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2023年5月の4件の記事

2023年5月24日 (水)

かみのけ座のNGC4565

Ngc4565blog_20230524190101  写真は、かみのけ座の系外銀河NGC4565です。渦巻銀河の渦巻をちょうど真横から見ている感じです。こういう銀河を、エッジオン銀河と呼びます。前々回UPした散開星団メロッテ111のすぐ東側にあります。とてもカッコイイというか、宇宙の神秘を感じます。天の川銀河も、真横から見ると、こんな感じに見えるのでしょうか……。

 3回目の撮影です……多分。本当はもう少し長めの鏡筒が良かったのですが、シュミカセC8の2000ミリでは、導入に自信がなかったので、口径100ミリにしました。系外銀河はとても暗いので、導入したとしても、撮影してみなければ、導入できているのかどうかが全く分かりません。そこがデジカメの欠点です。CMOSカメラであれば、高感度なので、すぐに分かりますが……。

 この渦巻銀河NGC4565は、1785年に、ウィリアム・ハーシェルによって発見されました。メシエ天体に載っていないので、メシエさんが見逃した銀河のひとつです。それにしても、1785年と言えば、今から240年程前です。10等級ほどの暗い光を、よく見つけたもので、感心しています。その当時のヨーロッパが、如何に進歩していたかが分かります。

 地球からの距離は、4000万光年ほどだそうで、宇宙の遥か彼方です。それでも、天の川銀河にもある暗黒帯も見えています。こんな小口径の望遠鏡でも写っているのが、また不思議です。中央付近は結構明るいので、双眼鏡でも見えるそうですが、まだ見たことはありません。写真をよく見ると、中央右上下に、系外銀河と思われる光が二つ三つ見えています。次はCMOSカメラで、撮影してみます……課題が、また増えました。

 今夜は曇り空で、月齢4.5の月も全く見えません。これから一か月以上は、梅雨空っぽくなるので、星空を眺めるのも大変です。九州南部の梅雨入りは、5月30日前後の予報ですが、どうなるのでしょうか……。

 という訳で、今夜は、先週CMOSカメラで撮影したおとめ座のソンブレロ銀河の画像処理をします、です。上手く撮れているかどうか分かりませんが……。

データ/ビクセンSX2・ES102ED・笠井マルチフラットナー使用・EOSKissX8i・ISO1600・90~120秒・2023年5月9日20時50分

 

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2023年5月18日 (木)

我が家の裏庭から見た西空

Nnblog  先週の火曜日、玄関前に赤道儀を出して、かみのけ座の系外銀河を撮影していました。この日は、5月にしては珍しく星空がきれいだったので、裏庭に三脚を出して、カメラを西空に向けました。ちょうど金星が、小高い山に沈みかけて、ふたご座には火星も見えるではありませんか……。なかなかの眺めで、星々の軌跡を撮ることにしました。

 星の軌跡は、比較明合成なので、露光時間とコマ数を入力して、スイッチオンすればいいわけで、とても簡単です。真正面が大体西方向です。街明かりがほとんどないので、都会と違って露光時間は長めです。星がとても明るいので、絞りはf5.6です。

 隣の家(何年か前に無人になりました)の庭木に金星が見え隠れしていました。何とか少しだけですが、金星のとても明るい輝きが見えています。北寄りには、ぎょしゃ座のカペラが見えます。左側の明るい星は、こいぬ座のα星プロキオンです。共に一等星ですが、カペラが0.1、プロキオンが0.3の明るさです。画像にして眺めると、数字の通り、カペラの方がわずかに明るいのが分かります。写真は、とても正直ですね。

 中央に、ふたご座のポルックスとカストルが見えています。ポルックスはβ星なのですが、1.2等級です。α星カストルよりも明るい星です。昔はカストルの方が明るかったという説もあるし、明るさだけでα星、β星、γ星……を決めていたのではない……という……いろいろな事情があるようですね。

 ポルックスのすぐ南側には、明るさ1.4等級の火星が輝いています。火星は、見かけの移動が速いので、4、5日で移動したことが分かります。西空には、まだまだ冬の星々が見えていて、なかなか賑やかです。明るい金星は、もう一か月ほど火星の後ろを追いかけるように移動していきます。その内、木星と土星も夜空に昇ってきます。惑星もまた楽しからずや……です。

 今夜は、ずーっと雨のようです。薩摩半島も梅雨が近いのかも、ですね。という訳で、DHCのビールで乾杯です。いつも一人で乾杯していますが、楽しいから乾杯しているだけで~す。

 追伸 今週から、ビールは少しだけ冷やして飲むことにしました。冷蔵庫から出して、2時間ほど常温で温めています。

データ/EOSKissX8i・トキナー11~20ミリ・F2.8・ISO1600・11ミリ・f5.6・60秒・55コマ・比較明合成・2023年5月9日21時30分・我が家の裏庭

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2023年5月11日 (木)

かみのけ座のメロッテ111

111_20230511185801  写真は、かみのけ座の散開星団メロッテ111です。満月の10倍ほどの大きさの散開星団です。いつもは、散開星団付近をアップで撮るのですが、今年は、かみのけ座の中央付近をメインに撮影しました。かみのけ座自体はもう少し広いのですが、肉眼で見える星はこの付近だけです。

 かみのけ座のα星、β星、γ星の星が直角三角形をつくるように並んでいます。その中のγ星の南側に広がっているのが、この散開星団メロッテ111です。スバルのように明るい星が密集していないので、肉眼で確認するのは、とても大変です。でも、晴れた夜にじっくり眺めていると、ぼんやりした雲のような光が見えてきます。双眼鏡ならば、視野全体に、20個ほどの青白い星が見えるのでは、と思います。

 メロッテカタログ(略称はMel)は、フィリベール・ジャック・メロッテが、アダムス写真星図から拾い、作成した245個の星団のカタログです。このカタログの発表は1915年のことで、100年余りの前のことです。

 メシエカタログ(略称はM)もNGCカタログも、18世紀の後半に発表されています。それに比べると、メロッテカタログは、とても新しいという感じがします。おうし座のヒヤデス星団もメロッテカタログの25番です。Mel.111もMel.25も、とても広範囲に広がっている散開星団です。このような星団は、双眼鏡で眺めるのが一番です。もしかして、メシエさんもハーシェルさんも、望遠鏡で探索したときに見逃してしまったのかも、ということのようですが……実際はどうなのかは知りません。

 ところで、この周辺は、星がとても少ないということが分かります。天の川銀阿の星々から離れているので、遥か遠くまでの宇宙が見渡せます。かみのけ座の南部からおとめ座にかけては、かみのけ座銀河団やおとめ座銀河団の系外銀河が密集しています。小口径の望遠鏡では、小さな小さな点にしか見えないのですが、巨大な望遠鏡では、系外銀河の異様な迫力をとらえることが出来ます。宇宙望遠鏡も、ますます進歩しているので、新しい宇宙の姿を見せてくれます。これからが、とても楽しみですね……。

 という訳で、今夜は曇り空なので、一昨日撮影した写真の画像処理をします、で~す。

 追伸 星にピントが合わせられるので、EM-1はとても便利なデジカメです。

データ/ケンコースカイメモS・EM-1MarkⅢ・12~40ミリF2.8・ISO1600・f4.5・30秒・2023年4月26日21時30分

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2023年5月 4日 (木)

しし座の系外銀河トリオ

Blog_20230504184401  写真は、しし座の系外銀河です。左下がM66、右下がM65、上がNGC3628です。小口径の望遠鏡だから一緒に撮影できる、3つの系外銀河です。しし座の系外銀河トリオと呼ばれています。しし座の後ろ足のつけ根あたりにありますが、星を辿って探すのは、これだけ小さいと結構苦労します。この撮影の時は、自動導入機能を利用しました。焦点距離700ミリの鏡筒ですが、1インチのCMOSカメラなので、実際は2000ミリ近くになると思います。

 M66とM65は少しは明るいので、10倍の双眼鏡で見たときは、何とか光を見つけることが出来ました。ただし、NGC3628は暗すぎて、小口径の双眼鏡では無理のようです。この三つの系外銀河は、地球からの距離が3500万光年程だそうで、小さなのグループ(銀河群)をつくっているようです。

 撮影の時は、大体こんな感じの縦位置になってしまいます。上方が天の北極方向で、バランスが良くて、落ち着いた構図になります。M66とM65は、渦巻銀河っぽい感じに見えています。NGC3628も渦巻銀河なのかもしれません……中央を横に、暗黒帯が見えていますので……。ひとつひとつの銀河を見ればとても小さいのですが、実際は巨大な渦巻銀河なんですよね。天の川銀河も遠くから眺めると、こんな感じになるはずです。……いつも感じますが……不思議も不思議です……この宇宙というか、この世は……。

 春は、系外銀河の撮影にとって、いちばん良い季節です。他の系外銀河も撮影したいのですが、なかなか晴天が続きません。5月に入りましたが、南国薩摩は、今年も梅雨が少し早くやって来そうな、そんな気配がします。今夜は、雨の夜です。霧雨がなかなか止みません。今日から4、5日は梅雨の走りという感じかも、です。

 まあ、のんびり、晴れた星空を待つことにします、です。という訳で、今夜は、プレゼントしてもらったDHCビールで、〈ひとり乾杯〉しま~す。

データ/ビクセンSX2・ES102ED・ASI183MC・60秒・30コマ合成・2023年3月14日21時30分

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