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2023年4月の4件の記事

2023年4月27日 (木)

月面 アルプス山脈周辺

Nblog_20230427123701  写真は、月面のアルプス山脈周辺です。すぐ南に、コーカサス山脈も見えています。月齢9.6の、北極近くの月面です。クレーターが少なく、溶岩台地が広がる、変化にとんだ地形です。西側には、雨の海が広がっていて、アペニン山脈の東側には、晴れの海があります。黒っぽい海を眺めていると、理由は分かりませんが、何となくほっとします。

 CMOSカメラで月面を撮影し始めて1年ほど経ちますが、月面もなかなか面白いな、ということが分かりました。地球から地表が見える天体は、月だけなので、とても貴重な存在です。クレーターがあって、渓谷があり、延々と続く谷もあります。溶岩の流れた痕跡、だだっ広い海もあります。海と呼ばれるところは、サッカーでもできそうな平たい地表のように見えますが、本当は岩がゴツゴツの荒涼とした地形のようです。

 アルプス山脈は、上弦の頃に眺めると、朝日を浴びた山肌が立体的に見えて、なかなかの見応えです。このアルプス山脈の途中をアルプス谷が横切っています。アルプス谷は、長さ140㎞、幅十数キロ、深さ700mほどあります。この谷の中を、さらに幅1㎞の細い谷が走っているそうですが、口径20センチの反射鏡で確認したことはありません。プラトークレーターもなかなかの大きさで、立派です。アリストテレスやカッシニ、アルキメデスなどもなかなか美しい姿です。

 雨の海の中には、ピコ山、ピトン山という岩のような山がそそり立っています。二つとも高さ2000m以上もある独立峰ですが、どうしてできたのかは知りません。とても不思議な山です。月面をいろいろ探せば、あちこちに不思議な地形がありそうですね。

 この写真に写っているのは、南北900㎞、東西1200㎞ほどです。これをさらに二倍ほど拡大したいのですが、なかなか難しい問題です、まあ、もう少し挑戦してみます。

 という訳で、昼下がりの薩摩半島は、薄雲がかかった天気です。今夜もこんな感じでしょうか……。夜には、上弦一日前の月が結構明るそうですね。

データ/ビクセンSX2・セレストロンC8・ASI183MC・8ms・ゲイン130・2023年1月31日21時20分頃

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2023年4月20日 (木)

しし座

Blog_20230420131701  今日20日の午後2時過ぎは部分日食なんですが、薩摩半島はぼんやりと日差しはあるのですが、太陽の位置も形も確認できそうにはありません。というよりも、欠け際がとても小さいので、観察と撮影は諦めました。次回の日食は、2030年ということですが……元気に生存しているかどうか……全く分かりません。

 写真は、しし座の全景とその周辺です。4月下旬の夜8時頃、しし座とおおぐま座が天頂付近に揃って昇ってきます。晴れていれば、特徴ある姿を眺めることが出来ますが、なかなか天気の加減で上手くいきません。先週から、雲が多く、梅雨の走りのような天気です。今年は、去年と同様、梅雨入り・梅雨明けが早いのかも、です。

 しし座は、春の代表的な星座です。古代エジプト時代から有名で、トレミーの48星座のひとつです。星座線で結んで眺めると、ししの形になります。上手く見つけて、形を作ったものですね。とても感心しています。ししの頭もそれなりに、ライオンの頭になっています。1等星レグルスは、ラテン語で王を意味する言葉です。2等星デネボラは、尻尾を示す言葉です。南の空高く昇る姿は、とても立派で堂々としています。

 ししの頭の前というか鼻先ですが、前回UPした系外銀河2903があります。矢印で示していますが、全く見えないような小ささです。しし座には、いくつかの系外銀河群があります。遥かに遠い系外銀河なので、小口径の望遠鏡で撮影するのはとても大変です。

 しし座に遅れて昇って来るかみのけ座やおとめ座には、非常に多くの系外銀河を確認できます。かみのけ座銀河団・おとめ座銀河団として有名で、その数は2000個から3000個ほどもあるそうで、小さな宇宙を創っていると言われています。我々の天の川銀河やアンドロメダ銀河もその内のひとつのようです。超巨大なスケールなので、人間の未熟な想像力では全く役に立ちません。……宇宙の恐ろしさを……ひしひしと感じてしまいます。

 という訳で、昼下がりの夏のような風の中、小休止します、です。

(追伸)日陰の外気温は、午後2時半現在、26.5度になっていま~す。

データ/ケンコースカイメモS・オリンパスEM-1MarkⅢ・ISO1600・f3.5・25秒・ソフトフィルター使用・2023年4月8日20時50分

 

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2023年4月13日 (木)

しし座の系外銀河NGC2903

Ngc2903blog  4月に入って、初めての撮影でした。3週間以上も天気が悪く、まともな星空を見ることが出来ませんでした。この日は、満月過ぎの明るい月が20 時頃には昇って来るので、撮影時間は30分ほどしかありません。ドタバタするかも……の予想通り、極度のドタバタでした。

 19時頃から、玄関前に機材を出して、撮影準備開始。空がまだ明るかったのですが、北極星に極軸望遠鏡を……合わせます。と言っても、2等星の北極星はまだまだ見えてきません。……待つこと15分ほどでしょうか。やっと北極星が見えてきました。ここからが、大変でした。

 この夜の撮影対象は、しし座の系外銀河NGC2903です。初めての撮影でした。しし座の頭の先というか、シシの鼻先にある小さな銀河です。近くには明るい星もなく、自動導入に頼るしかありませんでした。さすが、自動導入機能です。試し撮りしてみると、銀河らしきモノが写っていました。こういう時は、自動導入機能の有難さを感じますね。

 写真が、系外銀河NGC2903とその周辺です。口径80ミリ、焦点距離500ミリで撮影した画像です。系外銀河を撮影するには、少し短いんですが……。地球からの距離は、3000万光年。遠い割には、中心部がはっきりしています。途方もなく遠いんですが……宇宙全体から見ると……結構近い所です。渦巻の腕は、はっきり確認できませんが、何となく渦巻銀河らしく見えています。撮影原画は、薄明りの空ですが、何とか処理をして、それらしく星空にしています。よく見ると、小さな銀河がもう一つ写っていました。左上隅に、かすかに銀河らしき光……。調べてみると、NGC2916という系外銀河のようです。多分同じ銀河団に属するのかも、です。大口径の望遠鏡なら、多分、他にたくさんの系外銀河が見えていることでしょう。

 しし座から東の空は、しし座銀河群、おとめ座銀河団、かみのけ座銀河団など、系外銀河が密集しています。そう考えると、春の夜空もまた賑やかなんですね。天気がイマイチですが、また挑戦してみます。

 昨日から、この薩摩半島も黄砂の影響で、空が霞んでいます。PM2.5も花粉も飛んでいて、明日まで視界が良くありません。という訳で、昼下がりの今、Blogを書いています。ぼんやりした山の稜線を眺めながら、コーヒーブレイクで~す。

データ/ビクセンSX2・ビクセンED80sf・専用レデューサー・EOSKissX8i・ISO3200・50秒・20コマ合成・2023年4月7日20時

 

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2023年4月 6日 (木)

かに座のプレセペ星団 M44

M44blog_20230406132201  先週UPした、かに座の甲羅部分にある散開星団M44です。プレセペ星団と呼ばれていて、メシエ天体のひとつでM44の番号がついています。いつもの感じの、散開星団の拡大画像です。肉眼でも、暗さに慣れてくると、何となくぼんやりと、雲のように見えます。散開星団は、双眼鏡で眺めるのが最高です。6,7倍の低倍率が最適で、星の集団全体を眺めることが出来ます。

 4月上旬の今頃ならば、空が暗くなった夜8時半ごろ南中して、なかなか美しい姿を見ることが出来ます。双眼鏡ならば、大気の状態によりますが、10個以上は確認できそうです。実際には、200個以上の星の集団だそうです。おうし座のスバルのように青っぽい感じではなく、色合いは全く分かりません。

 プレセペというのは、ラテン語で飼い葉おけの意味で、ロバが餌を食べている感じの様子だそうです。のんびりした、とても素朴な風景ですね。古代から、ぼんやりと雲のように見えたと言われています。雲のような明かりを、星の集まりとして初めて見たのは、ガリレオです。さすが、望遠鏡の威力ですね。大きな望遠鏡で眺めると、暗い星まで見えるので、すごい迫力だそうです。

 春の夜空は、天の川から離れているので、背景が暗く、星の輝きがくっきりと見えます。遥か遠くの系外銀河を撮影したいのですが、このところ、もう3週間以上になりますが、まともな星空を見ていません。天気のことだから、仕方ありませんが……。

 昨日から、雨曇り雨、曇り時々雨なんていう、よく分からない天気で、生暖かい不気味な空模様です。今年は特に異常気象で、この先どうなるのか……少々心配ですね。今昼下がりですが、また雨が降ってきました。薩摩半島では、田植えが終わって、雨はちょうどいいのでしょうが……。

 という訳で、今夜は、画像処理ではなく、デジタル絵画の時間にします、で~す。

データ/ビクセンAP・ビクセンED80sf・専用レデューサー・EOSKissX8i・ISO1600・70秒・2023年3月13日20時40分

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