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2023年3月の5件の記事

2023年3月30日 (木)

かに座とうみへび座

Blog_20230330185701  写真は、春の星座、かに座とうみへび座です。春の星座は、冬の星座と比べると、明るい星座がとても少なくなります。冬のダイヤモンドが西空に傾き始めると、春の星座たちが東の空に昇ってきまますが、西空とは対照的に、東の空は星空自体が暗い感じがします。

 特別に目立つ星は、北の空の北斗七星の星々と、最後に昇って来るうしかい座の1等星アルクトゥールスぐらいでは、と思います。しし座のレグルスやおとめ座のスピカも1等星なんですが、それほど明るくはありません。天の川銀河から離れているので、逆に、春の星空は、遥か彼方の系外銀河が良く見えるという大きな魅力があります。

 冬の星座のふたご座とこいぬ座の隣に、かに座とうみへび座はあります。写真のように、星座の形を見つけるのも一苦労です。というよりも、3等星以下の星ばかりで、街明かりの少ない場所でも、星を見つけるのは少々大変です。

 3月下旬の夜8時過ぎ、かに座とうみへび座が南中しますが、うみへび座の頭部の2つ、3つの星が見える程度です。暗さに慣れてきて、やっとカニ座の甲羅のあたりにある散開星団M44がぼんやりと見えるかな、という感じでしょうか……。

 カニの甲羅をつくる4個の星の内、2個はなんとか見ることが出来そうです……(視力にもよりますが)……。うみへび座の頭部は、うみへびが口を大きく開いた感じになっていて、迫力満点です。この星座は東西に非常に細長い星座なので、頭が昇り始めてから尻尾の先が昇り終わるまで6時間以上もかかります。全天で、いちばん細長い星座のようで、全体を見渡すのは、なかなか難しそうですね。

 春の夜空は、おとめ座銀河団やかみのけ座銀河団の撮影で、忙しい季節かも、です。大口径の望遠鏡を持っていないので、被写体は限られていますが、晴れたら今年も挑戦してみます。

 という訳で、小雨降る外の闇を眺めながら、小休止します、で~す。

データ/ケンコースカイメモS・シグマ35ミリF1.4・EOSKissX8i・ISO1600・f4・35秒・ソフトフィルター使用・2023年2月21日21時30分

 

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2023年3月23日 (木)

いっかくじゅう座のバラ星雲

Blog_20230323130001  季節はもうすっかり春なんですが、まだまだ冬の星々も健在です。この冬の最後が、どういう訳かいっかくじゅう座のバラ星雲になりました。冬のダイヤモンドも、西空に傾いていますが、とても良い眺めです。そのダイヤモンドの中央あたりに、このバラ星雲はあります。

 この3月で、ブログ開設丸8年になります。最初は、何をどう撮影したらいいのか分かりませんでした。季節の星座を撮影したり、撮りやすい星雲星団を探しながら、いろいろ苦労した記憶があります。その中でも、肉眼で見えるスバルやオリオン星雲M42、いて座の球状星団M22などを撮影していたようです。その内、天文書や星ブログをいろいろ参考にして、このバラ星雲なども被写体になったような、そんな思い出があります。

 写真が、バラ星雲の全景です。もう昔のことですが、最初の撮影画像の〈宇宙に咲くバラの花〉は、とても感動モノでした。とても不思議で……宇宙の神秘……そのものでした。花の中央には、この濃厚な星雲ガスから生まれた散開星団の星々も見えています。まるで、バラの花のめしべのように見えます。

 このバラ星雲は、地球からの距離が5500光年程で、天の川銀河の中で考えれば、結構……近所という感じでしょうか……。満月の2倍ほどの大きさなので、小さな口径の望遠鏡でもくっきりした姿の画像になります。赤い輝きが肉眼ではほとんど見えないのが、とても残念ですね。

 今日も、曇り時々雨の一日です。菜種梅雨と呼ばれている、少々ジメジメの天気です。薩摩・大隅地方では、今が田植えの季節なので、有難い雨になっています。3月に植えて、7月の下旬から収穫します。薩摩のお米も、なかなか美味しいお米です。昔食べた岡山平野のお米より美味しいのでは、という感想です。

 という訳で、晴れた星空をのんびり待つことにして……コーヒータイムで~す。

データ/ビクセンSX2・ビクセンED70SS・EOS60D(改造)・ISO3200・等倍マルチフラットナー・90秒(?)・QBPフィルター使用・2023年2月15日20時20分

 

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2023年3月16日 (木)

月面 湿りの海とガッサンディクレーター

Blog_20230316190101  写真は、月面のガッサンディ・クレーターとその南側の湿りの海周辺です。月齢11.7の月面で、撮影時刻の20時前には、高度45度ほどは昇っていたのでは、と思います。高度としてはちょうどいいのですが、月面の90%近く、輝くばかりの明るい月面でした。地表の濃淡が少ないので、撮影対象を探すのに苦労します。

 左方向が北の方向です。月面の中央を基準にすると、左隅の少し下の領域でしょうか……。この周辺で目立つのは、湿りの海です。直径500㎞ほどの大きさで、九州がぎりぎり入る感じです。この湿りの海は、40億年ほど前の巨大衝突によってできた溶岩の海のようです。海の周辺にはクレーターが多いのですが、風化したのか、溶岩に埋もれたのか、劣化したクレーターが目立ちます。

 その中にあって、北側の直径100㎞ほどのガッサンディ・クレーターは、ほとんど形を留めていて、少しは新しいクレーターのように見えます。クレーター内部には、高い岩山や複雑な谷が見えています。詳しく見るためには、この周辺が夜明けを迎える頃、アイピースを使って、100倍から150倍ほどで眺めた方がいいのでしょう。双眼装置を使えば、さらに立体的に見えるはずです……また機会があればやってみます。ちなみに、ガッサンディというのは、17世紀のフランスの物理学者・数学者・哲学者であるピエール・ガッサンディという人だそうです。初めて知りました。

 月面クレーターの名称は、北に行くほど古い時代の哲学者や科学者の名前が付けられています。クレーターの名前は、17世紀の中頃、イタリアのボローニャ大学の天文学者リチオリとその弟子のグルマルディによって、300個近くのクレーターに名前が付けられたそうです。その月面図は、科学本としては発行部数が多かったので、修正されながらも、現在もクレーター名として使われているようです。リチオリとグルマルディの名前のクレーターもあります……さすがですね……。という訳で、その後に活躍した科学者、例えばニュートンやアインシュタインの名前のクレーターは、ほとんど見えないようなところにあるそうです……なるほど。

 という訳で、今夜は、ドンヨリドンヨリの曇り空なので、のんびりとDHCのビールで乾杯で~す。

データ/ビクセンSX2・セレストロンC8・ASI 183MC・ゲイン130・13ms・2022年11月6日19時50分

 

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2023年3月 9日 (木)

ふたご座

Blog_20230309190001  写真は、ふたご座の全景です。星座写真は、ある程度以上星空が見えないと、撮れません。雲がたくさん流れているようなときは、とても無理な感じです。そんな訳で、星座写真を撮るのもなかなか大変だな、ということが最近よく分かりました。10年程前は、晴れた夜がとても多かったのですが、この5、6年は雲がとても多いので、星座写真を撮るチャンスも減ったような気がします。

 ふたご座は、冬の星座の中で、いちばん東側にあるのでしょうか……昇ってくるのがとても遅い冬の星座です。3月の中旬の夜8時頃、やっと天頂付近に昇ってきます。天頂付近というよりはほとんど真上という感じで、立ったままジーっと眺めることはとても出来ません……ですね。

 ふたご座は、黄道十二星座のひとつで、さらにトレミーの48星座の中のひとつです。二つの同じような明るさの星がくっついているので、古代から兄弟星とか、双子星なんていう名前で呼ばれていたそうです。1等星は、β星のポルックスです。左の写真でも、α星のカストルの方が少しだけ暗いように見えます。二人の身体をつくっている星々も上手いこと適当に並んでいるし、なかなかいい感じの星座線です。

 西側のカストルの足元には、散開星団M35が見えます。満月ほどの大きさなので、くっきり晴れた夜にはぼんやりと見えるような気がします。そして、双子の足元には、冬の天の川が流れていて、かすかにその流れを見ることが出来ます。このふたご座から西空は、明るい冬の星が集まっていて、なかなかの眺めです。ちょうど今頃なら、西に傾き始めた冬のダイヤモンドが一番の見頃です。

 薩摩半島は、雨が止みましたが、雲が厚くドンヨリです。明日は朝から晴れの予報ですが……どんな天気か分かりません……です。という訳で、今夜は、プレゼントされたDHCのビールで乾杯します~です。

データ/ケンコースカイメモS・シグマ35ミリF1.4・EOSKissX8i・ISO1600・f4・40秒・ソフトフィルター使用・2023年2月21日20時20分

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2023年3月 2日 (木)

オリオン星雲M42から三ツ星

Blog_20230302131101  3月に入ったのですが、まだまだヒンヤリで、本格的な春という感じではありません。夜は夜で、風が吹くと、手袋が必要です。薩摩半島では、先週からウグイスが鳴き始めています。3月中旬には、南からツバメが飛んでくるのでしょう……多分。このブログも、もう少し冬の星空でいきます。

 写真は、オリオン座のオリオン星雲M42から三ツ星あたりの眺めです。オリオン星雲の中心部は、とても明るいので、白トビしています。肉眼でもはっきり見えるほどくっきりです。2等級に近い明るさなのかも、です。オリオン星雲は、3月上旬の今頃、日没後の暗くなりかけた夜7時過ぎに、南のやや高い空で、子午線を越え始めています。西空に傾き始めると、冬も終わるのかな……という想いです。

 オリオン星雲の北には、ちょうど狩人オリオンの腰のベルトあたりですが、2等星が3つきれいに並んでいます。この三ツ星は、ほとんど等間隔的な並びで、とても目立つ眺めです。古代からとても有名だったそうです。いちばん東側のζ(ゼータ)星の周辺は、濃い星間ガスが集まっていて、後方の光を受けて赤く輝いています。この周辺は、広大な散光星雲で有名な領域です。

 冬の星空は、1等星がとても多くて賑やかですが、さらに散光星雲もあちこちで輝いていて(肉眼ではほとんど見えないのがとても残念ですが……)、一層賑やかな星空になっています。冬の天の川も、オリオン座の近くを流れていて、話題に尽きない素晴らしい眺めです。この天の川は、南十字星やケンタウルス座の方向に向かって流れています。……南天の天の川を見てみたいですね……。

 ところで、今日は晴れの天気ですが、PM2.5なのか花粉なのか分かりませんが、空がややぼんやりとしています。星見には、最適な空とは言えません。おまけに、月明かりなので、星空はイマイチです。そんな訳で、今夜は、画像処理をする予定です。という訳で、コーヒーブレイクで~す。

データ/ケンコースカイメモS・100ミリ2.8マクロ・EOS60D(改造) ・QBPフィルター使用・ISO1600・120秒・2023年1月10日21時20分

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