月面 湿りの海とガッサンディクレーター
写真は、月面のガッサンディ・クレーターとその南側の湿りの海周辺です。月齢11.7の月面で、撮影時刻の20時前には、高度45度ほどは昇っていたのでは、と思います。高度としてはちょうどいいのですが、月面の90%近く、輝くばかりの明るい月面でした。地表の濃淡が少ないので、撮影対象を探すのに苦労します。
左方向が北の方向です。月面の中央を基準にすると、左隅の少し下の領域でしょうか……。この周辺で目立つのは、湿りの海です。直径500㎞ほどの大きさで、九州がぎりぎり入る感じです。この湿りの海は、40億年ほど前の巨大衝突によってできた溶岩の海のようです。海の周辺にはクレーターが多いのですが、風化したのか、溶岩に埋もれたのか、劣化したクレーターが目立ちます。
その中にあって、北側の直径100㎞ほどのガッサンディ・クレーターは、ほとんど形を留めていて、少しは新しいクレーターのように見えます。クレーター内部には、高い岩山や複雑な谷が見えています。詳しく見るためには、この周辺が夜明けを迎える頃、アイピースを使って、100倍から150倍ほどで眺めた方がいいのでしょう。双眼装置を使えば、さらに立体的に見えるはずです……また機会があればやってみます。ちなみに、ガッサンディというのは、17世紀のフランスの物理学者・数学者・哲学者であるピエール・ガッサンディという人だそうです。初めて知りました。
月面クレーターの名称は、北に行くほど古い時代の哲学者や科学者の名前が付けられています。クレーターの名前は、17世紀の中頃、イタリアのボローニャ大学の天文学者リチオリとその弟子のグルマルディによって、300個近くのクレーターに名前が付けられたそうです。その月面図は、科学本としては発行部数が多かったので、修正されながらも、現在もクレーター名として使われているようです。リチオリとグルマルディの名前のクレーターもあります……さすがですね……。という訳で、その後に活躍した科学者、例えばニュートンやアインシュタインの名前のクレーターは、ほとんど見えないようなところにあるそうです……なるほど。
という訳で、今夜は、ドンヨリドンヨリの曇り空なので、のんびりとDHCのビールで乾杯で~す。
データ/ビクセンSX2・セレストロンC8・ASI 183MC・ゲイン130・13ms・2022年11月6日19時50分
| 固定リンク
「趣味」カテゴリの記事
- いて座の球状星団M22(2024.09.12)
- いて座の中心部付近(2024.09.06)
- 月面ヒッパルコス・クレーター周辺(2024.09.01)
- いて座の散光星雲M17(2024.08.22)
- アルタイルといるか座・や座周辺(2024.08.15)
コメント