襲来です。九州北部の山間部では、初雪だそうです。冬型の気圧配置になると、東シナ海も雲だらけになって、最低二日ほどは曇り空になります。こちらに引っ越してきて初めて知ったのですが、薩摩半島は裏日本になるそうですね。雪はめったに降りませんが、雲の多いこと多いこと……。その合間を見つけては、星見をしています。晴れた冬の星空はとても透明度が良く、星々の輝きは感動モノです……少々寒いですが……。

 という訳で、12月中旬以降には、この星Blogも冬の星々になります。今夜の月は、雲間を移動しているだけで、姿はほとんど見えません、で~す。

データ/ビクセンAP・ボーグ55FL・専用レデューサー・EOS60D(改造)・QBフィルター使用・ISO1600・70秒・2022年11月24日21時20分

 

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