や座とCr399(コートハンガー)
写真は、はくちょう座とわし座の間にある、小さな星座や座です。弓矢の矢の形に似ている可愛い星座です。この周辺は、天の川が流れているので、星の数は尋常ではありません。この周辺には他にも、こぎつね座やいるか座、こうま座などの小さな星座があります。や座の東隣のいるか座は、4等星の星がいくつかあるので、肉眼でも何とか確認できます。このや座も、4等星の星が2つありますが、天の川に埋もれて、肉眼で確認するには、少々厳しい感じもします。
や座は、トレミーの48星座のひとつです。全天で、3番目に小さな星座です。4個の星が、上手いこと矢の形になっています。矢の先に、もう一つ5等星らしき星も見えます。何千年も前には、この星もはっきり見えたのでしょうか……。この星まで星座線で結ぶと、さらに矢の形がはっきりしてきます。
このや座の北側は、こぎつね座になっています。こぎつね座の中に、Cr399という星団があります。暗い星の集まりなので、ノートPCでは、見ずらいかも知れません。6個の星が一列に並び、中央に4個の星が四角形をつくっています。17世紀までは、散開星団だと思われていたのですが、その後の観測で、星々までの距離にばらつきがあって、散開星団ではなく、偶然に同じ方向に見えているだけだ、ということになったそうです。
この10個の星が、逆立ちしていますが、ちょうどコートハンガーの形をつくっています。コリンダーカタログの399番に登録されています。コリンダーカタログというのは、1931年にスウェーデンの天文学者ペル・コリンダーがつくった天文カタログです。それ以来欧米では、コートハンガーと呼ばれて有名になったそうです。
星座の名前や星座の境界線、恒星の固有名などは、国際天文学連合で正式に認められています。しかし、北斗七星や夏の大三角などの天文集合体などの名前は、公式には認められていません。愛称で呼び続けられてきた、非公式な天文集合体をアステリズムと呼ぶそうです。ペガススの四辺形や春の大曲線などど呼ばれるものも、親しみがあってとてもいい感じです。
という訳で、昼下がりの今、薩摩半島は雨が降り出しました。ムシムシのジメジメです。お盆も過ぎたことだし、もう少し涼しくなって欲しいですね。
データ/ケンコースカイメモS・EM-1MarkⅢ・ズイコー40~150ミリ・ISO1600・80ミリ・f5.6・40秒・ソフトフィルター使用・2023年7月16日20時40分
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