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2023年2月の4件の記事

2023年2月23日 (木)

オリオン星雲M42

M42blog_20230223185201  写真は、オリオン座にある散光星雲M42です。オリオン星雲とか、〈大〉を付けてオリオン大星雲とか言われている巨大な星雲です。太陽系にいちばん近い散光星雲です。地球からの距離が1300光年程の近さで、直径も20 光年程あるので、肉眼で見えるのも当然かも、です。

 オリオン座は、2月の上旬の、節分・立春の頃の夜9時ごろに、南中します。オリオン座自体が目立つ星座で、その中にある2等星の三ツ星のすぐ南にある小三つ星の中央あたりが、この散光星雲のようです。赤い光は肉眼では見えませんが、中央の白トビした部分は明るく、肉眼でもはっきり見えています。冬になると、晴れた日には、毎回見ているような気がします。

 初心者には、とても有難い星雲です。肉眼で見える星雲・星団はとても少ないので、大変貴重な存在です。星見を初めて、最初に撮影するのが、このオリオン星雲M42や散開星団すばる、春の散開星団プレセペ、夏の干潟星雲M8や球状星団M22、秋はアンドロメダ銀河などです。肉眼で光も場所も確認できるので、最初の被写体でした。もう十年ほど前ですが、ワクワクしながら撮影した思い出があります。

 星雲・星団は、撮影するたびに、毎回何となく違う雰囲気になっています。大気の状態に影響されるような感じです。左の写真も、もう少し淡い光が広がっていたような気がしますが、撮影後の画像処理の違いかも……です。

 今夜は曇り空で、時々弱い雨が降っています。来週には少しは晴れそうなので、時間があればオリオン星雲を、CMOSカメラで撮影してみます。ただ、来週は月明かりの影響があって、少々無理かも……です。東の空には、かに座やしし座、うみへび座が昇ってきました。星空は、もう春になりかけています。

 という訳で、一休みで~す。と言っても、今夜はまだすることがありまして……。中古でSX用の極軸望遠鏡を手に入れました。ビクセンのAP赤道儀に使う予定なのですが、照明装置がありません。何とかガラクタを利用して作る必要があります……どうしても……です。

データ/ビクセンSX2・ES102ED・EOS60D(改造)・笠井等倍フラットナー・QBPフィルター使用・ISO1600・90秒・2022年12月27日21時40分

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2023年2月16日 (木)

ズィーティーエフ(ZTF)彗星

Ztfblog  やっと、ズィーティーエフ(ZTF)彗星を撮影しました。写真中央のぼんやりした輝きが彗星です。おうし座の1等星アルデバランに近づいています。2月14日、日が暮れて、撮影の準備をしていたのですが、なかなか雲が切れないので、1時間程待ちました。おうし座に薄い雲がかかる中、彗星のおよその位置を確認して、構図を決めて、さらに待つこと30分……晴れるのかなあ……なんて思いながら……。やがて、アルデバランがくっきり見え始めたので、液晶モニターを眺めながら微調整。そして、最初のシャッター……。

 一コマ目に、彗星らしきぼんやりとした輝き、僅かに北東方向に延びた彗星の尾も見えていました。一人で歓喜と歓声……。彗星の撮影は、これで3度目です。2015年3月のラブジョイ彗星、2020年7月のネオワイズ彗星、そしてこのズィーティーエフ(ZTF)彗星です。2020年のネオワイズ彗星は、とても明るかったので、肉眼でもくっきり見えました。

 まあ、ズィーティーエフ(ZTF)彗星を撮影できただけでも幸運です。近日点をとっくに過ぎていて、地球への最接近も終わって、やや暗くなっていますが、まだまだ6.5等級ほどの明るさでしょうか……。尾も少しは短くなっているのでしょうが、何とか彗星の姿をしています。

 撮影画像を確認すると、彗星の位置(核とコア)が少しずつ移動しているのが分かります。すごいスピードで動いているのですね。後で、何コマか合成するのですが、5コマが限界のようです。時間にして3分から4分ほどです。

 この彗星は、惑星の影響を受けて、軌道が双曲線軌道に変化しているそうで、もう二度と太陽系には近づかないそうです。不思議な世界ですね……この宇宙は……。

 ところで、写真左上隅に、散開星団NGC1647も写っています。アルデバランの周辺には、ヒヤデス星団の星々も見えています。なかなか良い眺めです。ほとんど天頂付近なので、双眼鏡で眺めるのは諦めました。6、7倍の双眼鏡で、彗星が見えたかどうかは分かりません。

 という訳で、今夜も晴天のようで、3日続けて星見日和です。まだまだひんやりとした外気ですが、今日の星見と撮影の準備をしておきます。

データ/ケンコースカイメモS・ボーグ55FL・EOSKissX8i・ISO1600・40秒・5コマ合成・2023年2月14日20時56分

 

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2023年2月 9日 (木)

オリオン座エンゼルフィッシュ星雲

Blog_20230209125501  今年最初に撮影した画像です。正月が明けても曇り空ばかりで、星空もなかなか見えませんでした。やっと少しだけですが、晴れたのが、この日1月10日でした。この5,6年でしょうか、水蒸気が多くて、すっきりした青空がどんどん減ってきたように思います。これから先10年、20年経ったとき、大気汚染も手伝って、大気の状態が悪い方に変わってしまうのが、少々心配です。

 写真は、オリオン座の散光星雲エンゼルフィッシュ星雲です。金魚のエンゼルフィッシュそのままの形に見える……そんなところから付けられた名前です。背びれも見えるし、眼も付いています。正式なカタログナンバーは、NGC7822です。

 狩人オリオンの頭付近ですが、1等星ペテルギウスと2等星ベラトリックスが写真の下部分に見えているので、エンゼルフィッシュ星雲の大きさが想像できるのでは、と思います。この姿が肉眼で見えたなら、すごい迫力でしょうが、赤い輝きは肉眼では見ることが出来ないのがとても残念です。

 オリオン座の周辺には、散光星雲があちこちにあります。オリオン星雲やバーナードループ、バラ星雲やカモメ星雲など、撮影対象がたくさんあって、撮り始めたら、寒さも忘れるほど忙しい時間になる、かもです。冬のダイヤモンドの六角形とその中を流れる冬の天の川が見えたら、それこそ至福のひと時になるのでしょう……。

 まだまだ冬の真っ盛りなのですが、南風が吹くと、薩摩半島は春遠からじ……という感じです。という訳で、コーヒーブレイクで~す。

追伸 昨夜は、晴れたらズィーティーエフ(ZTF)彗星を撮影しようと思っていたのですが、PM2.5と薄雲のため中止しました。彗星はどんどん地球から遠ざかっているので、撮影は少々無理な感じで~す……残念。

データ/ケンコースカイメモS・100ミリF2.8マクロ・EOS60D(改造)・QBPフィルター使用・ISO1600・f3.2・100秒・2023年1月10日20時40分

 

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2023年2月 2日 (木)

月齢12.2のコペルニクスクレーター

New110blog  写真中央の大きなクレーターが、月面のコペルニクスクレーターです。月面のクレーターはたくさんあるのですが、コペルニクスが一番目立つのでは、と思います。というのも、やや暗い海と呼ばれている平原の中でくっきりとしていて、双眼鏡でもはっきりと見えるからです。

 写真左方向が北の方向です。月の直径が3500㎞ほどなので、写真の左右(南北)の長さは、1200㎞ほどかな、と思います。ということは、日本列島で例えると、九州南部から東北の福島県や新潟県までが、対角線方向に入るということです。そう考えると、コペルニクスクレーターの大きいこと大きいこと……途方もなく巨大です。コペルニクスクレーターの直径がおよそ93㎞なので、この中に東京都と神奈川県がほとんど入ってしまいそうな、そんな感じがします。眺めた時の印象と実際の大きさには、雲泥の差があって、想像するのがとても難しいかも、です。

 おまけに、クレーターの深さは3700mほどで、これまた想像も出来ません。クレーターの周囲には、光条と呼ばれる明るい筋状のものが見えます。外部物質による衝突でできた痕跡です。このクレーターは8億年ほど前に形成されたそうですね。大きなクレーターの場合は、まき散らした光条物質が多いので、10億年以上も変化しないそうです。時間の長さも、普通ではないので、これまた想像すら出来ません。

 ところで、CMOSカメラで月面を撮影していますが、以前に比べて、少しは拡大できているような気がします。メインの望遠鏡が8インチのシュミカセなので、限界があります。CMOSカメラで拡大して、さらに解像度を少し落としてひと回りUPしています。これ以上拡大するには、バローレンズを使うしか手がないのですが……難しそうで、なかなか先へ進めません。問題は、ピント合わせです。大気の状態が良い時は楽なのですが、月面がゆらゆらしているときは、ピント合わせが不可能な気がします。2.5倍のパワーメイトを使う機会が、まだ一度もありません。

 という訳で、焦点距離5200ミリ~8000ミリ程度で、もう少し続けてみます。今夜は月齢11.6の明るい月が、天高く昇っています。しかし、よく見るとぼんやりと霞んでいるようです。PM2.5の影響なんでしょうか……多分……ここで小休止で~す。

データ/ビクセンSX2・セレストロン8インチシュミカセ・ASI183MC・ゲイン130・8ms・110コマ合成・2022年9月8日21時30分

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