« 2023年9月 | トップページ | 2023年11月 »

2023年10月の4件の記事

2023年10月26日 (木)

南天の土星

Blog_20231026185801  初めて、土星を撮影しました。撮影しようしようと思いながら、大気の状態がイマイチだったので、何週間も遅くなりました。この日も、西空に四日月が見えていたのですが、風もないので、撮影の下準備を始めました。

 ところが予想した以上に大変でした。というのも、最初の導入から苦労しました。デジカメを接続した8インチのシュミカセで、土星の近くのみなみのうお座の一等星フォーマルハウトを導入しようとしたのですが、これがなかなか上手くいきませんでした。導入精度が低いので、なかなか中央に来てくれません。手動で赤経・赤緯をいじって何とか中央に導入して、大体のピント合わせです。

 それから、デジカメをCMOSカメラに入れ替えて、土星の導入です。ここからが、また大変でした。土星にピント合わせをしなければなりません。焦点距離が5000ミリ以上なので、土星はPC画面で見ると、豆粒ほどの大きさです。少し解像度を落として、土星を拡大しましたが、それでも、土星の環(わ)はそれらしく見えるのですが、環の中のカッシーニの間隙はほとんど確認できませんでした。ゆらゆらと揺れるばかりで、落ち着きのない姿でした。大気の状態にもよるのでしょうが、なかなか落ち着いてくれません。

 ネットで調べると、土星のピント合わせは、環の輪郭に合わせる……とか、環の中の暗い隙間に合わせたらよい……なんて、書いてあるのですが、それがなかなか大変でした。望遠鏡の口径にもよるのでしょうが、20分程ピンを行ったり来たりして、最後は適当です。

 その画像が、左の写真です。1000フレームの予定でしたが、USBメモリーのエラーで、100フレームにしました。環の中のカッシーニの間隙がほんのかすかに見える程度です。最初だから、こんなもんでしょう……なんて自己満足しています。

 南東の空高く昇っている月齢11の明るい月を眺めながら、今ブログを書いています。東の空には、去年撮影した木星が輝いています。機会があれば、今年も木星を撮影してみます。

 という訳で、今夜は、DHCのビールを飲みながら月見をします、で~す。

データ/ビクセンSX2・セレストロンC8・ASI183MC・30ms・100フレーム合成・2023年10月19日20時20分

| | コメント (2)

2023年10月19日 (木)

みずがめ座の球状星団M2

M2blog_20231019130601  薩摩半島も、やっと秋らしくなりました。朝夕は涼しくなりましたが、それでも当分は夏日で、昼間は車のエアコンがまだまだ必要です。日没も夕方5時半近くになって、夜が長くなり、星見するにはよい季節になりました。

 写真は、9月最初のロケで撮影した、みずがめ座の球状星団M2です。わし座の東にあるみずがめ座は、天の川から少し離れているので、背景の星の数が少なく、球状星団もすっきりしています。明るさは6等級ほどですが、肉眼では少々無理な感じです。このM2の北側には、ペガスス座の球状星団M15があります。

 M2とM15はよく似た球状星団で、撮影画像を見るととてもよく似ています。地球からの距離も35000光年程で、実際の大きさも似ているようです。35000光年と言えば、天の川銀河の周辺部に近い所かも、です。

 撮影は口径102ミリ鏡筒ですが、中心部の星の分離がイマイチな感じです。撮影するには、口径80ミリ・100ミリ程度がいちばん手軽で、楽なのでよく使っています。が……、本当はもう少し大きな口径の方が良かったのかも、です。でも、今まで楽しさ最優先でやってきたので、まあいいか、なんていうのが、今の感想です。

 東の空には、秋の星座が次から次に昇ってきます。ペガスス座はもちろん、アンドロメダ座やペルセウス座の全景も、北東の空(光害の影響がありますが)に見えてきました。夜の8時を回ると、スバルの輝きも見えます。冬の星座たちも、もうすぐそこなんですね……季節の進み方の速いこと速いこと……。

 今夜も晴れそうなんですが、PM2.5の影響で、昼下がりの空がやや霞み始めています。天気が下り坂なので、夜の天気は、どうなるのか分かりません。という訳で、コーヒーブレイクで~す。

データ/SX2・ES102ED・等倍マルチフラットナー・EOSKissX8i・ISO1600・50秒・2023年9月16日20時30分頃・我が家の裏庭

 

| | コメント (0)

2023年10月12日 (木)

月面 カタリナから静かの海

Nblog_20231012130301  写真は、月面のカタリナから静かの海です。夏から秋にかけては、月面写真はとても撮りにくい時期です。この時期は、月の高度がとても低く、湿気が多いのでなかなか上手くいきません。晩秋から春先にかけての時期は、月が天頂付近まで高く昇り、空気も乾燥して、すっきりした眺めになります。この月面写真は、今年の2月26日の撮影です。一番寒い時期なのですが、月面撮影には最適です。

 月齢は5.8で、上弦の一日半前の頃でしょうか……。月面の中央部のクレーター列やたくさんの山脈が見え始める頃で、なかなかの眺めです。右端のカタリナ・クレーターは、直径100㎞ほどの大きさです。このクレーターのすぐ右側(南側)には、アルタイの崖があります。写真には、その一部が写っています。

 カタリナ、キリルス、そしてテオフィルスの三つの大きなクレーターが並んでいます。この三つのクレーター名は、5、6世紀ごろの教会の司祭や豪族の名前から付けられたそうです。迫力いっぱいで、すごい眺めです。

 このクレーター列の北側には、静かの海に繋がる平原が広がっています。平原と言っても、ごつごつした岩場のような地形なんでしょうか……。黒っぽい感じの海は溶岩台地で、何となく平らで、サッカーでもできそうな感じに見えますが、全く違うようです。

 静かの海の南端には、アポロ11号の着陸地点がありますが、ここも起伏に富んだ地形のようです。月面着陸もとても大変なんでしょう……ねえ。その内、何十年か経てば、地球人の月面基地が出来ているのでしょう……多分。

 薩摩半島は、三日連続の晴天です。今年に限って言えば、とても珍しいですね。それでも、湿度が高くて、山々は少しだけ霞んでします。時々、セミも鳴いています。先週、モズの初鳴きを聞きましたが、昼間はまだまだ涼しくないので、姿を見ることはほとんどありません。

 まあそういう訳で、今夜も撮影できるかも、です。

データ/ビクセンSX2・8インチシュミカセ・ASI183MC・ゲイン130・25ms・120コマ合成・2023年2月26日20時

 

| | コメント (0)

2023年10月 4日 (水)

夏の大三角

Blogb  10月に入って、最初の週です。北海道では初冠雪だそうで、全国的に秋の気配なんていう話ですが、薩摩半島では、まだまだ夏の気配で、最高気温が30度を超える日もあります。今日も蒸し暑く、残暑が続いている感じです。

 写真は、夏の大三角です。10月に入った今、夏の大三角は子午線を越えて西空です。この撮影は、お盆の頃なので、まだ東側の空でした。今年は、曇り空が多い夏空だったので、残念ながら天の川をあまり見ていません。10月中は、まだまだ眺めることが出来るので、機会があればまた眺めてみます。

 三個の一等星がつくる夏の大三角は、夏の夜空では一番目立つ存在です。こと座のベガとすぐそばの平行四辺形は、なかなかの眺めです。わし座のアルタイルの三ツ星も、またいい感じです。大きなはくちょう座は、天の川に沿って飛んでいる白鳥のイメージでとてもよくできています。古代の人は、とてもとても、エライというか……アーティストなんですね。デネブが尻尾の翼で、くちばしの星が美しい二重星アルビレオです。バランスの取れた美しさで、とても感心しています。

 星座だけは、古代から有名ですが、夏の大三角(形)という呼び名は、割と新しく、1950年代からだそうです。19世紀に、よく目につく三角形という呼び名があったそうですが……それにしても最近できた呼び名なんですね。天文学の歴史も、調べてみると、なかなか面白いです。

 10月に入ると、東の空は秋の星座になります。夏の星空に比べると、少し寂しい空です。ただし今年は、土星と木星が輝いているので、それなりに賑やかです。今月は、土星が見頃なので、CMOSカメラで撮影する予定です。土星の撮影は初めてなので……どうなることか……。

 薩摩半島はまだまだ水蒸気が多いので、すっきりした秋空を、ノンビリ待つことにしま~す。

データ/ケンコースカイメモS・トキナー11~20ミリF2.8・ISO1600・EOSKissX8i・f4・35秒・ソフトフィルター使用・2023年8月15日21時20分頃

| | コメント (0)

« 2023年9月 | トップページ | 2023年11月 »