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2023年7月の4件の記事

2023年7月27日 (木)

さそり座のアンタレス周辺

Blog_20230727192001  九州南部の梅雨明けは、例年よりも遅く、7月23日の日曜日でした。今年は異常に蒸し暑く、いつもの梅雨とは何か違うのではないか、なんていう感想でした。そのために、寝てからも何時間かは、エアコンを使う羽目になりました。こんなことも。生まれて初めてです。薩摩半島では、猛暑日なんてほとんどないのですが、それにしても、高温・多湿は当分続くような気がします……仕方ありませんが。

 写真は、さそり座の一等星アンタレスの周辺です。中央の赤い星が、α星アンタレスです。サソリの心臓の近くなんでしょうか……。恐ろしいほどの赤色超巨星です。星が最期を迎えている状態のようです。直径が太陽の700倍ほどもあり、巨大化したために、表面の温度が3000度ほどなので、赤っぽく輝いています。

 アンタレスのすぐ西側には、球状星団M4があります。M4の明るさは、5等級なので、肉眼では少々無理な感じがしますが……写真に撮ると、結構明るく写っています。この周辺は星間ガスがとても多い所で、全体的に赤の彩色です。本当はもっと赤っぽく写るのですが、どういう訳か、今回はこんな感じでした。

 アンタレスのすぐ近くにも、球状星団NGC6144も見えています。M4よりもはるかに遠いので、とても小さく写っています。この辺りは天の川の中なので、背景の星々の多いこと……多いこと。これから9月にかけて、天の川が天頂付近を横切るので、夏の夜空のいちばんの眺めです。少しでもさわやかな夏になって欲しいものですね。

 今夜は、月齢9.7の月が南の空低く昇っていますが、水蒸気で霞んでいるのでしょうか……ぼんやりと見えています。我が家の21時現在の外気温は、30度です。どう考えても異常です。

 という訳で、冷たいDHCビールを楽しみにして、気温30 度の中、月を眺めてきます。

データ/ケンコースカイメモS・ボーグ55FL・EOS60D(改造)・QBPフィルター使用・ISO3200・50秒・2023年7月15日21時30分

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2023年7月20日 (木)

こと座の全景

Blog_20230720133001  梅雨入りする前から、薩摩半島は曇り空で、星空を眺めることが出来ませんでした、この撮影は、6週間ぶりに晴れた7月7日の夜でした。こんなに長く曇り空が続くのもめったにないことです。南から暖湿気流が流れ込むので、レンズのカビだけが心配でしたが、運よく1本のレンズにカビが発生していただけで、まあ、救われました。それにしても、薩摩半島は、梅雨真っ盛りです。

 写真は、こと座の全景です。星座線を引いていませんが、きれいな平行四辺形をつくる4つの星が見えています。下(南側)の二つが3等星で、上(北側)の二つが4等星です。こと座が見えるときは、この4つの星で、視力検査をしています。経験から4つが見えれば、視力は1.2ということでしょうか……。

 α星ベガの明るいこと明るいこと……。明るさは、0.0等級です。21個の一等星の内、5番目に明るい星です。地球からの距離は、25光年で、非常に近いというか、同じ町内会という感じの星です。ちょうど7月7日の七夕だったので、おりひめ星をのんびり眺めることが出来て、幸運でした。このベガにも、惑星の存在が確かめられていて、とても親近感がわいてきます。恒星間宇宙船が出来れば、多分最初に選ばれる恒星のひとつかも、です。

 ベガの北東にあるε(イプシロン)星は、写真でもわかるように二重星です。さらに拡大してみると、それぞれがまた二重星になっています。とても珍しいダブルダブルスターで、連星系をつくっているようです。この星々に惑星があれば、それぞれの惑星の軌道はすごく複雑になるのでしょうね……多分。

 こと座は、8月上旬の夜9時頃には天頂付近に昇って来るので、素晴らしい眺めになります。晴れた夜に、またゆっくりと眺めてみます。

 今日もまだ梅雨空です。昼下がりの今、太陽が少しだけ見えているのですが、それにしても……とてもとても蒸し暑い天気です。その内に梅雨が終わるのを期待して、星空を楽しみに待つことにします、で~す。

データ/ケンコースカイメモS・EM-1MarkⅢ・スイコー40~150ミリ・F4・ISO1600・f4.5・25秒・ソフトフィルター使用・2023年7月7日21時30分頃

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2023年7月13日 (木)

ヘルクレス座のM13

13blog  写真は、ヘルクレス座の球状星団M13です。この写真も、前回UPしたヘルクレス座と同じ、5月26日の撮影です。東の空、少し低めでの撮影です。光害の影響で、コントラストがイマイチだったので、少しだけコントラストを上げて、トリミングしています。フルサイズで。2000ミリ程度かな、と思います。

 いて座の球状星団M22は、肉眼で見えるのですが、このM13は、肉眼で一度も見たことはありません。M22よりもやや暗いのでは、という感じがします。完璧に晴れた星空ならば、見えるのかも知れませんが、そんな夜は、年に1、2度しかないような気がします……多分。

 このM13は密集度がとても高く、中心部はやや白トビしかけています。それでも背景が暗く、見ごたえは最高です。中心部近くでは、恒星が密集しているようです。球状星団の中心部にブラックホールがあるのでは、という説もあります。……が、質量が少なすぎて、ありえないという説もあります。どうなっているのか、素人には分かりません。

 大きさは、満月に近い大きさで、およそ50万個ほどの恒星が集まっているようです。かなり立派な球状星団で、北天ではナンバーワンだと言われています。地球からの距離は、25000光年程で、かなり遠い場所のようです。この中の恒星にも、惑星があるのかもです。そんな惑星から見上げた夜空はどんな眺めなのか、想像したくても想像できません。本当は、星空なんて言うものではなくて、とてもとても恐ろしい眺めなのかも、です。

 薩摩半島も、梅雨明け間近な感じです。このところ毎日、ムシムシのかなりキツイ気象状況です。早く梅雨が明けて、すっきりした夏空を眺めたいのですが……もう少しのようです。

 という訳で、今夜晴れた時のために、準備だけはしておきましょう。

データ/ビクセンSX2・ES102ED・笠井マルチフラットナー使用・EOSKissX8i・ISO3200・50秒・トリミング・2023年5月26日21時40分

 

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2023年7月 6日 (木)

ヘルクレス座とその周辺

Blog_20230706131701  写真は、ヘルクレス座とその周辺です。薩摩半島が梅雨入りする四日前、5月26日の 撮影です。夏の星座が、東の空に昇り始めた頃です。東の空は、光害の影響で、ぼんやりと明るく、背景の暗さがイマイチです。鹿児島湾周辺の街明かりが、田舎なんですが、結構目立つ感じです。今回は、背景の夜空は、画像処理せずにそのままにしています。

 この日は、ヘルクレス座周辺とヘルクレス座のM13を撮影したのですが、早めに撮影して良かったかも、です。……と……いうのも、この日の撮影後、6週間経ちますが、薩摩半島では、一度も星空を見ていません。星見を始めて10年以上経ちますが、こんなに永く雨や曇り空が続くのも初めてでした。異常も、異常です。急速な地球温暖化の影響でしょうか……。

 ところで、ヘルクレス座を、南を向いて撮影すると、勇者ヘルクレスが逆立ちの姿勢になります。ヘルクレス座は、3等星より暗い星ばかりで、星座の形を確認するには、とてもとても大変です。ヘルクレスの頭のα星ラスアルゲティーのすぐ近くにあるへびつかい座のα星ラスアルハゲの2等星に近い明るさの輝きが見つかれば、ヘルクレス座の位置と形が分かるのでは、と思います。

 勇者ヘルクレスが両手両足を広げている姿は、とても立派です。ヘルクレス座は、今から6000年以上も前から知られている星座で、トレミーの48星座のひとつです。おまけに、全天で5番目の大きさを持つ巨大な星座です。足元には、ヘルクレスが退治した百の頭を持つ竜ラドンの星座りゅう座が、少しだけ見えています。

 ヘルクレスの腰のあたりには、赤丸で印をつけていますが、全天で1、2を争う美しさの球状星団M13があります。M13は6等級の明るさなので、肉眼で確認するには少々無理な感じです。ヘルクレス座の東には、こと座のベガの輝きが見えています。7月から9月末まで、夏の天の川と賑やかな夏の星座を眺めることが出来ます。梅雨明けを楽しみにして、夏の夜空をノンビリ待つことにします。

 球状星団M13も、次回UPします。昼下がりの今も、霧雨が降っていて、なかなか止みそうにありません。という訳で、アイスコーヒーで小休止します、で~す。

データ/ケンコースカイメモS・トキナー11~20ミリ F2.8・EOSKissX8i・ISO1600・f4・35秒・ソフトフィルター使用・2023年5月26日20時40分

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